平昌五輪閉会式に出席したイバンカトランプ米国大統領補佐官と金正恩党委員長の妹・金与正とイバンカの待遇について比較すると、次のようになる。
滞在日数は金与正は2泊3日、イバンカは3泊4日。
空港での出迎え:金与正高官3人、イバンカ外務省、儀典長1人。
宿泊したホテルは金与正はソウル・「WARKER HILL」のプレジデンシャルスイート、イバンカは平昌近郊・「PARK ROCHE」のカリワンロイヤルスイート。...
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平昌五輪閉会式に出席したイバンカトランプ米国大統領補佐官と金正恩党委員長の妹・金与正とイバンカの待遇について比較すると、次のようになる。
滞在日数は金与正は2泊3日、イバンカは3泊4日。
空港での出迎え:金与正高官3人、イバンカ外務省、儀典長1人。
宿泊したホテルは金与正はソウル・「WARKER HILL」のプレジデンシャルスイート、イバンカは平昌近郊・「PARK ROCHE」のカリワンロイヤルスイート。
文在寅大統領からの待遇:(金与正)4回面会し昼食会あり、(イバンカ)2回面会し夕食会であった。
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南北融和ムードと米国による過去最大級の制裁可能性(2月24日)
(北朝鮮は閉会式まで南北融和ムード演出)
韓国、平昌五輪を最大限に政治利用して融和ムードを演出している北朝鮮。23日北朝鮮・美女応援団は、滞在中の宿泊施設がある韓国・インジェの人たちのために謝恩公演を行ない、会場は約2000人の観客で埋まった。平昌五輪での北朝鮮選手の出場種目は全て終了しているにも関わらず、25日の閉会式まで、南北の融和ムードを演出するための公演を展開するものとみられる。韓国・文大統領は「北朝鮮との対話が朝鮮半島の緊張を緩和させる」との立場を鮮明にしている。...
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(北朝鮮は閉会式まで南北融和ムード演出)
韓国、平昌五輪を最大限に政治利用して融和ムードを演出している北朝鮮。23日北朝鮮・美女応援団は、滞在中の宿泊施設がある韓国・インジェの人たちのために謝恩公演を行ない、会場は約2000人の観客で埋まった。平昌五輪での北朝鮮選手の出場種目は全て終了しているにも関わらず、25日の閉会式まで、南北の融和ムードを演出するための公演を展開するものとみられる。韓国・文大統領は「北朝鮮との対話が朝鮮半島の緊張を緩和させる」との立場を鮮明にしている。
(米朝が接触する可能性は低い)
一方、25日に行われる平昌五輪閉会式に出席するため、訪韓中の米国・イバンカ大統領補佐官は、「北朝鮮に対する最大限の圧力が必要」とトランプ政権のこれまでの立場を文大統領に突き付けた。北朝鮮側は閉会式にキムヨンチョル統一戦線部長を派遣するとしているが、キムは北朝鮮の偵察総局のトップとして哨戒艦撃沈事件にも関わったとされる人物であり、韓国の野党などは逮捕すべき人物と強く反発している。キムは米韓合同軍事演習を中止し、南北首脳会談を文大統領に要請する可能性がある。その一方で閉会式において米朝が接触する可能性はきわめて低いとみられる。
(米国が北朝鮮に対し過去最大級の制裁を発動)
こうした中、米国・トランプ政権は23日、北朝鮮、中国、台湾、シンガポール、パナマ、タンザニアなどの56の海運会社、法人、船舶、個人の資産を凍結する新たな制裁の発動に踏み切った。国際社会の協力を得ながら、北朝鮮の洋上での石炭・石油などの積み替えを阻止し、北朝鮮包囲網の抜け穴をふさぐ狙いがある。米国はこの制裁を過去最大のものとしており、北朝鮮が平昌五輪で融和ムードを演出する中、北朝鮮への圧力を強める姿勢を鮮明に打ち出している。
(4月の米韓合同軍事演習、南北首脳会談の有無が今後の山場)
