ドナルド・トランプ大統領が打ち出した非常事態宣言も、上下両院で否決された。しかし、同大統領は、拒否権を発動して、あくまでもメキシコ国境壁建設に巨額の費用を投じようとしている。そうした中、国防総省が提案した2020年度(2019年10月~2020年9月)国防予算案では、ロシアや北朝鮮よりも、ましてやメキシコ国境壁建設よりも、肥大する中国の軍事的脅威への対抗措置が中心となっている。
3月16日付
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「新年度国防予算案、壁建設費用問題があるものの中心は中国対策」
米国にとって、ロシアや北朝鮮問題は依然深刻ではあるが、パトリック・シャナハン国防総省長官代行は、肥大化する中国の軍事力への対応策が最も重要だと強調した。
同代行は3月14日、上院軍事委員会に対して、前日に発表した2020年度国防予算案の概要について説明した際、“一に中国、二に中国、そして三に中国”と言及した。...
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3月16日付
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「新年度国防予算案、壁建設費用問題があるものの中心は中国対策」
米国にとって、ロシアや北朝鮮問題は依然深刻ではあるが、パトリック・シャナハン国防総省長官代行は、肥大化する中国の軍事力への対応策が最も重要だと強調した。
同代行は3月14日、上院軍事委員会に対して、前日に発表した2020年度国防予算案の概要について説明した際、“一に中国、二に中国、そして三に中国”と言及した。
オバマ政権時、中国を念頭に置いて“太平洋重点方針”を打ち出していたが、同代行によれば、具体的対抗措置に踏み切るのに時間がかかり過ぎているとする。
すなわち、同代行は、中国の軍事近代化対策は急ピッチで進められ、米国の科学技術を組織的に窃取し、そして、米国の軍事力に追い付き追い越す勢いで膨張しているとして、新年度予算案の7,180億ドル(約79兆7,000億円)の主要部分は中国対策に充てられると強調した。
同代行によれば、250億ドル(約2兆7,800億円)は核兵器開発に充てられ、中国が進めている核兵器開発に追い付かれないようにする必要があるという。
すなわち、現在中国は核弾頭搭載長距離爆撃機の開発に注力しており、これが成功すると、米ロと同様、地上、海上、そして航空配備の核兵器保有国となるという。
また、同代行は、米軍の防衛に限りがある超音速ミサイルの開発や、宇宙分野での覇権、更には、南シナ海での軍事拠点作り等、中国による脅威は限りなく深刻だとする。
一方、米アフリカ軍のトーマス・ワルトハウザー司令官は先月、中国の官民挙げてのアフリカ投資・開発はすさまじく、現地に賦存する天然資源等の確保に動いていることは明らかだと証言している。
また、米欧州軍のカーチス・スカパロッティ司令官も、中国は欧州においても戦略拠点を作り上げるべく、欧州各国の港湾・航空会社・ホテル・電力事業等に出資して、欧州経済への影響力を高めようとしていると懸念を表明している。
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