中国が米の五輪外交的ボイコットに報復を示唆(2021/12/08)
アメリカによる北京冬季オリンピックへの「外交的ボイコット」発表に対して、中国政府は「報いを受けるだろう」と対抗措置を示唆している。
12月7日付仏
『フランス24』(AFP通信)「中国が米の北京冬季五輪ボイコットへ対抗措置を示唆」:
今月7日中国は、選手参加を除くすべてを中止した米に中国が怒りの抵抗を示した。具体的内容を示さずに、今後に注目せよと対抗措置を提示。米国は間違った行いに対し、「報いを受けるだろう」と強調した。
外務省の趙立堅報道官は定例記者会見で「米は、事実でなく噂に基づいたイデオロギー的偏見から北京五輪に干渉しようとしている。...
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12月7日付仏
『フランス24』(AFP通信)「中国が米の北京冬季五輪ボイコットへ対抗措置を示唆」:
今月7日中国は、選手参加を除くすべてを中止した米に中国が怒りの抵抗を示した。具体的内容を示さずに、今後に注目せよと対抗措置を提示。米国は間違った行いに対し、「報いを受けるだろう」と強調した。
外務省の趙立堅報道官は定例記者会見で「米は、事実でなく噂に基づいたイデオロギー的偏見から北京五輪に干渉しようとしている。五輪は政治パフォーマンスや駆け引きをする場でない」と米の行いを非難した。
一方で、米国の決定はバイデン大統領に人権侵害への強い抗議を求めてきた人権グループや政治家から好意的に受け止められている。サキ報道官は、「外交的代表を派遣しないが、選手を国内から100%サポートする」と強調。チームUSA、コーチ、トレーナー、五輪スタッフは領事館を通じセキュリティ配慮があるとする。国際オリンピック委員会は「政治的中立を保ち、各国の政治決定を尊重する」とした。
ロシアは米国の決定を批判、ペスコフ大統領報道官は「五輪は政治干渉されるべきではない」としながらも、「参加選手に影響がない点は好意的に受け止める」としている。
米中関係はトランプ前大統領時の貿易戦争のときに最悪な状態となったが、バイデン政権は中国との関係を取り戻しつつ、その経済的影響力拡大へ対抗。またインド太平洋軍事進出への対抗措置として同盟国との関係を強化の方針をとり、関税措置や中国が覇権を主張する海域での海事警備を継続中。
中国の街頭では、「スポーツは政治とは切り離すべき。政治スタンダードは米国が決めるべきものではない」との意見も聞かれたという。
同日付米国『USニューズ&ワールド・レポート』(AP通信)「中国:米の外交的ボイコットはオリンピック精神に反する」:
中国は、バイデン政権が人権問題を理由に北京冬季五輪の外交的ボイコットを発表したことを受け、米国の行動はオリンピック精神に違反するものだと批判した。
各人権団体は、中国の少数民族に対する人権侵害を批判し五輪の全面ボイコットを求めてきた。米国の決定は全面的ボイコットには至らなかったものの中国からの反発を招いている。外務省の趙立堅報道官は、ボイコットは「五輪憲章にあるスポーツの中立性や、団結のモットーに反する」と指摘し、「断固とした対抗措置を取る」と応じた。また、スポーツを政治駆け引きに使うのをやめるよう警告し、「北京冬季五輪を損なう行動であり、様々な重要分野や国際問題における両国の対話と協力関係に水を差すものだ」と強調した。
中国大使館は、ツイートでこの動きを政治駆け引きだと批判し、「事実、米国から派遣されるかどうかは誰も気にしないし、五輪開催の成功への影響も全くない」と反発をみせた。また、中国共産党の中央規律検査委員会までもが、ウェブサイト上に「五輪憲章の精神を汚すべきでない」とのタイトルで長文のコメントを発表。「反中国政治家の西欧諸国の一部」が、「冷戦防衛のメンタリティからスポーツを政治化している」、「五輪精神への明らかな違反であり、五輪活動を愛する全ての人々を敵に回す」ものだと批判した。
どの高官を派遣するのか知らないが、招待した覚えもない」と趙氏は一蹴した。
他の主要国で米国に続く決定をした国はまだないが、ボイコットを求める声がある中、日本の岸田首相は、「五輪及び日本の外交の重要性を考慮し、国益の観点から日本は独自の決定をする」とし、松野官房長官は、米の外交的ボイコット措置は、「適時の判断だ。日本は、北京冬季五輪が五輪の信条に則り、平和の中開催されることを願う」とした。
