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高温続く北朝鮮(8月5日)
日本でも「命の危険を伴う暑さ」が続いているが、北朝鮮でも7月下旬から猛暑が続いている。平壌の8月の平均気温は24.5度であり、またこれまでの北朝鮮の全国平均の最高気温は1997年7月26日に記録した34度であった。8月5日付「人民網(海外版)」によれば、2018年は7月22、24、31日および8月1日に全国平均の気温が34度を超え、1日は35.9度まで達している。さらに慈江道と平安南道では40度を超える地点もあった。...
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日本でも「命の危険を伴う暑さ」が続いているが、北朝鮮でも7月下旬から猛暑が続いている。平壌の8月の平均気温は24.5度であり、またこれまでの北朝鮮の全国平均の最高気温は1997年7月26日に記録した34度であった。8月5日付「人民網(海外版)」によれば、2018年は7月22、24、31日および8月1日に全国平均の気温が34度を超え、1日は35.9度まで達している。さらに慈江道と平安南道では40度を超える地点もあった。また最低気温も25度を上回る、日本でいう熱帯夜になっている。
電力事情が悪い北朝鮮では一般家庭では空調設備も設置されていない。記事では記載がないが、熱中症での死亡例などもあるのではないかと思われる。
また黄海南北道、咸鏡南北道、両江道の各農村では、水稲やトウモロコシに干ばつの被害が出始めているという。散水の努力はなされているようだが、灌漑設備があるところでもディーゼル油不足から機械を動かせないところもあるのではないか。
北朝鮮の食糧不足は1990年代半ばの食糧不足の状況から改善されたとはいえ、昨年は水害の影響もあり、食糧は80万㌧の不足が伝えられていた。このまま高温が続けば、本年は被害が広範囲におよぶ可能性もあり、経済制裁の影響と相俟って、食糧不足がさらに深刻になる可能性もある。
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北朝鮮「瀬取り」新手口・外国船籍同士で積み替え(8月4日)
北朝鮮に対する制裁決議の実施状況を調べる国連安全保障理事会の専門家パネルはことし上半期の中間報告書をまとめ制裁委員会に提出した。
報告書は東シナ海の公海上でロシア船籍のタンカーからベリーズ船籍のタンカーに石油精製品を積み替える「瀬取り」が行われ、その後北朝鮮の港で荷揚げされたと指摘している。
報告書は瀬取りが発覚しにくいよう外国船籍同士で行わせる新たな手口だとしている。
さらに北朝鮮が去年8月の安保理決議で輸出が全面禁止された石炭を3月から4月にかけて自国船籍の船に積載し、ベトナム沖の公海上まで運び、船籍が確認できない複数の小型貨物船に積み替えたこともわかったとしている。...
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北朝鮮に対する制裁決議の実施状況を調べる国連安全保障理事会の専門家パネルはことし上半期の中間報告書をまとめ制裁委員会に提出した。
報告書は東シナ海の公海上でロシア船籍のタンカーからベリーズ船籍のタンカーに石油精製品を積み替える「瀬取り」が行われ、その後北朝鮮の港で荷揚げされたと指摘している。
報告書は瀬取りが発覚しにくいよう外国船籍同士で行わせる新たな手口だとしている。
さらに北朝鮮が去年8月の安保理決議で輸出が全面禁止された石炭を3月から4月にかけて自国船籍の船に積載し、ベトナム沖の公海上まで運び、船籍が確認できない複数の小型貨物船に積み替えたこともわかったとしている。
この他にロシアが自国で北朝鮮との合弁企業の新設を禁じる決議に違反し建設分野などで合弁事業を行っているとしていて、今後関係国に対し制裁を着実に実施するよう求める声が高まることが予想される。
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北朝鮮情勢を追う(8月4日)
(米朝首脳会談後・見えない非核化に向けた動き)
トランプ大統領が金正恩委員長の親書を受け取ったことをサンダース報道官が明らかにし、この親書に近くトランプ大統領が返信することを明らかにした。そのトランプ大統領は北朝鮮が返還した米兵の遺骨がハワイに到着したことを受けて、「金正恩委員長に感謝し、近いうちに金正恩委員長と再び会談したい」と、ツイッターで米朝会談への意欲を見せた。6月の米朝首脳会談以降、北朝鮮の非核化に向けた動きがなかなかみえてこない中、米国が北朝鮮との良好な関係をアピールしているようにみえる。...
