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スペシャル あの一言
2024年05月07日(火)
最新TV速報
【あの一言】
専門家が読み解く・英国EU離脱・米中貿易摩擦
東京大学大学院教授・藤原帰一
1番心配なのはEU離脱問題がマーケットに大きな影響をさらに与える可能性があることだが、中国の景気後退がもたらす影響はブレグジットをはるかに上回る。なんとか支えてきた経済が一気に下降する局面を阻止できるのか。その中で日本がどういう役割を果たすのかというのが焦点。
2019/04/07 NHK総合[日曜討論]

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・瀬口清之
米中貿易摩擦で中国はダメージを受け、GDPの成長率が6%を割るかもしれないというくらい厳しい状況にある。それは米国向けの輸出が、今年の1月から25%に関税が上がるのでその前に出した輸出の反動が起こっている。ただしこれから第2、第3、第4と輸出はおそらく上がっていく。米国の下落を中国が相殺するような格好で世界経済で役割を果たしていくのではないか。
2019/04/07 NHK総合[日曜討論]

中部大学特任教授・細川昌彦
トランプ大統領の頭の中は、2020年の大統領再選に向けてどこで効果的に自分の支持層にアピールするかの1点に尽きる。株価はやや持ち直している。利上げもなくなってきた。ロシア疑惑もなんとか凌げそうだということで、余裕が出てきた。今すぐに急ぐ必要はないという感じがある。ただし大統領再選までのプロセスの中で、どこかでアピールするポイントを決めている。中国はどうやって持久戦に持ち込むかと考えている。
2019/04/07 NHK総合[日曜討論]

元外務事務次官・立命館大学客員教授・薮中三十二
米中交渉の中身は9割方方まとまったと言っている。その中身というのは、中国が大豆とか、航空機とか色んなものを米国から買いますよという内容。技術が盗まれていることが大きな問題になったため、技術も守りますという法律を中国は作った。ただ、1番問題になっているのは、米国が中国がそれを実行するかどうかを信用していないことがある。
2019/04/07 NHK総合[日曜討論]

中部大学特任教授・細川昌彦
不透明感で先が読めずに企業が投資を手控えていくというサイクルに入っている。もう1つ大事なのは、EU全体で1つの国のようにして供給網のネットワークを構築してしまっていることで、これを組み替えていくのは至難の業。特に英国の自動車生産の半分が日本企業であり、これをどうしていくかは最大の問題。大企業の方はまだそれでも拠点を変えてとか操作はできるが、中小企業になってくるとそういう余裕もなく、思考停止の状態になっている企業も多い。米中の貿易摩擦の結果、欧州は中国輸出も冷え込んで相当ダメージを受けている。今までドイツ1強の経済で引っ張ってきたが、このドイツでさえ悪くなっている。欧州の経済リスクは相当高まっている。
2019/04/07 NHK総合[日曜討論]

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・瀬口清之
このまま誰も手を差し伸べないでEUだけの問題として解決しろと言われても、突破口が見つかりそうもない。EUも本当は中国の力を借りたいと思っているが、中国がドイツの有名企業を買収したり、フランスでワイナリーを買って放置したり、色んな問題を起こしているので、距離を置こうとしている。
2019/04/07 NHK総合[日曜討論]

大和総研主席研究員・山崎加津子
英国のEU離脱が、どういった形になるのか未だにわからないところが1番大きな問題。合意なしで離脱をした場合に経済に大きなダメージが出るだろうと言われているが、そうではなくてEUと英国の関係をできるだけこれまでと近い形で続けていこうということを望んでいる人たちがもう一方におり、その綱引きになっている。すでに経済には悪影響が出ている。企業だと数年先のことを考えて投資を決めるが、数年先どころか半年先の状況も今と大きく違っている可能性がある。そうした中で投資を増やすことは非常に難しい判断。昨年は英国国内での投資が落ち込んだ。特に自動車関係はその前の年と比べて投資が半分になった。これはEUの国々へも影響が出ていて、ドイツから英国への輸出は昨年、前年比マイナスになった。不透明感が続くこと、先が読めないことで悪影響が出ている。
2019/04/07 NHK総合[日曜討論]

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・瀬口清之
今の中国には実は余裕はない。米国とすぐに仲良くなりそうもない状況がわかっているのに、いくつもの米国の要求に譲歩してすり寄っているのはその表れ。国内には重要な改革としてやる必要のある案件を抱えこんでいて、これを先送りしてしまうと経済を立て直すことができなくなるリスクが喫緊の課題としてある。そのためには米国とケンカをしない。なるべく助けてくれる国を増やしたい。
2019/04/07 NHK総合[日曜討論]

東京大学大学院教授・藤原帰一
今、東ヨーロッパ、南欧に中国が色んな形で接近している。それは中国がこれまでの国際秩序で主導権が確保できないところで、自分たちの手の内に持っていこうという流れが1つある。中国ではトランプ政権に対する警戒感が非常に高く、その中で方向性がなかなか定まっていない。自分たちに有利な秩序を作ろうとしてEUを味方に付けようとする行動は、ロシアも中国も取っている。それがどこまで成功するのかはまだ先が見えない。
2019/04/07 NHK総合[日曜討論]

中部大学特任教授・細川昌彦
中国は、米欧を分断、あるいは日米欧を分断し、欧州の分断をしていきたい。日本に対しては懐柔策をとる。色んな手立てで日米欧に向き合ってきている。16+1の中東欧との首脳会議は中国側が仕掛けた。2012年からこういう仕掛けをやっている。EU側も中国がアプローチしているのを、地政学的なプレーヤーとして手を突っ込んできたという意識。EU自身も3月に対中国の共通戦略を出した。これは自分自身の結束が揺らいできていることに対する危機感が背景にある。
2019/04/07 NHK総合[日曜討論]

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