モスクワ市は29日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、30日から外出禁止措置をとることを発表した。モスクワとその郊外に住むおよそ2000万人が対象となる。世界では、ウイルスのために外出禁止の生活を送る人々が約30億人いるが、その仲間に加わることになる。
『ル モンド』によると、ロシア保健当局は国内感染者1,534人のうち、約3分の2にあたる1,014人がモスクワで感染が確認されていると発表。またロシア国内では29日までに新たに270人の感染が確認され、モスクワ市長は感染防止対策強化のために、外出禁止措置に踏み切った。
感染者の増加は、検査手続きの簡素化と感染拡大の両方を反映していると見られているが、医療制度の貧弱なロシアでは、感染者の爆発的増加が非常に警戒されている。...
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『ル モンド』によると、ロシア保健当局は国内感染者1,534人のうち、約3分の2にあたる1,014人がモスクワで感染が確認されていると発表。またロシア国内では29日までに新たに270人の感染が確認され、モスクワ市長は感染防止対策強化のために、外出禁止措置に踏み切った。
感染者の増加は、検査手続きの簡素化と感染拡大の両方を反映していると見られているが、医療制度の貧弱なロシアでは、感染者の爆発的増加が非常に警戒されている。
モスクワ市民は、通勤、ゴミ出し、最寄りの店や薬局での買い物、または緊急事態の場合にのみ外出が許可される。またペットの散歩は、家から100メートル以内に限られる。モスクワ市では23日から既に65歳以上に自主隔離が義務付けられていたが今回の規制は年齢にかかわらず全ての世代が対象となる。
いつまで施行されるのか、具体的な期限は明らかにされなかったものの、公共交通機関はこれまで通り運行するという。ただし、外出には許可証が必要となる。
『ロシアトゥデイ』によると、ロシア当局は人同士の物理的な距離を1.5メートル空けることを促進しており、店舗や事業所は、床に印をつける、受付や訪問体制を工夫するなど、社会的距離を維持できるように何らかの措置を取るように命じられている。
モスクワのソビヤニン市長は、今回の危機により多くの人々が職を失うことを認めた。失業給付として19,500ルーブル(約26,400円)を毎月受け取ることが可能になると述べた。これは、市内の平均収入の約5分の1にあたるが、最低賃金の20,195ルーブルを下回る。
なお、ウイルスに感染した人は、まず医師が自宅訪問し、無料の抗ウイルス薬を処方する。その後は、救急車、診療所のスタッフ、またはボランティアが無料の薬を届けるという。状態が悪化した場合に限り、入院できる。
『BFMTV』によると、モスクワ市は「スマート監視システム」を導入して市民が外出禁止措置に従っているかどうか監視するという。
ロシアは18日より外国人の入国を原則禁止とし、生活必需品のお店のみ営業している。
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