北朝鮮・あす創建記念日・トランプ大統領意味深発言”(10月9日)
10月10日の「朝鮮労働党創建記念日」を控えて北朝鮮のミサイル発射への緊張が高まっている。
米国・トランプ大統領が米国軍の幹部に囲まれた状態で北朝鮮について「嵐の前の静けさ」と発言(米国・ワシントン)。トランプ大統領は昨日、ツイッターで「歴代大統領と政権は25年にわたり北朝鮮と対話し合意を結び巨額の金を支払ってきたがうまくいかなかった。
合意はインクが乾く前に破られ米国の交渉担当者は笑いものにされた。...
全部読む
10月10日の「朝鮮労働党創建記念日」を控えて北朝鮮のミサイル発射への緊張が高まっている。
米国・トランプ大統領が米国軍の幹部に囲まれた状態で北朝鮮について「嵐の前の静けさ」と発言(米国・ワシントン)。トランプ大統領は昨日、ツイッターで「歴代大統領と政権は25年にわたり北朝鮮と対話し合意を結び巨額の金を支払ってきたがうまくいかなかった。
合意はインクが乾く前に破られ米国の交渉担当者は笑いものにされた。申し訳ないが有効な策は1つだけ」と発言。武力行使も辞さない発言をした。
金正恩委員長は朝鮮労働党中央委員会の総会で「米国の核戦争挑発と制裁、圧殺策動を断固糾弾する」と発言した。
先週、平壌を訪問したロシア下院外交委員会・モロゾフ議員は「北朝鮮はより射程の長い新たなミサイルの発射実験を準備している。米国西海岸に届くことを証明する数値も見せられた。かなり好戦的な雰囲気だった」と発言し、金正恩委員長は実の妹を朝鮮労働の幹部に昇進させた。
閉じる
米国・トランプ大統領“たった1つが効果ある”(10月9日)
米国・トランプ大統領は自らのツイッターに「歴代の大統領や政権は北朝鮮と25年間話し合いをしてきて、合意に達したり多額の金が支払われたりしたが効果がなかった。たった1つのことだけが効果があるだとう」と書き込んだ。
“たった1つのこと”が何を意味するのか明らかにしていないが、軍事行動も含めた選択肢があると示唆し、北朝鮮をけん制する狙いがあるとみられる。
ロシア議員団“北朝鮮・長距離ミサイルを計画”(10月8日)
北朝鮮を訪問したロシアの議員団が、北朝鮮が近く、米国西海岸にも到達可能な新たな長距離ミサイルの発射実験を計画していることを明らかにした。
北朝鮮はあさって朝鮮労働党創立72年の記念日を迎える。指導部はキムジョンウン朝鮮労働党委員長のさらなる権威づけを図るとみられていることから、各国が警戒している。
(北朝鮮ミサイルが発射の兆候・自前で燃料を製造している可能性も浮上)
米国・
38ノースは
北朝鮮の大型クレーンがSLBM・潜水艦発射弾道ミサイルの実験用発射台で作業している様子を捉えた衛星画像を公開した。韓国・康京和外相は根拠は示さずに、北朝鮮による新たな軍事的挑発が10月10日(朝鮮労働党創建記念日)か、10月18日(中国共産党大会開幕日)にも行われる可能性があるとしている。...