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(米朝首脳会談後・見えない非核化に向けた動き)
トランプ大統領が金正恩委員長の親書を受け取ったことをサンダース報道官が明らかにし、この親書に近くトランプ大統領が返信することを明らかにした。そのトランプ大統領は北朝鮮が返還した米兵の遺骨がハワイに到着したことを受けて、「金正恩委員長に感謝し、近いうちに金正恩委員長と再び会談したい」と、ツイッターで米朝会談への意欲を見せた。6月の米朝首脳会談以降、北朝鮮の非核化に向けた動きがなかなかみえてこない中、米国が北朝鮮との良好な関係をアピールしているようにみえる。2度目の米朝会談が行われるとすれば金正恩委員長が出席すると言われている9月の国連総会あたりだろうとの憶測も出ている。9月は11月の中間選挙を意識するトランプ大統領にとっても実績アピール作りをする上での最後の機会となり、会談を行う可能性はかなり高いといえる。この会談が行われた場合には、米本土に届くICBMを開発しないことと朝鮮戦争終結宣言をセットで発表する可能性もないとはいえない。
(河野外相がリヨンホ外相と接触)
こうした中、シンガポールで開かれているASEAN関連外相会議で、王毅外相は朝鮮戦争の終戦宣言を早く出すように暗に米国に注文をつけた。北朝鮮の後ろ盾として中国がその存在感を強烈にアピールした格好となっている。王毅外相はポンペオ国務長官とも北朝鮮の非核化での協力を協議したとみられている。一方、北朝鮮外交では蚊帳の外に置かれた感がある日本であるが、特に河野外相は北朝鮮から圧力をかけ続けている本人として北朝鮮から名指しで批判されている。その河野外相がASEAN関連外相会議の夕食会の席で北朝鮮・リヨンホ外相と数分間立ち話をしたという。河野外相は拉致・核・ミサイルの問題を包括的に解決し、国交正常化を目指す日本の基本的な立場を伝えたという。このメッセージが北朝鮮にどれだけ伝わったのかと言えばやや疑問というほかない。今、残念なことに日本単独では踏み込んだ話ができにくい情勢になっている。北朝鮮にとっては米国と朝鮮戦争・終戦宣言や非核化をめぐる話し合いが最優先事項であり、日本との関係改善は順序的に後回しとなっているのは誰の目にも明らかである。さらに北朝鮮には、他国が融和姿勢に転じる中、日本が北朝鮮に対して圧力一辺倒でやってきたことへの反発もあり、今、急に日本が手のひらを返しても簡単には受け入れることはできないだろう。日本は当面、北朝鮮との接点を辛抱強く模索するしかない。
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日朝外相の接触(8月4日)
4日に開催されるASEAN地域フォーラム閣僚会議に出席のためシンガポールを訪問した李容浩・北朝鮮外相と河野外相が当地で接触したことが明らかにされた。河野外相は会話の内容は明らかにできないと語ったが、拉致や非核化の問題が話し合われたのではないかと思われる。
「拉致問題は解決済み」とする北朝鮮に対し、「拉致問題の話ばかりを持ち出す」日本との首脳会談をしようとのインセンティブは起きにくい。将来的には日本の経済援助が必要になるだろうが、当面は中国と韓国からの援助があれば良い、と北朝鮮は考えているのであれば、首脳会談は益々遠ざかる。...
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4日に開催されるASEAN地域フォーラム閣僚会議に出席のためシンガポールを訪問した李容浩・北朝鮮外相と河野外相が当地で接触したことが明らかにされた。河野外相は会話の内容は明らかにできないと語ったが、拉致や非核化の問題が話し合われたのではないかと思われる。
「拉致問題は解決済み」とする北朝鮮に対し、「拉致問題の話ばかりを持ち出す」日本との首脳会談をしようとのインセンティブは起きにくい。将来的には日本の経済援助が必要になるだろうが、当面は中国と韓国からの援助があれば良い、と北朝鮮は考えているのであれば、首脳会談は益々遠ざかる。拉致問題の進展を図るためにはこれまでとは異なるアプローチが必要になる。
さらに日米韓の離間を狙っている北朝鮮の思惑にはまってはならない。その意味では韓国が「制裁の堅持」を言いながらも、鉄道や道路の連結の事前調査を行うなどの、なし崩し的に制裁を緩和していることから、そこを起点にして北朝鮮の切り崩しが始まる可能性は高い。さらに徴用工の問題や領土問題では韓国と北朝鮮が対日非難でタッグを組みやすい。また北朝鮮は米国に対しては「トランプ大統領を信頼」し、親書を出す一方で、米国のやり方は「強盗的」と非難するなど、米国内の切り崩しを図っているようにも感じられる。非核化を実現させるためには日米韓の連携・協力体制が必要である。
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米大統領への金正恩の親書、王毅外相は終戦宣言に言及(8月3日)
8月2日、サンダース米大統領報道官は、1日にトランプ大統領が金正恩委員長の親書を受け取ったことを明らかにした。同報道官はトランプ大統領が親書に対して近く返信することも明らかにした。
同親書では米朝のシンガポール首脳会談での成果を推進していくことを確認したもの。米朝両首脳は、朝鮮半島の非核化を推進していくとしている。トランプ大統領はインタビューに答え、この親書に感謝していることと、近いうちに金正恩委員長と再会談したいとも語り、さらに朝鮮戦争時の米兵の遺骨返還に謝意を示した。...
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8月2日、サンダース米大統領報道官は、1日にトランプ大統領が金正恩委員長の親書を受け取ったことを明らかにした。同報道官はトランプ大統領が親書に対して近く返信することも明らかにした。
同親書では米朝のシンガポール首脳会談での成果を推進していくことを確認したもの。米朝両首脳は、朝鮮半島の非核化を推進していくとしている。トランプ大統領はインタビューに答え、この親書に感謝していることと、近いうちに金正恩委員長と再会談したいとも語り、さらに朝鮮戦争時の米兵の遺骨返還に謝意を示した。
ただしサンダース報道官は今のところ再会談の予定はないと述べている。
一方シンガポールでのASEAN関連外相会議に出席している王毅外相は、朝鮮半島での再びの戦火は世界の誰も望んでおらず、朝鮮戦争の終戦宣言は時代の潮流であり、南北朝鮮の人々の願いであるばかりでなく、各国の願いでもあり、終戦宣言がなされることが望ましいと語った。
ただし平和協定については、国際法的にも各国との交渉が必要であり、プロセスを踏んでいかなければならないとしている。また朝鮮半島の非核化と平和メカニズムの構築は、米国や朝鮮半島の願いであるばかりではなく、国際社会の共通の理解であり、米中貿易摩擦とは関係は全くない中国の外交原則としている。
トランプ大統領はが、米中貿易摩擦と北朝鮮問題をディールの対象とみている。つまり中国の北朝鮮への影響力が北朝鮮を強気にさせているのではないか、との疑いを常に口にしているが、そのことに対しの反論しているわけである。
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