米航空宇宙局(NASA)は18日、中国の無人月探査機が3日に月の裏側に世界で初めて着陸したことに関連し、月探査の取り組みで中国国家航天局(CNSA)と連携していることを公表した。米政権は中国への技術流出に関し警戒を強めているが、NASAは月探査での中国との協力関係は、相互に有益なものであると強調している。
『AFP通信』『テレグラフ』『環球時報』など多くのメディアが報じた。NASAのトーマス・ザブーケン科学局長は、「NASAは連邦議会から必要な承認を得て、中国の無人月探査機、嫦娥4号(Chang’e 4)の着陸の痕跡を、米国の宇宙船の装置を用いて観測する可能性があるかを探るため、中国側と協議をしてきた。」とツイッターに投稿した。
中国の月探査計画の副責任者である呉艷華(Wu Yanhua)氏は、これに先立ち14日に同様の声明を発表し、中国は、嫦娥4号の緯度・経度・着陸時間についての情報を米国側に適時に伝達し、NASAは米国の衛星を通じて情報を共有したと語っていた。...
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『AFP通信』『テレグラフ』『環球時報』など多くのメディアが報じた。NASAのトーマス・ザブーケン科学局長は、「NASAは連邦議会から必要な承認を得て、中国の無人月探査機、嫦娥4号(Chang’e 4)の着陸の痕跡を、米国の宇宙船の装置を用いて観測する可能性があるかを探るため、中国側と協議をしてきた。」とツイッターに投稿した。
中国の月探査計画の副責任者である呉艷華(Wu Yanhua)氏は、これに先立ち14日に同様の声明を発表し、中国は、嫦娥4号の緯度・経度・着陸時間についての情報を米国側に適時に伝達し、NASAは米国の衛星を通じて情報を共有したと語っていた。
NASAは当初、月周回無人衛星「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」によって、嫦娥4号が3日に果たした歴史的な月面着陸の状況を観測したいと考えていた。NASAは中国に対し、LROの予定軌道を伝えたが、最終的に位置やタイミングが合わなかったという。「様々な理由により、着陸の間、NASAはLROの軌道を最も望ましい位置に合わせることができなかった。」と声明で説明している。
しかしNASAは、同船の着陸の間、月面の粉塵がどのように吹き上がるかに関する科学的なデータを収集し、将来の有人飛行計画を準備する上で、宇宙飛行士らが月にどのように到達するかの参考になるとして、LROが着陸地点上を通過する31日に写真撮影を行う予定だ。NASAは2013年にも、中国の嫦娥3号の月面着陸地点を撮影した。
2011年以降、連邦議会は、NASAが中国や中国系企業との提携に予算を費消することを基本的に禁じているが、NASAが議会とFBIに対し、国家安全保障や経済的な機密関連の技術やデータ、その他の情報が流出するリスクがないことを示せば、例外が認められる。
NASAは18日の声明で、「今回の活動に伴う全てのNASAのデータは公表されており、両国の提携は透明性があり、相互に有益なものである。」と述べた。NASAは中国との協力関係に基づく成果について、2月にオーストリアで行われる国連の宇宙会議で、世界の研究者らに対し発表するとしている。
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