全部読む
(北朝鮮ミサイルが発射の兆候・自前で燃料を製造している可能性も浮上)
米国・
38ノースは
北朝鮮の大型クレーンがSLBM・潜水艦発射弾道ミサイルの実験用発射台で作業している様子を捉えた衛星画像を公開した。韓国・康京和外相は根拠は示さずに、北朝鮮による新たな軍事的挑発が10月10日(朝鮮労働党創建記念日)か、10月18日(中国共産党大会開幕日)にも行われる可能性があるとしている。一方、ニューヨークタイムズ紙は、専門家の話として「
北朝鮮が国内の工場で、長距離弾道ミサイル用燃料を独自に製造している可能性がある」と報じた。
もしこれが事実であるなら、石油や原油の禁輸を最大の切り札にしている国連制裁自体が無意味になってしまう。こうした中、英国・王立防衛安全保障研究所は北朝鮮による先制攻撃のリスクを想定した衝撃的な報告書を発表した。それによると開戦後、米国は北朝鮮に大規模空爆やサイバー攻撃を行い、双方の死者は合わせて数十万人にのぼるという。マルコムチャーマーズ副所長は「北朝鮮と米国・韓国の間で戦争が勃発する可能性が他のどの危機よりも高くなっている」と懸念を示している。
(圧力強化の動き)
トランプ大統領は11月3日から
日本、韓国、中国、ベトナム、フィリピンの5か国を訪問し、対北朝鮮圧力包囲網強化を図る模様で、
特に北朝鮮への影響力が大きい中国に対しては、国連安保理制裁決議を上回る圧力を北朝鮮に対してかけさせたい思惑がある。このため米国は9月末に一足早くティラーソン国務長官を中国に派遣し、根回しを行う。ティラーソン氏は習近平国家主席や王毅外相と会談予定だが、すでに中国は北朝鮮の個人や企業が中国国内で設立した合弁企業など120日以内に閉鎖するよう通達を出している。着実に実行されれば、北朝鮮の外貨獲得を遮断できるが、この通達についてはティラーソン訪中を前にした中国側のパフォーマンスとの見方がある。中国側は本当の解決は圧力をかけるだけでは達成できないと考えていて、中国が目指す解決案は、北朝鮮がとりあえずこれ以上の核・ミサイル開発を凍結し、米韓側が米韓合同軍事演習を止めることで一旦話し合いのテーブルにつきましょうというものだ。米国は北朝鮮が核放棄しない限り対話に応じない姿勢だ。一方、ロシア訪問中の北朝鮮・崔善姫米州局長は、北朝鮮核問題担当のブルミストロフ巡回大使と会談した。北朝鮮に対する石油輸出規制などの国連安保理制裁をロシアがどの程度実施するかの感触を探っているものとみられる。また圧力ではなく対話を訴えているロシアの協力をとりつける思惑もありそうだ。
北朝鮮としては中国やロシアとの距離感を測りつつも、核・ミサイル開発は継続していきたい意向だろう。
(11月の米中首脳会談で北朝鮮問題は解決できるのか?)
今までの米中関係では、北朝鮮で揉め事があると他の問題で対立があっても、北朝鮮問題においてはいくらでも先延ばしができたため、比較的合意を演出しやすかったが、今回は先延ばしができない段階に来ており、簡単には合意できない状況になっている。更に米国が、貿易赤字の問題を材料にして、中国に北朝鮮問題で更に譲歩させることができる余地は限られてきている。実は
米中間では更に重要なITとか先端テクノロジーなど米国が中国に対して対処しないといけない問題が数多くあり、この分野で米国はこれからも中国に対して優位性を保ちたいと考えている。そういう状況が根底にあり、
ここに南シナ海問題や北朝鮮問題が絡んできて、米中首脳会談は落としどころを探していくことになるだろう。
閉じる
(米朝の威嚇の応酬がエスカレート・国連総会で、北朝鮮に対する各国の立ち位置が明確に)
北朝鮮に対し強硬姿勢を見せる日米と、その姿勢に協調姿勢を見せつつも北朝鮮に人道支援として9億円を寄付するなどして距離を置く韓国。米国に同調姿勢(中国人民銀行が国内の大手銀行に北朝鮮関係者との取引きの全面停止を要請)を見せ始めた中国。いがみ合う米朝間の仲裁に入るロシア。
国連総会では、北朝鮮に対する各国の立ち位置が明確になった。...
