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中国・習近平国家主席・きょう北朝鮮へ(6月20日)
中国・習近平国家主席がきょうから就任以来初めて北朝鮮を公式訪問する。中国の最高指導者の訪朝は14年ぶり。金正恩朝鮮労働党委員長と北朝鮮の核問題などを巡って意見を交わす見通しである。
習主席は朝鮮労働党機関紙「労働新聞」に寄稿した。G20大阪サミットに合わせて行われる見通しの米国・トランプ大統領との首脳会談を前に、存在感を誇示する狙いがあるとみられる。
北朝鮮としても2回目の米朝首脳会談が物別れに終わる中、中国との結束を示し、米国との交渉に備え、足場を固めたい思惑もあるとみられる。
習近平、北朝鮮メディアに寄稿(6月19日)
訪朝の前日である19日、「労働新聞」をはじめとする北朝鮮メディアに、習近平主席の署名入り文章が掲載された。文章は中国側の新聞にも掲載された。
中国のトップが訪問を前に、相手国の新聞に文章を寄せることは極めて稀である。それだけ、中国が今回の訪朝に力をいれていることになる。
文章にはもちろん非核化や経済制裁の言葉はない。ただ中朝の伝統的友誼などについて綴った後に、金正恩委員長の指導の下、北朝鮮が新路線を歩み、経済発展に努めており、民生が改善され、社会主義建設が成就していることをあげられている。...
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訪朝の前日である19日、「労働新聞」をはじめとする北朝鮮メディアに、習近平主席の署名入り文章が掲載された。文章は中国側の新聞にも掲載された。
中国のトップが訪問を前に、相手国の新聞に文章を寄せることは極めて稀である。それだけ、中国が今回の訪朝に力をいれていることになる。
文章にはもちろん非核化や経済制裁の言葉はない。ただ中朝の伝統的友誼などについて綴った後に、金正恩委員長の指導の下、北朝鮮が新路線を歩み、経済発展に努めており、民生が改善され、社会主義建設が成就していることをあげられている。次の段落で朝鮮半島の平和について述べていることからすれば、中国としては、北朝鮮に経済建設をしっかりやるように促しているのだと思われる。また中朝関係の発展には新しい動力も必要であり、協力項目について相談し、民間交流を拡大していこう、ということで、教育、文化、スポーツ、観光、地方間交流や民生部門の協力をあげている。国家間の大規模協力プロジェクトはまだ無理ということかもしれない。
朝鮮半島の平和については、中国側は、北朝鮮が半島問題を平和的に解決しようとしていることを強く支持している、と述べている。
これとは別に中央対外連絡部が、習近平主席の北朝鮮滞在中のスケジュールや両国のコンセンサスすら発表している。習近平主席は、金正恩委員長と非核化に関してどこまで話し合うことができるのだろうか。
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習訪朝は米国への圧力か(6月19日)
習近平主席の外交日程が詰まっているなかで、6月20-21日に北朝鮮を訪問することを中国は17日に発表した。一方G20にあわせて行われるかが注目されていた米中首脳会談は、18日に両首脳が電話協議をし、会談が実現することになった。
習近平主席の訪朝が米国へのなんらかの圧力になり得るのか。
こう考える人は多いようで、18日に行われた中国外交部の定例記者会見で、ロイターの記者は「中国はこの機会を借りて、朝鮮半島に影響力を持ち、米国に対して圧力をかけるのか」と質問した。...
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習近平主席の外交日程が詰まっているなかで、6月20-21日に北朝鮮を訪問することを中国は17日に発表した。一方G20にあわせて行われるかが注目されていた米中首脳会談は、18日に両首脳が電話協議をし、会談が実現することになった。
習近平主席の訪朝が米国へのなんらかの圧力になり得るのか。
こう考える人は多いようで、18日に行われた中国外交部の定例記者会見で、ロイターの記者は「中国はこの機会を借りて、朝鮮半島に影響力を持ち、米国に対して圧力をかけるのか」と質問した。
陸慷報道官はもちろん「中国は習近平主席の訪朝という国事行為を駆け引きや何かの梃にすることはない」と否定し、そのような考え方が多いのは承知しているが、今回の訪朝は中朝関係を一層強固にするものであり、「その他のことがあるというような連想は不要である」と述べている。中国外交部としては、中朝関係と米中関係が連動しているというイメージを何とか払拭したいようである。
中国はかねてから「中国は北朝鮮の内政に関与しないし、できない」と語っていたが、習近平主席は北朝鮮の非核化に関してどのような「お土産」をトランプ大統領に持ってくることになるのか。
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米中首脳が電話会談・G20サミットで首脳会談開く方向へ(6月19日)
米中の貿易をめぐる激しい対立が続く中、米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席が電話で会談し、両首脳はそれぞれ来週のG20大阪サミットで首脳会談を開く意向を示し、今後調整が進むものとみられる。
中国の国営メディアも電話会談について伝えた。
また習主席は貿易問題では互いに相手の懸念に配慮すべきで、米国側は中国企業を公平に扱うように希望すると述べて、中国の通信機器大手・ファーウェイへの対応を見直すよう求めたという。...
