従来のAIは、大量のデータに基づく特徴や傾向の学習によって成否の判別や予測を行うために活用されているが、近年発達した生成AIは、画像や文章といった新たなコンテンツの創造に活用されてきている。しかし、生成AIの発展が国際的に重要な利益をもたらす潜在性を秘めている一方、脅威となる主体の能力を高め、攻撃の効果を高めてしまうというセキュリティー上のリスクがあることから、この程英国で、世界初となるAIセキュリティサミットが開催されることになった。
10月31日付欧米
『ロイター通信』、11月1日付英国
『ジ・アイリッシュ・タイムズ』紙等は、英国において世界で初めて、AIセキュリティサミットが開催されることになったと報じている。
英国は今週、世界初となるAIセキュリティサミットを開催し、急成長するAI技術のリスクを検証し、その規制に関する協議を行う。
ロンドンの北西約80キロメートルにあるミルトン・キーンズ(第二次大戦暗号解読博物館・国際コンピューティング博物館等が開設)で、11月1~2日に開催されている。...
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10月31日付欧米
『ロイター通信』、11月1日付英国
『ジ・アイリッシュ・タイムズ』紙等は、英国において世界で初めて、AIセキュリティサミットが開催されることになったと報じている。
英国は今週、世界初となるAIセキュリティサミットを開催し、急成長するAI技術のリスクを検証し、その規制に関する協議を行う。
ロンドンの北西約80キロメートルにあるミルトン・キーンズ(第二次大戦暗号解読博物館・国際コンピューティング博物館等が開設)で、11月1~2日に開催されている。
主催者が『ロイター通信』の取材に答えて、世界の首脳、先端技術企業幹部、学者、非営利団体等から約100人が参加するとしているが、参加者詳細は明らかにしていない。
ただ、これまでの情報より、米国のカマラ・ハリス副大統領(59歳、2021年就任)、欧州委員会(1951年前身設立)のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長(65歳、2019年就任)、中国の呉朝輝科学技術部副部長(56歳、2023年就任、副大臣に相当)、国連のアントニオ・グテーレス事務総長(74歳、2017年就任)が出席することが分かっている。
また、産業界からは、IT大手グーグル・ディープマインド(2010年設立、2014年グーグル傘下)、マイクロソフト(1975年設立)、アリババ(1999年設立)、テンセント(1998年設立)の幹部、更に、生成AIのチャットGPT開発者のサム・アルトマン氏(38歳)、スペースXやテスラ代表のイーロン・マスク氏(52歳)等が出席する。
一方、AIの台頭のリスクを警告してきた学者や非営利団体代表も参加している。
今回のAIセキュリティサミット開催の目的は、AIの将来の規制に関し、世界の代表が協議することである。
現在、AIの安全性に関わる広範な国際的規制はないが、一部の政府は独自のルールを策定し始めており、また欧州連合(EU、1958年前身設立)は、EU圏での使用を制限する法律を制定している。
なお、英国のリシ・スナク首相(43歳、2022年就任)は、AIセキュリティサミット開催を支援することで、米国・中国・EU間におけるAI規制に関して主体的役割を演じる目論見で、気候変動に関する政府間パネル(IPCC、1988年設立)をモデルにした国際的諮問委員会を起ち上げたいとしている。
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