全部読む
(米朝の威嚇の応酬がエスカレート・国連総会で、北朝鮮に対する各国の立ち位置が明確に)
北朝鮮に対し強硬姿勢を見せる日米と、その姿勢に協調姿勢を見せつつも北朝鮮に人道支援として9億円を寄付するなどして距離を置く韓国。米国に同調姿勢(中国人民銀行が国内の大手銀行に北朝鮮関係者との取引きの全面停止を要請)を見せ始めた中国。いがみ合う米朝間の仲裁に入るロシア。
国連総会では、北朝鮮に対する各国の立ち位置が明確になった。一方、
トランプ大統領が演説(19日)で「
米国と同盟国を守らなければならない時、北朝鮮を完全に破壊することになる」と発言したことに北朝鮮は強く反発し、
金正恩名義で「
史上最高の超強硬対抗措置の断行を慎重に考慮する」との声明を発表した。北朝鮮の最高指導者自らが声明を出すのは史上初めての事。さらに
李永浩外相は「
おそらく太平洋上で過去最大級の水爆実験を行うことになる」と言明し、各国から批判されている。これについてトランプ大統領も「水爆実験はとてつもない災難を引き起こす」と批判した。またトランプ大統領は、今後、北朝鮮と取引きする企業、銀行、個人が米国と取引きができなくなる新たな大統領令に署名した。21日に行われた国連総会の演説で安倍総理は内容の約9割を北朝鮮問題に割き、「
対話は北朝鮮にとってわれわれを欺き、時間を稼ぐための最良の手段だった。北朝鮮に全ての核、弾道ミサイル計画を完全な検証可能な不可逆的な方法で放棄させなければならない。そのために必要なのは対話ではなく圧力だ」とこれまでの対話と圧力から、圧力のみの方向に舵を切る姿勢を明らかにした。トランプ大統領は22日朝、ツイッターで「金正恩は国民を飢えさせ殺すことも気にも留めない狂った男」「北朝鮮はかつてないほどの試練にさらされるだろう」とし、
今後、北朝鮮の挑発行動に厳しく対応していくとしている。また今月28日までの日程で米国海軍の原子力空母「ロナルドレーガン」と、海上自衛隊の護衛艦「いせ」「あけぼの」「さざなみ」が、沖縄周辺の海域などで共同訓練を実施し、北朝鮮を威嚇している。一方、
ロシア・ラブロフ外相は「
幼稚園で子供がケンカをしているのにも関わらず、誰も止めない状態になっている。熱くなった頭を冷やし応酬を休止する必要がある」
と米朝に自制を求めている。
(今後の動きは?)
米国は北朝鮮に対する制裁の効果を見極めつつ、北朝鮮の動きも睨みながら対応を変えていくだろう。先週、朝鮮半島有事に備えて退避訓練の責任者であるペンタゴンの幹部2人がひそかに韓国入りしたことからもわかるように、武力行使もオプションのひとつとして視界に入ってきている。北朝鮮のミサイル発射の兆候が確認できた場合、米国がミサイル発射台を破壊するということも十分考えられる。最も気になるのは太平洋上で過去最大級の水爆実験を行うとしている北朝鮮側の動きだが、北朝鮮は米国やフランスのように核実験場を持っていない。おそらく北朝鮮はミサイルに水爆を積んで公海上空で爆発させる方法を選ぶとみられる。この場合、環境や漁業に与える影響は計り知れないものになり、地上のインフラや電気設備、コンピュータなどにもその影響が及ぶだろう。ミサイルは日本の上空を通過するとみられる。ロシアやスイスなどの仲介に北朝鮮が耳を貸さない場合、有言実行の金正恩は比較的に早期に太平洋上での水爆実験をやりかねないだろう。北朝鮮は射程内にある日本をターゲットに日本の政治空白を突いてミサイルを飛ばしてくるだろう。具体的な日付を予測すると、25日、安倍総理が会見で衆議院解散を発表した直後、または衆議院が実際に解散する28日のタイミングで行う可能性が高い。この日の飛行機、船舶の運航は十分注意が必要であり、コンピュータも事前にバックアップを取っておく必要がある。
閉じる
「米中覇権争い」内の検索