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米中の貿易をめぐる激しい対立が続く中、米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席が電話で会談し、両首脳はそれぞれ来週のG20大阪サミットで首脳会談を開く意向を示し、今後調整が進むものとみられる。
中国の国営メディアも電話会談について伝えた。
また習主席は貿易問題では互いに相手の懸念に配慮すべきで、米国側は中国企業を公平に扱うように希望すると述べて、中国の通信機器大手・ファーウェイへの対応を見直すよう求めたという。
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習近平の訪朝、米中・米朝関係への影響は?(6月18日)
習近平主席が6月20-21日に北朝鮮を訪問する、との発表があった。中国の国家と党のトップが訪朝するのは14年ぶりとなる。習近平時代になって冷え込んでいた中朝関係であるが、昨年3月に金正恩委員長の初訪中以降、5月、6月、2019年1月と訪中が続き、関係は一気に改善された。本年は中朝国交樹立70周年ということもあり、いずれ習近平主席の訪朝があるだろうとの観測があったが、習近平主席としては、ロシア・中央アジア歴訪後、6月28,29日に大阪で行われるG20参加のための訪日前という外交日程がたてこんでいるなかでのタイミングでの訪朝となる。...
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習近平主席が6月20-21日に北朝鮮を訪問する、との発表があった。中国の国家と党のトップが訪朝するのは14年ぶりとなる。習近平時代になって冷え込んでいた中朝関係であるが、昨年3月に金正恩委員長の初訪中以降、5月、6月、2019年1月と訪中が続き、関係は一気に改善された。本年は中朝国交樹立70周年ということもあり、いずれ習近平主席の訪朝があるだろうとの観測があったが、習近平主席としては、ロシア・中央アジア歴訪後、6月28,29日に大阪で行われるG20参加のための訪日前という外交日程がたてこんでいるなかでのタイミングでの訪朝となる。
G20には米国大統領も参加するが、果たして米中首脳会談は行われるのか。未だに確報は示されていない。習近平主席が訪朝することによって、中国の北朝鮮への影響力が強くなることを、トランプ大統領は嫌うかもしれない。昨年6月の米朝首脳会談では、5月に取りやめるとの報道があったが、その理由としてトランプ大統領は「5月に訪中してから、金正恩の態度が変わった」と述べていた。また8月には「北朝鮮が中国からの多大な圧力の下にいると強く感じている、なぜなら米国と中国政府間との貿易摩擦があるからだ。また我々は中国が北朝鮮に対して、資金、エネルギー、肥料などの物資を提供していると認識している」とも述べていた。これに対し、2018年8月30日の「環球時報」は「貿易戦争は貿易戦争であり、その他の圧力で突破できるとの幻想を抱いてはならない。中国は朝鮮半島の問題を補助戦線としようとしていると米国は考えているようだが、それは自分勝手な推測である」と反論していた。
トランプ大統領としては、金正恩委員長との個人的な「良い関係」を梃に北朝鮮の非核化をさせたいところであり、金正恩委員長と習近平主席が「良い関係」を築くことは、トランプ大統領の影響力が相対的に弱まることになることから、それを警戒していると思われる。
大阪で米中首脳会談が行われるとしたならば、中国は北朝鮮から非核化に対する何らかの譲歩を引き出したことになろう。米中貿易戦争は、先端技術をめぐる米中の覇権競争であることからすれば、解決へのシナリオは容易には見つからず、首脳会談の別のトピックスが必要であったのかもしれない。
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