習近平(シー・チンピン)国家主席はかねて、強力な海軍力を創り上げて、中国主権を擁護すると発言してきた。この態度は、北朝鮮問題で協力を仰ぎに訪中したジェームズ・マティス米国防長官に対してもはっきり示され、南シナ海における中国固有の領土は“1ミリ”たりとも譲歩しないと強く言い放った。
6月28日付
『CNNニュース』:「習国家主席、マティス国防長官に対して太平洋海域の中国領土は“1ミリ”たりとも譲歩しないと通告」
習近平国家主席は6月27日、中国訪問中のジェームズ・マティス国防長官との会談の席上、主権及び領土問題における中国の方針は堅固で揺るぎはないとして、一切妥協することはないと強調した。
米中は最近、貿易摩擦問題だけでなく、軍事的な対応において、かなり緊張度が高まっている。...
全部読む
6月28日付
『CNNニュース』:「習国家主席、マティス国防長官に対して太平洋海域の中国領土は“1ミリ”たりとも譲歩しないと通告」
習近平国家主席は6月27日、中国訪問中のジェームズ・マティス国防長官との会談の席上、主権及び領土問題における中国の方針は堅固で揺るぎはないとして、一切妥協することはないと強調した。
米中は最近、貿易摩擦問題だけでなく、軍事的な対応において、かなり緊張度が高まっている。
そうした中マティス長官は、2014年以来初めて米国防長官として訪中し、習国家主席の他、魏鳳和(ウェイ・フォンホー)国防相とも会談した。
マティス長官は訪中前の6月24日、中国側と透明性のある戦略対話の道を確立したいと述べていた。
そして同長官は中国側に対して、緊張関係を放置せず、お互いの意見を交わす必要があると考え、訪中することにしたと告げた。
これに対して習国家主席も、南シナ海において相容れない立場があるが、問題の解決に武力を持ち出すのは賢明でないことは双方がよく理解していることだと答えた。
なお、中国は、米朝首脳会談を契機に、ドナルド・トランプ大統領が大規模な米韓軍事演習を中止したことを歓迎した。
しかし、南シナ海問題は別のようで、マティス長官は、中国による人工島へのミサイル発射装置の配備等の軍事拠点化進捗を厳しく批判しており、先月には、米軍が主催する環太平洋合同演習(RINPAC 2018)に中国軍を招待しないことを決定している。
更に、直近でも、米軍高官が、太平洋(東シナ海)上空を飛行する米軍機に中国側からとみられるレーザー照射攻撃を20回も受けたと非難している。
一方、中国側は、トランプ政権が今年3月に台湾旅行法を制定して、米台高官の相互訪問を促進しようとしたり、直近でも、米武器製造会社に台湾向けの原子力潜水艦技術売り込みを許可したりして、一つの中国原則を違える行動をしていると猛烈に非難している。
ただ、マティス長官の訪中に当っては、中国外交部の陸慷(ルゥー・カン)報道局長は6月27日の定例記者会見で、米中両大国がときに意見・立場が異なるのは止むを得ないことであるが、大切なことは両国の対話を通じての関係維持が双方にとって有益であることと信じて、相互理解・尊重に努めていくことである、と表明した。
なお、マティス長官は訪中後、韓国の宋永武(ソン・ヨンムー)国防部長官を訪問して北朝鮮問題の今後を協議する予定である。
また、同長官は訪日して、小野寺五典防衛相とも会談し、日本が懸念する北朝鮮の短・中距離ミサイル問題他について協議することになっている。
閉じる