北朝鮮に核・ミサイルの放棄を求める米国と核・ミサイル政策を維持する姿勢の北朝鮮。この両国が姿勢を変えない限り、朝鮮半島で何が起きても不思議ではない状況になっている。北朝鮮に対する米国の先制攻撃「ブラッディノーズ作戦」が行われるとみている関係者も多くおり、現在、防衛関連株が急上昇しているという。最も注目されるのは4月の米韓合同軍事演習が行われるかどうかだ。北朝鮮は南北首脳会談を4月頃に開催し、その期間中の演習の中止を求めてくるとみられる。防衛省によると過去2年間、北朝鮮は3月末から4月にかけて行われる演習に反発し14回ものミサイルを発射している。もしミサイルが発射された場合には、米国が黙認するとは考えにくい。4月頃に南北首脳会談、米韓合同軍事演習が行われるかどうかが今後の朝鮮半島情勢を大きく左右する分かれ道となりそうだ。
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北朝鮮・微笑み外交に取り込まれた韓国(2月17日)
今回、北朝鮮は平昌五輪を最大限に利用し、金与正、美女応援団による微笑み外交で南北融和を最大限に演出した。その目的は米韓を分断するために韓国を取り込むことにあった。北朝鮮としては、この目的はほぼ達成したようだ。金与正は文大統領との会談で南北首脳会談の開催を呼びかけ、文大統領も前向きな態度を示した。その一方で2月16日の金正日総書記・生誕記念日・中央報告大会においてチェリョンヘ副委員長が「威力ある先端武装装備をさらに開発、再生産すべき」と強調するなど、北朝鮮は核・ミサイル開発路線に突き進む姿勢も依然として示している。...
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今回、北朝鮮は平昌五輪を最大限に利用し、金与正、美女応援団による微笑み外交で南北融和を最大限に演出した。その目的は米韓を分断するために韓国を取り込むことにあった。北朝鮮としては、この目的はほぼ達成したようだ。金与正は文大統領との会談で南北首脳会談の開催を呼びかけ、文大統領も前向きな態度を示した。その一方で2月16日の金正日総書記・生誕記念日・中央報告大会においてチェリョンヘ副委員長が「威力ある先端武装装備をさらに開発、再生産すべき」と強調するなど、北朝鮮は核・ミサイル開発路線に突き進む姿勢も依然として示している。
南北融和に合わせ、軟化する米国
文大統領は金与正との対話の中で南北会談に積極的な姿勢は見せたが、「米朝協議が行われない限りは、実現は難しい」と伝えていた。そのため米朝協議の動きが注目されていたが、ここにきてペンス副大統領が「トランプ政権は前提条件なしに北朝鮮と話し合う用意がある」と発表し、米朝協議が行われる公算が強まった。南北首脳会談が行われる可能性が高まったと言ってもよいだろう。おそらく4月の米韓合同軍事演習については延期されるか、実施されるとしても、相手を刺激しない程度の小~中規模の演習に留まる可能性がある。驚くべき米国の変化は、これだけではない。これまで盛んに漏れ聞こえてきたブラディノーズ作戦自体をホワイトハウス当局者が否定し始めたことだ。共和党のリッシュ上院議員も政府関係者の話として鼻血作戦など存在せず、話にも出たこともないとしている。これによって南北首脳会談を行いやすい環境がさらに整備されたといえるのではないか。当面、米国は南北対話を肯定的にとらえて、文大統領にフリーハンドを与えお手並み拝見というところなのかもしれない。
南北首脳会談では何が話し合われるのか
南北首脳会談が行われた場合には、米国は文大統領にきっちりと核・ミサイルの話を持ち出させる可能性がある。その場合、議論が平行線になる可能性も当然あるが、これ以上の核・ミサイル開発を凍結することを条件に米韓が合同軍事演習を控え、制裁を緩和するという話を進める可能性もある。この選択が行われた場合、安全保障を米国に頼り切る日本としては米国の選択に従う他ない。少なくとも北朝鮮が米国に到達可能な核・ミサイルを開発しないという約束を守った場合には当面米国の核の傘の信頼性は担保される。問題は北朝鮮がそこまで信用できる国ではないということだ。北朝鮮が水面下で核・ミサイル開発に突き進めば9月にも大気圏突入技術も含めた米国に届くICBM技術が確立されると専門家は見ている。北朝鮮の建国記念日9月9日にそのミサイルを大々的に発射された時に後悔してももう遅いという話になりかねない。北朝鮮に対するスタンスがきっちりと定まっていないようにも見える米国・トランプ政権。五輪終了から4月にかけても北朝鮮情勢からは目が離せそうにない。
