4月9日、その日は朝から雨模様だった。
サイクリングを諦め、10時ごろ自宅を出て、江戸川土手まで傘をさして歩いた。
自転車だと1~2分の道のりだが、歩くと10分以上かかった。
江戸川の土手に入る場所で、1週間前に、満開の桜並木を通った記憶があった。
桜堤公園の入り口に辿り着くと、運良くまだ桜が咲き誇っていた。…が、おびただしい桜の花びらも道路に落ちていた。
「雨に散る桜」の情景がそこにあった。
しとしとと降る雨に、桜がさらさらと散っていった。
透明のビニール傘に、桜の花びらが張り付いた。
片手に傘を持ち、スマホのシャッターを切ろうとするが、傘を持ちながらスマホを持ち、空いた右手でシャッターを押す、という動作は結構骨が折れた。
気が付くと、その手の甲にも、花びらが一枚張り付いていた。
それでも、桜の美しさに惹かれて、無理な体勢でシャッターを何枚も切った。
桜の花に混じって、春の草花も時期を迎えていた。
緑の木々も雨のせいか、その色彩が一段と際立って見えた。
満開の桜並木の豪華さは、やはり日本の美しさの象徴のような気がした。
一部は、花が落ちて、葉が芽吹き、葉桜化してはいたが、全体的には、まだ満開のさまに見えた。
よく見ると、まだ蕾も残っていた。
江戸川土手では、数人のジョギングをする人とすれ違ったが、そのほかの人っ気は全くなかった。
いつもは賑わっている、サイクリングを楽しむ人々や犬の散歩をする人も、全く目にすることができなかった。
小一時間ほど、小雨の桜並木を楽しみ帰途に就いた。
毎年週末に満開の桜を見ようとすると、その度に雨にたたられる気がした。
「まあ、小雨降る中の満開もいいか」と半ばあきらめ、半ば雨の中の桜を楽しんだ。
おかげで、靴下まで水を吸い、足元が冷えた。
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4月2日、その日は9時半ごろ自宅を出て、市川橋で江戸川を渡り、蔵前橋通りを走り、平井大橋に向かった。
向かうは、「大島・小松川公園」の千本桜であった。
手元のウォッチを見ると、温度は9℃であったが、手袋をしていない手は、寒さを感じた。
荒川を渡り、しばらく行くと土手に桜の並木が見えてきた。
まだ満開とはいかないが、「桜を楽しむ」程度の5分から7分咲きぐらいではあった。
その辺りになると、人の列が途切れることはなかった。
スマホで盛んにその様子を撮影している人も、そこそこにいた。中には大きなカメラを向けている人もいた。
公園の入り口辺りに来ると、人込みは繁華街並みになった。
公園の中に入ると、そこかしこにブルーシートが敷かれ、桜の木の下を狙って、多くの人々が集っていた。
入り口辺りでは、ステージが造られ、大音響の音楽が流れてきた。
昼間っから盆踊りが始まったような様子であった。
その公園を通り抜け、旧中川に行ってみると、そこではカラフルなカヌーが浮かんでいた。
その中には、数人で目一杯オールを漕いでいる艇もいた。その船足は、かなり速くあっという間に通り過ぎていった。
旧小松川閘門に出てみると、まだ桜は咲いていなかった。
少し市街地を走ると、「仙台堀川公園」に着いた。
この細長い公園の両側は、出店で埋め尽くされていた。
干上がった川の中は、絶好の花見場所となり、一面にブルーシートが敷き詰められていた。
船堀橋を渡ると、川面に白鷲や鴨が波間に遊んでる様子が見えた。そこから帰路に就き、篠崎公園を突っ切り、連続優勝した横綱稀勢の里のいる「田子ノ浦部屋」の前を通った。
周囲の寿司屋やそば屋には、祝い事が表示されていたが、残念ながらその部屋の入り口の門には、「稽古見学はお断りします」という張り紙しか見えなかった。
中では、大掛かりな掃除が行われている気配がした。連続優勝し「今は時の人」である横綱を擁した相撲部屋としては、素っ気無さだけを感じた。
江戸川の土手に辿り着き、そのまま市川橋を渡り、帰宅した。時計は1時頃で、気温は11℃であった。
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