地元マルタのメディアによると、マルタ北部で16日、地元記者のダフネ・カルアナ・ガリチア氏が自ら車を運転している際、自宅を出発した直後に車が爆発し死亡したとされる。車は爆風で道路を越えて畑の方まで吹き飛ばされていたという。
カルアナ・ガリチア氏は地元マルタで著名なジャーナリストで、政党にかかわらず政治家の腐敗を追求し、高い人気を集めていた。この事故が起こる30分前にもブログを更新しており首相の主要スタッフの汚職を糾弾しており、「あちこち不正をしている人がいる。...
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地元マルタのメディアによると、マルタ北部で16日、地元記者のダフネ・カルアナ・ガリチア氏が自ら車を運転している際、自宅を出発した直後に車が爆発し死亡したとされる。車は爆風で道路を越えて畑の方まで吹き飛ばされていたという。
カルアナ・ガリチア氏は地元マルタで著名なジャーナリストで、政党にかかわらず政治家の腐敗を追求し、高い人気を集めていた。この事故が起こる30分前にもブログを更新しており首相の主要スタッフの汚職を糾弾しており、「あちこち不正をしている人がいる。事態は深刻だ。」としていた。同氏のブログは非常に人気があり、政治にも少なからず影響を与えていた。
ブログでは今年に入り、同国首相ムスカット氏の妻がパナマ企業の実質的オーナーで、同企業とアゼルバイジャンにある複数の会社との間で多額の資金のやり取りがあり、パナマ企業を通じてかなりの利益を得ていた疑惑があると明らかにしていた。これに対しムスカット氏は疑惑を否定しており、カルアナ・ガリチア氏を提訴していた。なお、ムスカット氏は今年6月には即時選挙を行い勝利し、2期目を得ている。
ムスカット氏は月曜に声明を発表し、非常にショックを受けているとした。同氏は「カルアナ・ガリチア氏は政治的にも個人的にも最も厳しい批判者の一人であった。しかしあらゆる尊厳に反するこのような野蛮な行為を正当化することはできない。」と述べ、「警察や治安部隊に対して必要な措置はすでに講じててある」とした。
今回の事件は地元の野党議員やEU関係者にも衝撃を与えた。欧州議会のアントニオ・タイヤーニ議長は自身のツイッターで「真実を追求して彼女の命を犠牲にすることとなった」と述べた。また、野党議員も「民主主義の崩壊であり、表現の自由の崩壊だ。我々は沈黙してはいけない。」「法の支配が崩壊した。我々の民主主義が危うい。」などと彼女の氏を悼み、事件を批判した。
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