習近平主席は、今回のアフリカ歴訪を通じて、中国とアフリカ諸国との経済関係をこれまで以上に緊密にしたいと考えている。訪問国としては、セネガル、ルワンダ、および南アフリカ共和国を予定している。
習近平主席は、7月21日の午後に、セネガルの国賓として、首都ダカールに到着した。中国国家主席のセネガル訪問としては10年ぶりとなる。早速、同日の夕刻、習近平主席は、中国とセネガルは両国間の経済関係強化に関する合意書に調印した。
今回の中国、セネガルの合意書は10項目から構成されていて、主なものは次のとおりである。
1.両国間の司法処理
2.中国による経済、技術協力
3.中国によるインフラの整備
4.人的資本(資格、学歴)の評価基準
5.民間機乗入れ協定
調印の後の共同記者会見でセネガルのサル大統領は、会見の内容について「中国、セネガル両国間の協力関係と世界情勢について話した」と説明した。...
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習近平主席は、7月21日の午後に、セネガルの国賓として、首都ダカールに到着した。中国国家主席のセネガル訪問としては10年ぶりとなる。早速、同日の夕刻、習近平主席は、中国とセネガルは両国間の経済関係強化に関する合意書に調印した。
今回の中国、セネガルの合意書は10項目から構成されていて、主なものは次のとおりである。
1.両国間の司法処理
2.中国による経済、技術協力
3.中国によるインフラの整備
4.人的資本(資格、学歴)の評価基準
5.民間機乗入れ協定
調印の後の共同記者会見でセネガルのサル大統領は、会見の内容について「中国、セネガル両国間の協力関係と世界情勢について話した」と説明した。一方、習近平主席は、「中国とアフリカとの関係は将来もゆるぎないものと確信する」と述べた。
なお、中国は、セネガルにとっては輸入量、輸出量ともフランス(かつての宗主国)に次いで第2の貿易国となっている。
2016年のセネガル政府の公式貿易収支データによると、中国からの輸入総額はインフラ整備計画も含めると20億ドル(=約2200億円)となる。中国からの輸入のみに着目すると、2013年には3.46億ユーロ(=約398億円)であったのが2017年のデータでは5.59億ユーロ(=約643億円)に増加している。中国からの輸入が増加している理由は、セネガル国内で進められている中国企業によるインフラ整備工事の建設資材(パイプ、鋼材など)の輸入が増加しているためである。一方、セネガルから中国への輸出は1.15億ユーロ(=約132億円)でジルコン、チタンなどの鉱物類とピーナッツなどの農産物で構成されている。
中国ペースで一見して強引に進められているセネガルのインフラ整備により、セネガルの中国との貿易収支は毎年赤字が予想され、将来の中国に対する膨大な負債が懸念される。
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