韓国の外務省は要人派遣停止の指示はまだなく、五輪が「北東アジアをはじめ世界の平和と繁栄に寄与し、南北朝鮮の関係改善につながるよう願う」とコメント。
ニュージーランドは、パンデミックの渡航制限を最大の理由に、既に外交レベルでの派遣は行わないことを発表しており、ロバートソン首相は、「10月に政府要人を派遣しないことを中国側に伝えていたが、中国には複数回にわたり、人権問題への懸念を伝えてきた」と述べている。中国との関係が悪化しているオーストラリアについてはまだ決断に至っていないという。
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イスラエル、未知のウイルスによるパンデミックへの対応を確認する仮想訓練を実施(2021/11/12)
イスラエルで11日、ワクチン耐性を持ち、子供たちが感染しやすい未知のウイルスが発生したと想定した世界初の国家レベルの仮想訓練が実施された。
イスラエルのメディア
『エルサレムポスト』によると、ナフタリ・ベネット首相が率いた11日の仮想訓練には数十人の政府高官が参加し、パンデミックの次の波に対する国の準備状況を確認したという。
「オメガ演習」と呼ばれたこの仮想訓練を始めるにあたり、ベネット首相は、「イスラエルだけでなく、世界レベルでも前例のないイベントを開始する。イスラエルだけでなく、世界レベルで、まだ存在していない新しいタイプのウイルスに備えるための演習を行う」と述べた。...
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イスラエルのメディア
『エルサレムポスト』によると、ナフタリ・ベネット首相が率いた11日の仮想訓練には数十人の政府高官が参加し、パンデミックの次の波に対する国の準備状況を確認したという。
「オメガ演習」と呼ばれたこの仮想訓練を始めるにあたり、ベネット首相は、「イスラエルだけでなく、世界レベルでも前例のないイベントを開始する。イスラエルだけでなく、世界レベルで、まだ存在していない新しいタイプのウイルスに備えるための演習を行う」と述べた。
英『ガーディアン』によると、イスラエルの民間防衛大臣が主管した今回の訓練は、エルサレムにある国家危機管理センターで実施された。訓練中は、以下の分野での準備状況が確認された。
・集会や移動の制限、検疫政策、ロックダウン、外出禁止令、観光の制限。
・新たな危険な病原体の開発、ワクチンテスト、疫学調査、病院の収容力、大量検査やワクチン接種プログラムの実施時の監視と警告。
・地方や地域のロックダウンや外出禁止令、その他の制限の合法性。
・住民への経済的支援。
・検疫、外出禁止、夜間外出禁止を実施するための公安。
・流行地の学校の閉鎖、学級編制の少人数化、オンライン学習。
・ベングリオン空港を含む国境での出入国政策。
・国民への情報提供と「インターネット上の発言」への対応。
『エルサレムポスト』によると、ベネット首相は、「最も脅威なのは、現在の状況ではなく、まだ分かっていないことだ。デルタ株が突然、激しくふってきたように、別の、より致命的で感染力の強い、ワクチン耐性のある変異種が登場する可能性がある」。今回の演習は、そのようなシナリオに備えるための積極的な試みであると述べている。
演習には、各省庁や業界を超えた高官や代表者が参加した。首相官邸の報道官によると、仮想訓練の結果は直ちに評価され、来週以降も継続して行われ、イスラエルにおけるパンデミック対策の次のステップが決定されるという。
米誌『USニューズ&ワールド・レポート』によると、イスラエルは来週、各国の首脳に訓練の結果を説明する予定で、連絡を取り合っている相手として英国のボリス・ジョンソン首相を挙げている。
ベネット首相によると、今回の訓練では、12月の連休中に始まる10週間の危機が想定され、その具体的なシナリオについては事前に知らされていなかったという。このシナリオでは、「オメガ」という架空のウイルスが、ワクチン耐性を持ち、新型コロナウイルスで重症化しない子供たちにも感染し、大規模な入院や学校閉鎖を引き起こすことが想定された。
ベネット首相はロイター通信に対し「私が学んだことは、前の戦争ではなく次の戦争、前のパンデミックではなく次のパンデミックに備えれば、より良い準備ができるということ。」、主な教訓は、「素早く、強力に動けということ」だと語っている。
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