フランスとインドの海軍は10日、インド西部のゴア沖のインド洋上で合同の軍事演習を実施した。フランス当局は、両国海軍が2001年に公式の合同演習を開始して以来17回目となる今回は、最大規模となったとしている。
『AFP通信』や地元インドのメディアが報じたところによると、同演習は実際には今月1日から行われているが、10日に演習のピークを迎え、4万2000トンのフランス海軍の原子力空母「シャルル・ドゴール」をはじめとして、両国海軍それぞれの軍艦や潜水艦が6隻ずつ、合計12隻が参加した。
フランス当局によれば、今回の演習の規模は、2001年から行われている合同軍事演習で最大のものだったという。シャルル・ドゴールは18カ月にわたる修理と整備を終え、3月からインド洋と太平洋海域に派遣されている。...
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『AFP通信』や地元インドのメディアが報じたところによると、同演習は実際には今月1日から行われているが、10日に演習のピークを迎え、4万2000トンのフランス海軍の原子力空母「シャルル・ドゴール」をはじめとして、両国海軍それぞれの軍艦や潜水艦が6隻ずつ、合計12隻が参加した。
フランス当局によれば、今回の演習の規模は、2001年から行われている合同軍事演習で最大のものだったという。シャルル・ドゴールは18カ月にわたる修理と整備を終え、3月からインド洋と太平洋海域に派遣されている。同空母の261メートルの滑走路から、ラファール戦闘機が轟音を響かせて次々と飛び立った。同空母は少し前に、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対する地中海での国際合同演習に参加したが、再びインド洋で戦力誇示のために用いられている。本演習後、同空母はシンガポールに移動する。
フランス、インド両国は、演習の想定国として中国を名指しすることを避けたものの、同国の経済的影響力の拡大や、南シナ海の係争海域で領有権を主張し、緊張をもたらしていることに対し、懸念を強めている。
中国は、インド洋の海上交通路に軍艦や潜水艦を配備し、広域経済圏構想「一帯一路」を通じ巨大な商用インフラ網を構築するなどして存在感を強めつつある。伝統的に同海域で優勢であったインドは、一帯一路の構想に強く反対してきた。
フランス艦隊を指揮するオリヴィエ・ルバ海軍少将は、「我々は、特に国際貿易のために戦略的で大きな権益のある海域に、安定をもたらすことができると思う。」と語った。アジアと欧州、中東間の貿易の大宗、特に石油は海上輸送されており、油田やガス田が豊富な海域の海底には、インターネット通信ケーブルも張り巡らされている。
フランスは先月、「航行の自由」を行使するとして、台湾海峡に艦船を派遣し、中国をけん制した。中国海軍は同船を追尾し、中国政府は公式に抗議した。フランスの外交官らは、本件と今回のインドとの合同軍事演習とは関係ないと説明している。
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