北朝鮮、米東海岸に到達可能なICBMの完成までは米と交渉の意思なし(10月17日)
Globali|「北朝鮮、米東海岸に到達可能なICBMの完成までは米と交渉の意思なし」より
米CNNは16日、ある北朝鮮当局者の話として、同国は米東海岸を射程に入れたICMB(大陸間弾道ミサイル)が完成するまでは、トランプ米政権とは交渉する意思はないと主張したと報じている。
北朝鮮は外交交渉の可能性を完全に否定はしていないが、その当局者は「トランプ政権と交渉に入る前に、北朝鮮は米国のいかなる侵略行為にも対抗するための信頼に足る防衛力・攻撃力を保有していることを明確なメッセージとして伝えておきたい。...
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Globali|「北朝鮮、米東海岸に到達可能なICBMの完成までは米と交渉の意思なし」より
米CNNは16日、ある北朝鮮当局者の話として、同国は米東海岸を射程に入れたICMB(大陸間弾道ミサイル)が完成するまでは、トランプ米政権とは交渉する意思はないと主張したと報じている。
北朝鮮は外交交渉の可能性を完全に否定はしていないが、その当局者は「トランプ政権と交渉に入る前に、北朝鮮は米国のいかなる侵略行為にも対抗するための信頼に足る防衛力・攻撃力を保有していることを明確なメッセージとして伝えておきたい。」と語った。
ジョン・ケリー米大統領首席補佐官は先週、北朝鮮がICBMの大気圏再突入技術を開発中であり、核・ミサイル開発計画を大きく進展させる日が近づいていることを示唆して、米国の危機感を伝えている。
北朝鮮当局者は、信頼できるICBMの完成には、2つの追加ステップが必要と指摘した。先月トランプ大統領が国連演説で、「北朝鮮を完全に破壊する」と威嚇したことに対し、北朝鮮の李容浩(リヨンホ)外相が「金正恩委員長は前例のない規模の水爆を太平洋上で爆発させることを考えている。」と述べたが、そうした地上での核実験が1つ、他の1つは、グアムもしくはさらに遠くまで到達可能な長距離ICBMの実験だと説明している。
当局者はさらに、これらのいずれかまたは両方のステップを確認するために、現在行われている米韓合同軍事演習中か、トランプ大統領の来月上旬のアジア諸国歴訪中に、実験が行われる可能性があると警告した。
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(G7・最大限の圧力をかける必要があるとの認識で一致)
13日、米国・ワシントンでG7主要7か国財務相・中央銀行総裁会議が開催され、国際社会への重大な脅威となっている北朝鮮に対し「最大限の経済的な圧力をかける必要がある」という認識で一致した。北朝鮮問題に無関心だった日米以外の5か国(ドイツ、英国、フランス、イタリア、カナダ)が北朝鮮問題に対する認識を一致させた意義は大きい。しかし、最大の問題は北朝鮮に対する経済制裁が本当に効いているのかどうかということだ。...
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(G7・最大限の圧力をかける必要があるとの認識で一致)
13日、米国・ワシントンでG7主要7か国財務相・中央銀行総裁会議が開催され、国際社会への重大な脅威となっている北朝鮮に対し「最大限の経済的な圧力をかける必要がある」という認識で一致した。北朝鮮問題に無関心だった日米以外の5か国(ドイツ、英国、フランス、イタリア、カナダ)が北朝鮮問題に対する認識を一致させた意義は大きい。しかし、最大の問題は北朝鮮に対する経済制裁が本当に効いているのかどうかということだ。制裁が効いていると解釈しているある識者によれば、年末から年始にかけて、経済制裁で疲弊した北朝鮮が暴発し米国との間で不測の事態が起きる可能性を懸念している。その一方で、経済制裁が効果がないとする識者もいる。その理由は北朝鮮の背後で、中国とロシアが代わる代わる援助を続けているとみられる上に、北朝鮮と国交を結んでいる国が160か国(イランや東南アジア諸国など)以上もあり、バックドアが数多く存在するとみられ点をあげている。仮に制裁が効果を上げたと想定してみても、北朝鮮が西側社会の提案である核の放棄に乗るとはとても思えず、日米が対話路線を拒絶していることを考えると、そこから先は武力行使の道しか見えてこないということになる。だが、例えば「斬首作戦」などはどうなのだろうか。残念ながら「斬首作戦」に関する情報は去年9月、ハッキングによって奪われていた(韓国当局者)ため、北朝鮮に詳細な手の内を読まれている可能性がある。現時点でこれに依存することはリスクが大きい。考えられるのは、日本もイージスアショアなどを米国から購入し、トランプ大統領と現実的なディールを行いつつ、北朝鮮に対する備えを強化していくこと以外に日本の取れる道はあるのだろうか。
