テキサス州を襲った寒波で、気温は、米国の石油ガス産業が未だ経験したことのない―10℃以下に達し、原油やシェールガスの生産井戸が点在するパーミアン盆地での油田井戸で石油成分 に含まれる水が凍結し、石油生産やガス生産に支障をきたしているという。
さらに、原油パイプラインやガスパイプラインはポンプやコンプレッサーが
電力不足のため稼働できず、石油やガスの処理設備への輸送が滞っている。
ヒューストン港においても桟橋が凍結状態のため、石油の積み出しやLNGの積み出しが困難な状況にある。...
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テキサス州を襲った寒波で、気温は、米国の石油ガス産業が未だ経験したことのない―10℃以下に達し、原油やシェールガスの生産井戸が点在するパーミアン盆地での油田井戸で石油成分 に含まれる水が凍結し、石油生産やガス生産に支障をきたしているという。
さらに、原油パイプラインやガスパイプラインはポンプやコンプレッサーが
電力不足のため稼働できず、石油やガスの処理設備への輸送が滞っている。
ヒューストン港においても桟橋が凍結状態のため、石油の積み出しやLNGの積み出しが困難な状況にある。
テキサス州の隣の州、ルイジアナ州のLNG基地はLNG出荷を停止しており、石油精製所の生産量も18%低下している。そのため、米国東海岸の州にはガソリンや軽油が供給されず、ヨーロッパから自動車燃料を輸入する必要に迫られている。
米国での原油生産量が週の初めから1/3に低下したためバーレル当たりの原油価格が63ドル以上に値上がりした。寒波の影響はガス価格の場合はさらに顕著で、MBTUガス熱量当たりの価格が3ドルから18ドルまで上昇した。
特に米国ではガス消費量の1/3が電力需要のため、今回の寒波での電力需要の増加でガス消費もピークに達している。 電力網の過負荷防止上、電力会社では計画的な停電を行っており、2月17日時点で500万人の市民が影響を受けているという。
今回の寒波で、バイデン政権が政策に挙げている電力網増強インフラ投資に拍車がかかるものと予想される。
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