※2022年6月、更新を終了しています
安倍首相の「南シナ海」4か国訪問の意味は(1月16日)
今週末、1月20日にトランプ氏が第45代米国大統領に就任する。
トランプ氏を巡っては、その前哨戦となる「メデイア」との鍔迫り合いが極めて大きな話題となっている。
その最中、安倍首相は南シナ海をぐるりと囲むように「4か国訪問」をしている。
フィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナムの4か国である。
15日のインドネシアとの会談の中で両首脳は、南シナ海をめぐる問題について“地域の平和と安定に直結する国際社会全体の関心事項だ”として「中国が海洋進出を強めている」ことを念頭に法の支配や紛争の平和的解決の重要性を確認した。...
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今週末、1月20日にトランプ氏が第45代米国大統領に就任する。
トランプ氏を巡っては、その前哨戦となる「メデイア」との鍔迫り合いが極めて大きな話題となっている。
その最中、安倍首相は南シナ海をぐるりと囲むように「4か国訪問」をしている。
フィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナムの4か国である。
15日のインドネシアとの会談の中で両首脳は、南シナ海をめぐる問題について“地域の平和と安定に直結する国際社会全体の関心事項だ”として「中国が海洋進出を強めている」ことを念頭に法の支配や紛争の平和的解決の重要性を確認した。そして安全保障面での協力を強化していくため外務・防衛の閣僚協議「2+2」を年内にジャカルタで開催することで合意し安倍総理大臣は防衛装備品や技術の移転を促進する協定の締結に向けた交渉を加速させる考えを示した。
さらに安倍首相は漁船の操業などをめぐって中国との間で緊張が高まっている南シナ海のナトゥナ諸島の開発に対する協力を表明するとともに鉄道の高速化などのインフラ整備のほか海上保安能力の構築やテロ対策への支援を強化する方針を示した。ジョコ大統領は“安倍総理大臣と手を携えて政治、治安、経済、社会、文化の分野で協力を強めていく”と述べた。
安倍首相は、トランプ氏の安全保障政策や南シナ海に対する具体的な方針が見えない中、米中の狭間にいる日本の首相として、「安全保障」と「産業・経済支援」を一対にした外交政策を「南シナ海」を囲むように展開している。
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安倍首相の4か国外遊の意味するところ(フィリピン編)(1月13日)
12日から安倍総理大臣はアジア外遊の旅に出た(フィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナム)。
トランプ次期米大統領は米国の利益を優先させた経済政策に強い関心を示しているが、外交政策、特に南シナ海での中国の強硬な海洋進出が続くアジア太平洋地域に積極的に関与していくかは不透明な情勢である。...
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12日から安倍総理大臣はアジア外遊の旅に出た(フィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナム)。
トランプ次期米大統領は米国の利益を優先させた経済政策に強い関心を示しているが、外交政策、特に南シナ海での中国の強硬な海洋進出が続くアジア太平洋地域に積極的に関与していくかは不透明な情勢である。安倍総理としては米国の影響力低下が懸念される中、この地域の首脳と信頼関係を強化し中国を牽制する「対中包囲網」を日本主導で構築する構えである。また自由貿易体制を推進するよう協力を呼び掛ける方針でもある。
フィリピン・ドゥテルテ大統領と会談した安倍総理は「両国の協力関係を二国間のみならず地域の課題解決に協力していく関係へ引き上げていく事で一致した」と述べた。安倍総理は今夜のうちに飛行機でドゥテルテ大統領の地元・ダバオ市を外国首脳として初めて訪れ、明日朝には大統領の私邸で朝食を共にする事にしている。親密さのアピールの裏にもドゥテルテ大統領と良好な関係を保つ中国を牽制する意味合いがあると言える。
今回訪問する4か国ともここ2、3年で首脳が交代していて、各国の政治情勢が不透明な中で安倍総理としては日本外交の存在感を高めたい考えのように見える。