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“融和ムード”の一方で…北朝鮮・核ミサイル開発・譲歩しない姿勢(2月16日)
平昌五輪に合わせて融和ムードを印象付けている北朝鮮。金正恩朝鮮労働党委員長の父・金正日総書記の生誕記念日として祝日としている今日を前に、平壌で中央報告大会を開いた。
チェリョンヘ朝鮮労働党副委員長が演説し「威力ある先端武装装備をさらに多く開発生産すべき」と強調。韓国との関係に関連した具体的な言及はなし。北朝鮮は、平昌五輪開会式前日の軍事パレードでICBM大陸間弾道ミサイル級の火星15型を登場させ、核ミサイル開発では譲歩しない姿勢を示している。
(韓国には微笑み外交、日米には軍事で揺さぶりかける北朝鮮)
北朝鮮・金正恩委員長は今年の新年の辞で、平昌五輪をきっかけに韓国から新たな融和政策を引き出すことに前向きと読めるメッセージを発していたが、その言葉通り平昌五輪を突破口に妹・与正を派遣し、巧妙な微笑み外交を展開させている。続々とサムジヨン管弦楽団や美女応援団を派遣し、平昌五輪開幕前から話題をほぼ独占し、平壌五輪開会式を通じてスポーツの祭典というより、さながら南北融和の政治ショーと化している。...
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(韓国には微笑み外交、日米には軍事で揺さぶりかける北朝鮮)
北朝鮮・金正恩委員長は今年の新年の辞で、平昌五輪をきっかけに韓国から新たな融和政策を引き出すことに前向きと読めるメッセージを発していたが、その言葉通り平昌五輪を突破口に妹・与正を派遣し、巧妙な微笑み外交を展開させている。続々とサムジヨン管弦楽団や美女応援団を派遣し、平昌五輪開幕前から話題をほぼ独占し、平壌五輪開会式を通じてスポーツの祭典というより、さながら南北融和の政治ショーと化している。その一方で8日北朝鮮は、軍の創建70周年を祝う軍事パレードを行ない(約5万人が参加)、規模を縮小し、外国報道陣にも取材させないなど、巧妙に配慮しつつも、核・ミサイル開発を続けていく姿勢を変えない強硬な姿勢を示してみせた。38ノースによれば、このパレードには大陸間弾道ミサイル・火星15型ICBM4発、火星14型ICBM3発、火星12型中距離弾道ミサイル6発、北極星2型固体燃料式中距離弾道ミサイル6発が登場したというが、このパレードに登場した軍事装備が本物であるのか議論を呼んでいる。もし本物であるとすれば、脅威は増していると認識せざるを得ない。今回の北朝鮮の微笑み外交の狙いは最大限の外交力を駆使し、圧力重視の日米韓を分断し、国際的な制裁網に穴を開け、米韓合同軍事演習を中止させることにある。米国は五輪後、すぐに米韓合同軍事演習を行うとしているが、北朝鮮は南北首脳会談を開催することで軍事演習をさせない可能性もあり、北朝鮮は五輪という平和の祭典を巧妙に利用しているということにもなる。
(安倍首相が北朝鮮幹部と接触)
こうした中、9日に行われた日韓首脳会談で安倍首相は「対話のための対話では意味がない」と北朝鮮に前のめりな文大統領に強く釘を刺した。また、五輪後の米韓合同軍事演習の着実な実施を求めた。その一方で、文大統領主催のレセプションに出席した安倍首相は北朝鮮の金永南派遣団団長と5分間、通訳だけを交え言葉を交わした(具体的なやりとりは明らかになっていない)。安倍首相が北朝鮮最高幹部と接触するのは金正恩体制になってから初めてのことで、五輪に合わせて北朝鮮高官との非公式な対話に踏み切った形となる。最大限の圧力をかけていくとしてきたこれまでの路線に対話を組み込んだ今回の安倍首相の判断は、北朝鮮との接触を拒んだ米国・ペンス副大統領の動きとは大きな違いを感じさせる。北朝鮮の軍事パレードで米国に届くICBM火星15型が4発も登場したことは北朝鮮が米国の直接の軍事的脅威になったことを意味し、日本にとっては米国の核の傘の威力が減じたことを意味する深刻な事態の中、今後のスタンスが問われている。
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