スウェーデンメディアが見るロベーン新首相の就任演説(2014/10/07)
スウェーデンのロベーン新首相が就任演説で、パレスチナ国家を承認し各国で論争が続いている。この承認についてスウェーデンのメディアは次のように報じる。
『ザ・ローカル紙』は「イスラエルは、スウェーデンのパレスチナ国家承認に抗議」と題し、「イスラエルの外相が声明で、スウェーデンのロベーン新首相が、パレスチナ国家承認について立場を表明するのは、“急ぎすぎ”で、“部外者の発言が、イスラエル-パレスチナ間の直接交渉の代理は出来ない事を、ロベーン首相は理解すべき”と述べた」と報じる。
『ラジオスウェーデン』は、社会民主党でヨーテボリ大学の政治学者ビエレルド氏の言葉を引用する。...
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『ザ・ローカル紙』は「イスラエルは、スウェーデンのパレスチナ国家承認に抗議」と題し、「イスラエルの外相が声明で、スウェーデンのロベーン新首相が、パレスチナ国家承認について立場を表明するのは、“急ぎすぎ”で、“部外者の発言が、イスラエル-パレスチナ間の直接交渉の代理は出来ない事を、ロベーン首相は理解すべき”と述べた」と報じる。
『ラジオスウェーデン』は、社会民主党でヨーテボリ大学の政治学者ビエレルド氏の言葉を引用する。「スウェーデン社会民主党は、パレスチナ国家承認を以前から公約にかかげ、ロベーン首相は公約を果たした」。しかし「これは強力で象徴的な政策目標」だが、「ヨルダン川西岸での大使館開設も、エルサレムのスウェーデン領事館の在パレスチナ大使館格上げも、スウェーデンはイスラエルに強いる準備はない」と語り、「ストックホルムのパレスチナ外交機関は、大使館に近い状態に既に格上げされている」と指摘する。
ザ・ローカル紙は、「パレスチナ国家の国際的な認識を示すのは時期尚早と、米国国務省が述べた」と報じ、「スウェーデン大使がイスラエル外務省欧州局の副局長に呼ばれ、副局長が抗議と失望を表明し、2国間関係を悪化させると警告した。イスラエルの首相は特に、スウェーデンの承認が長引くパレスチナ紛争解決への一歩となる事を望むと発言した事を非難」と伝える。また「現在、ガザの国境は既に明確にされているが、どの地域がヨルダン川西岸と東エルサレムに含められるか熾烈な議論がなされている」と伝える。
ラジオスウェーデンによると、「スウェーデン政府の公式発表のタイミングは、他のEU加盟国との協議次第」で、「他のEU加盟国がスウェーデンに続いて、パレスチナ国家承認すると見れば、スウェーデンは各国の意見統一に必要な期間を待つ」が、「他のEU加盟国がスウェーデンに続かないと分かれば、公式発表は早まる」と報じる。また、ザ・ローカル紙は「スウェーデンは、米国、イスラエルその他の国の反対にも関わらず、2012年に国連でパレスチナのオブザーバー国家の地位獲得に賛成票を投じた。現在ハンガリーやポーランドの東欧諸国を中心に、少なくとも112か国がパレスチナ国家を承認済み」と伝える。
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スウェーデンメディアが見るスウェーデンの原発凍結(2014/10/03)
スウェーデンの新政府は、原発凍結に合意の決定をした。原発をとりまくスウェーデンの状況について、スウェーデンメディアが次のように報じる。
『ザ・ローカル紙』は「最終的に原子力発電を放棄する方針が、社会民主党のロベーン新首相と緑の党スポークスマン、ロムソン氏により示されたが、具体的な廃炉期限は示されず、党指導部はさらに議論が必要と述べた」と報じる。ロベーン首相は「スウェーデンは継続可能な幅広い合意が必要で、政府は直ちに“現状維持”的考え方を持つ」と
『ラジオスウェーデン』に語り、ザ・ローカル紙は「政府の出発点は、原子力発電所を必ず解体するという事。...
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『ザ・ローカル紙』は「最終的に原子力発電を放棄する方針が、社会民主党のロベーン新首相と緑の党スポークスマン、ロムソン氏により示されたが、具体的な廃炉期限は示されず、党指導部はさらに議論が必要と述べた」と報じる。ロベーン首相は「スウェーデンは継続可能な幅広い合意が必要で、政府は直ちに“現状維持”的考え方を持つ」と
『ラジオスウェーデン』に語り、ザ・ローカル紙は「政府の出発点は、原子力発電所を必ず解体するという事。我々は100%再生可能エネルギーを持つべきだが、まず分析の段階を踏む」という首相の言葉を引用する。ラジオスウェーデンによると「社会民主党は、再生可能エネルギーに代替可能な限り、原子力発電所の段階的廃止する考え。一方で、緑の党は廃止加速を望み、2018年までに原子炉2基閉鎖を誓約する」。
ザ・ローカル紙は、「緑の党は初めて連立政権に参加する。選挙に敗れた中道右派政権は、2006年から政権を取り、原子力発電を拡大する方針だった。1980年の国民投票で、過半数が原発の段階的廃止に投票したにも関わらず、スウェーデン議会は2010年に原子炉の新規取替え法案を可決し現在10基存在する」と報じる。また緑の党のロムソン氏は、「緑の党が、原子炉を閉鎖する法律制定を推し進めなかった理由」について、「特別法が必要だったため。つまり既に採算が取れない原子炉閉鎖のために、エネルギー企業に多額の金を国が支払う必要があった。我々は企業に、閉鎖費用を支払わせる必要がある」と、
『TT通信』に語った。
ラジオスウェーデンによると、「2党が合意したと思わない。両党は異なるメッセージを出しており、盲目的なエネルギー政策はメルトダウンで始まる。緑の党ロムソン氏は、原子炉の即時中断を意味する決定と言うが、ロベーン首相にこれを否定された」と、野党自由党のビヨルクルンド党首は、この決定を批判。TT通信は「今回の政策決定は、原子力発電は核廃棄物処理のために、より高くつき、より厳しい安全への要求が、適用される事を意味する」と伝え、ザ・ローカル紙は「原子力エネルギー開発停止の決断は、スウェーデンが環境保護団体WWFの世界の汚染国トップ10の1つに選ばれた翌日だった」と報じる。
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