フィリピンを訪れている安倍首相はドゥテルテ大統領と会談し、フィリピンのインフラ整備のため今後5年間で1兆円規模の支援を行なうことを表明するととともに海洋における法の支配や紛争の平和的解決の重要性を確認した。オーストラリアと東南アジア3か国の歴訪をスタートさせた安倍首相。ドゥテルテ大統領が重要視している麻薬対策で治療施設の整備や更生プログラムの作成など日本のノウハウを提供する方針を伝えた。
日本とフィリピンは、同じ海洋国家として領海の安全保障を確保する共通の課題に直面している。また日本には欧米諸国から孤立するフィリピンを繋ぎとめる役割も求められている。
一方安全保障面で、中国と対峙する日本にとってフィリピンを同志として、海洋進出を図る中国に対抗して行かなければならないという需要な側面もある。
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トランプ米次期大統領・記者会見から見るこれからの動き(1月12日)
米国・ニューヨーク・トランプタワーで次期米国大統領に対しての質疑応答が行われた。「陣営の関係者が大統領選の間、ロシアと接触を図ったことはないと断言できるのか。ロシアがハッキングの背景にあったのであればプーチン大統領に今、何を言いたいか」との質問に対して、トランプ氏は「もうそんなことはすべきでないと言う。...
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米国・ニューヨーク・トランプタワーで次期米国大統領に対しての質疑応答が行われた。「陣営の関係者が大統領選の間、ロシアと接触を図ったことはないと断言できるのか。ロシアがハッキングの背景にあったのであればプーチン大統領に今、何を言いたいか」との質問に対して、トランプ氏は「もうそんなことはすべきでないと言う。今後、ロシアはもっと米国に敬意を払うようになるだろう。もし、プーチン大統領がそうしなかったら、何らかの対策を取らなければならない」と答えた。
その上で、「問題はロシアだけではない。2200万件の口座がこの国でハッキングされている。中国がサイバー攻撃を行っている。それはサイバー攻撃に対する守りがないからそうなる。私はヒラリーと同じようにリセットボタンを押すことはしない。ロシア、中国、日本、メキシコ、全ての国々は米国をこれまで以上に尊敬することになるだろう」と語った。
大統領の職務と自らの事業の利益相反の問題については、2人の息子が会社経営を行うので問題はないと強調した。
また日本について「日本、メキシコ、中国と良い取引ができていない」と発言。今回、冒頭で自動車メーカーが米国に帰ってくることになったと、フィアットクライスラー、フォードといった自動車メーカーの努力を称えた。国境を超えて輸入するものには高い関税をかけなければいけない、それが嫌なら米国で生産しろという主張。日本、メキシコ、中国を名指しで、これから交渉をし直し、米国にとって得のある取引をするというのがポイントだった。さらに、メキシコとの壁について、1年、1年半を待たずに壁を作り始め、あとで必ずメキシコに費用を払わせると強調した。トランプ氏は「最も多くの雇用を作る大統領になる」と主張した。
一方記者をけん制するなど改めてメディアとの対決姿勢を鮮明にした。強固な姿勢はメキシコに対しても。大手自動車メーカーなどはメキシコの工場建設を中止し、国内の雇用を増やす方針を相次いで発表。トランプ次期大統領は「過去最大の雇用を作り出す」と宣言した。しかし選挙中に掲げてきた減税策や経済対策についての具体的な言及はなかった。
トランプ氏の当面の政治的方針と手法は、ここのところのツイッターによる発言や今回の記者会見ではっきりしてきた。日本の立場や企業にも大きな影響を与えるトランプ氏による動きを素早く把握し、適切に対処していかなければ、当面リスク回避が難しいことが明確となったという意味で、この会見の意味がはっきりした。
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習近平氏の狙いは!(1月11日)
中国外務省の報道官は定例の記者会見で今月17日からスイス東部で開かれる世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議」に習近平国家主席が出席すると発表した。ダボス会議では毎年各国の政財界の要人が世界経済や気候変動などについて意見を交わし、中国の指導部からはこれまで李克強首相が参加したことはあるが習近平国家主席が出席するのは初めてのことである。
ことしの会議は米国の政権交代を3日後に控える中で始まるだけにトランプ次期政権の政治や経済の政策についても多くの議論が交わされる見通しである。...