(嵐の前の静けさ?米原子力潜水艦が釜山に)
こうしている間にも北朝鮮は着々と米国西海岸に届くミサイルの発射実験の準備を進めている。中国共産党党大会が18日から始まるが、その前後にもミサイル発射実験が行われるとみられる。その予測に合わせるかのように13日には、韓国(釜山)に米軍の原子力潜水艦「ミシガン」が入港。さらには原子力空母・ロナルドレーガンは16後日から朝鮮半島周辺で韓国軍と演習をする模様だ。トランプ大統領は現在の状況を「嵐の前の静けさ」と例え、「私はおそらくほかの人より強く厳しい。みんなの意見を聞いて最終的に正しいことをする」と北朝鮮への軍事攻撃を示唆している。一方、水面下ではカーター元大統領を訪朝させ、金正恩党委員長と会談させるという案も米朝双方で検討されている。ただ、トランプ大統領はこの案に対し「歴代の大統領が北朝鮮と話し合いをしてきて、効果がなかった」と否定的であり、結局、対話ができても北朝鮮の核・ミサイル開発の時間稼ぎになってしまう可能性が高い。
(今後の北朝鮮の動き)
これまでの北朝鮮の行動パターンから中国共産党党大会前後に行うのではという予測が導き出されているが、本当に18日前後に北朝鮮の挑発はあるのかということをここで検証してみたい。中国共産党党大会といえば5年に1度の中国が最も力を入れるイベントであり、ましてや習近平国家主席の権威付けを進めている最中に北朝鮮が挑発行為を行った場合には習主席の権威は丸つぶれとなる。このため、中国としてはこれを許容できず、北朝鮮に対し石油禁輸や、北朝鮮に対する威嚇射撃を行うことすら考えられ、北朝鮮にとってはリスクの高い行動となる。むしろ北朝鮮はトランプ敵視路線を鮮明にする形で11月3日からのトランプのアジア歴訪やAPECに照準を定めてくる可能性もある。おそらくはハワイあたりまで届く規模のICBMを飛ばすか、SLBMを使った何らかの行動が考えられる。その時トランプ大統領はどのような決断をするのか注目される。
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G7・北朝鮮に最大限の経済的な圧力をかける(10月13日)
G7主要7か国は米国・ワシントンで財務相、中央銀行総裁会議を開き、核やミサイルの挑発を続ける北朝鮮に対し、国際平和と安全保障への重大な脅威となっているとして最大限の経済的な圧力をかける必要があるという認識で一致した。
米国研究グループ「北・SLBM発射可能」(10月13日)
米国・ジョンズホプキンス大の北朝鮮問題研究グループ「38ノース」は、北朝鮮・新浦の造船所の衛星画像を公開した。
同造船所にはSLBMを搭載できる新浦級潜水艦が停泊。38ノースは発射実験が「いつでも可能とみられる」と分析。
北朝鮮・李容浩外相はロシア国営タス通信のセルゲイ・ミハイロフ社長と平壌で会談。「核兵器が対象になるいかなる交渉にも応じない」と述べた。
北朝鮮・核ミサイル開発・さらに加速の方針(10月9日)
北朝鮮・金正恩朝鮮労働党委員長は党の中央委員会総会で演説し「敵の核戦争の挑発と制裁、圧迫を打ち砕き核武力建設の歴史的な偉業を成し遂げる」と述べて、核ミサイル開発を更に加速させる方針を強調した。
北朝鮮の国営テレビは、党の中央委員会総会が1年5か月ぶりに開催されたことを伝えた。
注目の党幹部人事も判明。金委員長の妹・金与正が、政治局員候補に選ばれた。体制の宣伝や思想教育を統括する宣伝扇動部を務め、年齢は30歳前後とみられ、5月に党中央委員に選出した。...
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北朝鮮・金正恩朝鮮労働党委員長は党の中央委員会総会で演説し「敵の核戦争の挑発と制裁、圧迫を打ち砕き核武力建設の歴史的な偉業を成し遂げる」と述べて、核ミサイル開発を更に加速させる方針を強調した。
北朝鮮の国営テレビは、党の中央委員会総会が1年5か月ぶりに開催されたことを伝えた。
注目の党幹部人事も判明。金委員長の妹・金与正が、政治局員候補に選ばれた。体制の宣伝や思想教育を統括する宣伝扇動部を務め、年齢は30歳前後とみられ、5月に党中央委員に選出した。
今回の抜てきで金委員長の側近の1人としての存在感を一層増している。
先月の国連総会での演説で米国を非難したリヨンホ外相は、政治局員候補から政治局に昇格し、トランプ政権への対決姿勢を強める指導部の立場を反映したとみられる。
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