既報どおり、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、同じ同胞でも麻薬犯罪者や共産党ゲリラには容赦ない態度を取っている。しかし、貴重な外貨稼ぎをしているフィリピン人出稼ぎ労働者には、手厚い保護の手を差し伸べようとしている。フィリピンとクウェートはこの程、フィリピン人出稼ぎ労働者保護協定に原則合意することとなったが、同大統領としては、この契機となったクウェートで家政婦として働いていたフィリピン女性の殺人事件について、裁判上の明確な結論が出るまで、クウェートへのフィリピン人出稼ぎ禁止命令は撤回しないと強硬である。
3月16日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「フィリピン・クウェート、フィリピン人出稼ぎ労働者保護協定に原則合意」
フィリピンのシルベストル・ベリョ労働雇用相(73歳)は3月16日、クウェートとの間で、フィリピン人出稼ぎ労働者保護協定に原則合意した旨発表した。
但し、同相は、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領(72歳)の意向に基づき、クウェートにおいて事実上フィリピン人出稼ぎ労働者保護が改善し、かつ、この協定交渉の契機となった、家政婦として働いていた女性の殺人事件の犯人らがきちんと裁かれるまで、クウェートへのフィリピン人出稼ぎ禁止命令は撤回されないという。...
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3月16日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「フィリピン・クウェート、フィリピン人出稼ぎ労働者保護協定に原則合意」
フィリピンのシルベストル・ベリョ労働雇用相(73歳)は3月16日、クウェートとの間で、フィリピン人出稼ぎ労働者保護協定に原則合意した旨発表した。
但し、同相は、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領(72歳)の意向に基づき、クウェートにおいて事実上フィリピン人出稼ぎ労働者保護が改善し、かつ、この協定交渉の契機となった、家政婦として働いていた女性の殺人事件の犯人らがきちんと裁かれるまで、クウェートへのフィリピン人出稼ぎ禁止命令は撤回されないという。
クウェートでは目下、約26万人のフィリピン人が働いているが、そのほとんどが家政婦で、教師や事務員として働いているフィリピン人と違って、パスポートは取り上げられ、また、携帯電話の保有も認められていなかった。
そこで今回、同協定に基づき、家政婦にもかかる当然の権利を認めさせ、かつ、最低でも月収400ドル(約4万2,000円)を支払うことを確認させようとしている。
なお、人口約1億人の10分の1程のフィリピン人が海外に出稼ぎに出ており、彼らの留守宅への仕送りは年310億ドル(約3兆2,900億円)余りと、フィリピンの国内総生産(GDP)の10%にも上る。
3月17日付中国
『新華社通信』:「クウェート・フィリピン両国、クウェート在住フィリピン人労働者保護協定に署名」
クウェート国営
『クウェート通信』は3月17日、クウェート・フィリピン両国が、クウェート在住のフィリピン人労働者保護協定案に署名したと報じた。
同通信によると、クウェート外務省のサミ・アル=ハマド次官(領事問題担当)は、マニラを訪問中のクウェート閣僚級高官がフィリピン高官と協議して原案合意に至ったものだという。
同次官は、同協定案には、クウェート側からの、フィリピン人労働者のクウェート出稼ぎ禁止令の解除要請が含まれているとする。
ドゥテルテ大統領は、これまで多くのフィリピン人労働者が虐待を受けてきたとして、フィリピン人労働者のクウェート出稼ぎ禁止令を発動している。
なお、フィリピン人労働者は海外での働き手として必要とされており、特にクウェート・カタール・サウジアラビア・アラブ首長国連邦などの中東で重宝されている。
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