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中国外務省の報道官は定例の記者会見で今月17日からスイス東部で開かれる世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議」に習近平国家主席が出席すると発表した。ダボス会議では毎年各国の政財界の要人が世界経済や気候変動などについて意見を交わし、中国の指導部からはこれまで李克強首相が参加したことはあるが習近平国家主席が出席するのは初めてのことである。
ことしの会議は米国の政権交代を3日後に控える中で始まるだけにトランプ次期政権の政治や経済の政策についても多くの議論が交わされる見通しである。習近平国家主席としては世界経済への貢献や自由貿易の拡大に積極的な姿勢を強調することで米国の国益を強く主張し保護主義的な姿勢を見せるトランプ次期大統領をけん制する狙いもあるとみられる。
台湾の国防部は、先月初めて太平洋に出た中国海軍の空母が、今朝台湾海峡を北に向かって航行していると発表した。台湾の周りを1周した形となったことから、現地のメディアは、中国が、1つの中国の考え方を受け入れていない蔡英文総統をけん制したという見方を伝えた。また米国・トランプ次期政権と台湾・蔡英文総統が接近するのを警戒、けん制する狙いがあるとみられる。
台湾メディアは戦闘機などで「遼寧」の監視体制をとったなどと報じている。台湾・蔡英文総統は中米4カ国を訪問中。米国で共和党の有力議員らと会談を重ねたことから、中国が反発していた。
蔡総統は台湾に戻る際にも米国のサンフランシスコを経由する予定にしている。空母「遼寧」の動きは台湾と米国次期政権の接近へのけん制の意味があるとみられる。
習近平国家主席は、明らかに「トランプ政権」と「蔡総統の台湾」の接近を警戒し、同時に中国のプレゼンスを高めようとあらゆる手段を執り必死に動いている。
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世界はトランプ中心に回り始めている(1月10日)
米国・デトロイトで開かれているモーターショーでは、米国内で展開している自動車メーカーのビック3のトップが、相次いで次のように米国での生産増強を中心に説明に追われた。
トランプ次期米大統領にメキシコ工場の建設計画を批判されているトヨタ自動車・豊田章男社長は9日、、米国で今後5年間に100億ドル(約1兆1600億円)を投資する計画になっていることを明らかにした。...
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米国・デトロイトで開かれているモーターショーでは、米国内で展開している自動車メーカーのビック3のトップが、相次いで次のように米国での生産増強を中心に説明に追われた。
トランプ次期米大統領にメキシコ工場の建設計画を批判されているトヨタ自動車・豊田章男社長は9日、、米国で今後5年間に100億ドル(約1兆1600億円)を投資する計画になっていることを明らかにした。その上で豊田氏はトヨタの世界最大の工場が米国にあることを説明した上で、トヨタの開発や生産、販売に携わる人は全米で13万6000人に上るとして米国経済に貢献していることを強調した。
一方、同じくトランプ批判にさらされているGM・メアリーパーラー会長兼CEOは「メキシコの生産計画の変更はないとし米国経済を支えるビジネスを目指すが同時に世界企業として展開する」と説明した。ミシガン州で生産しているGMシボレートラバースを発表し、さらにトランプ政権に規制緩和や税制優遇などを働きかけると主張した。
一足先にメキシコの工場移転計画を撤回しトランプ攻撃をいち早くかわしたフォードのマークフィールズ社長は記者からの質問攻めも軽くかわし余裕を見せた。
因みに米国の高級車トップ3年間販売台数、メルセデスベンツ34万台、レクサス33万台、BMW31万台となっている。
どうも、生産台数や販売台数が多い車種を持っているメーカーが狙われているようにも見える。
ドイツ勢は現在のところ、今後の展開について表明していないが、こうなると注目が集まることになる。
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