トランプ米政権は5月23日、2018年会計年度(2017.10.～2018.9.)の予算教書を米議会に正式に提出するが、5月22日の『Bloomberg』、『CNN』、5月21日の『The Washington Post』はその内容を以下の通り報じている。トランプ米大統領は、今後10年以内に財政の均衡を図るため、メディケイドの大規模な削減と貧困対者策給付等の低所得層向けの社会保障制度の1兆7000億ドル削減を提案予定だ。トランプ米政権は福祉制度の改革を通じて労働の尊厳を高めることで政府への国民の依存を無くすとしている。2018年度の予算案では事業向けや中小企業向け減税や、個人の所得税率の簡素化と最高35％への引き下げが発表されているが米民主党から批判を浴びている。トランプ米大統領は3月に米政府の予算案のダイジェスト版を発表したが、これは予算全体の30％に過ぎず、住宅、環境保護、対外援助、研究開発への大幅な予算削減と引き換えに軍事、国境関連支出の大幅な予算増加を求めていた。しかし、23日に発表される予算は米議会から毎年の承認を必要としないものでありより重要となる。

トランプ米大統領の提案では、貧困層向け医療プログラムであるメディケイド予算を8000億ドル削減する。米大統領選挙期間中、トランプ氏は社会保障、メディケア、メディケイドを削減しないと公約したが、5月4日に米下院が可決した手頃な価格で医療給付が受けられるオバマケアの廃止法案でメディケイド維持の公約はすでに破られている。現在のメディケイドで約1100万人の米国の成人が医療給付を受けている。
また、オバマケアの廃止法案で7000万人以上の低所得の米国人の子供、成人、障害者、高齢者を対象とするメディケイド給付全体の連邦政府の予算が削減される。...

トランプ米大統領の提案では、貧困層向け医療プログラムであるメディケイド予算を8000億ドル削減する。米大統領選挙期間中、トランプ氏は社会保障、メディケア、メディケイドを削減しないと公約したが、5月4日に米下院が可決した手頃な価格で医療給付が受けられるオバマケアの廃止法案でメディケイド維持の公約はすでに破られている。現在のメディケイドで約1100万人の米国の成人が医療給付を受けている。
また、オバマケアの廃止法案で7000万人以上の低所得の米国人の子供、成人、障害者、高齢者を対象とするメディケイド給付全体の連邦政府の予算が削減される。
ただトランプ米政権はメディケアと退職者年金給付は削減しないと述べている。メディケイドの医療給付の今回の改定で米連邦政府から州政府に資金負担者が変更されるが、州政府は資金を持たないので、受給資格を制限したり、給付を削減したり、支給する医療費を削減する可能性が高い。
米議会予算局によると、今回の予算で今後10年間に約1,000万人のメディケイドが削減される可能性があると推定している。メディケイドについては米共和党議員の多くが低所得層への医療保険の提供や薬物中毒の治療給付の削減に懸念を表明している。

トランプ米大統領は通称フードスタンプと呼ばれる栄養補助給付の受給資格を制限し今後10年間に1930億ドル（約25％）削減する。金融危機後にオバマ米政権が需給要件を緩和したために対象者は増加して2008年の2800万人が2013年には4700万人、2016年に4400万人に達した。
ただ経済が回復しても受給者数は予想ほど変わっていない。所得税額控除および子育て向け所得税額控除も400億ドル、貧困家庭向け一時的援助給付は21 0億ドル削減する。
また議会の承認が不要な自由裁量予算の削減を提案予定だ。米民主党ペロシ下院議長は、フードスタンプは重大なセーフティーネットであるとして25％削減に反対している。米共和党マッコーネル上院院内総務は米議会で独自の最終的な予算を作ると述べ、医療研究や国務省予算の大幅な削減に反対している。