8月16日付仏
『Euronews Next』:「若い時のシェイプアップでがんリスク40%軽減」
長期間100万人以上のデータを集めた調査研究によると、若い時のシェイプアップが40%がん発症のリスクを軽減しているという。
ランニング、サイクリング、水泳等の有酸素運動を通し心肺運動をしっかり行ってきた人は、健康な心臓や肺活量があるといえる。運動が一定のがんのリスク軽減と関係があると考えられていたにもかかわらず、これに関する長期的な研究はこれまでほとんど存在しなかった。...
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8月16日付仏
『Euronews Next』:「若い時のシェイプアップでがんリスク40%軽減」
長期間100万人以上のデータを集めた調査研究によると、若い時のシェイプアップが40%がん発症のリスクを軽減しているという。
ランニング、サイクリング、水泳等の有酸素運動を通し心肺運動をしっかり行ってきた人は、健康な心臓や肺活量があるといえる。運動が一定のがんのリスク軽減と関係があると考えられていたにもかかわらず、これに関する長期的な研究はこれまでほとんど存在しなかった。
今回、スポーツ科学に関する「British Journal of Sports Medicine」に15日に発表された研究調査によると、心肺運動とがんとの大きな関係性が明らかにされている。
調査にはスウェーデンの徴兵制により1968年~2005年に入隊した陸軍兵のデータが使われており、16~25歳の兵士の入隊時の体力テストで、身長、体重、血圧、筋力、心肺機能を計測。心肺機能が低い人は、肥満気味だったり、アルコール等の問題を抱える場合が若干多く、また親が低学歴等の傾向も見られた。
平均して33年に及ぶ調査期間で、107万8千人のうち8万4千117人が、最低1箇所でもがんを発症していた。入隊時に運動機能が低かった人と比べ、運動機能が高かった人は、総じてがんのリスクは低かったという。運動機能が低かったのが36万人、平均的な運動機能は51万人、運動機能が高かったのは34万人。
運動機能が高い人では、食道がんのリスクが39%、肝臓がんで40%、肺がんで42%低減していた。一方で皮膚がんのリスクは31%上昇しており、これは日光に晒される時間の増加によると考えられる。
調査研究により、若い時分の高い運動機能が18のうち9のがんリスクを軽減することに関係性があると示された。観察研究を元にしたもので、因果関係を確定する研究ではないものの、「この結果は、公衆衛生政策に活用されるべきで、早くから心肺運動を高める機運を高めることに繋がるだろう」と結論づけている。
8月15日付英『ガーディアン』:「若いうちの健康維持で高齢期のがんリスク軽減」:
16~25歳の100万人以上を対象とした調査から、心肺運動でがんリスクが42%減らせるとの結果。
結果として、有酸素運動を伴う心肺運動をよく行う人では、肺がんリスクを42%、肝臓がんで40%、食道がんで39%軽減していた他、頭頸部や胃、脾臓、腎臓のがんとの関連性も明らかされたという。
心肺運動が高い人は、前立腺がんで7%、皮膚がんで31%の上昇の関連性もみられたが、検査の回数が多いことや、日光照射時間との関連性が指摘されている。一方で、この研究は、食べ物や飲酒、喫煙を考慮しておらず、これらの方が、がん発症との関連性がより高い傾向にあるとの指摘もある。
専門家によると、総合的にみて今回の結果は、学校や大学で若いうちに心肺運動を増やすよう奨励するのに十分な結果である。一方、観察研究のみのため、因果関係を確立するには不十分であるとの意見もある。また、既存疾患により運動不足であるケース等、逆の因果関係は示されていない。
心肺運動と半数箇所のがんとの関連性が示されたが、「筋力」とは関係ない。ランニング、自転車、スポーツ、水泳など有酸素運動ががんリスクとより関連性があるといえる。
運動はがんリスクを軽減するだけではなく、精神面の健康、心臓血管病の予防など、複合的なメリットがある。運動は全くやらないよりは、やった方が良い。健康増進のため、身近な運動を行うのに遅すぎることは全くない。
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