米電気自動車(EV)メーカーのテスラは22日、停車中の同社製「モデルS」が炎上したとみられる動画が中国のソーシャルメディアに投稿されたことを受け、現地にチームを派遣して調査を開始したことを明らかにした。
『ロイター通信』や
『CNN』の報道によると、動画は上海の駐車場の監視カメラで撮影された短時間の映像で、テスラの高級セダン型EV「モデルS」と思われる車から白煙が上がっているところが映っていた。数秒後にEVは炎上し、その後すぐに動画は終わっている。周辺の車数台も巻き込まれて、被害を受けたという。
動画のタイムスタンプから、撮影された時間は、21日の午後8時15分より少し後であり、2~3時間後に中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー、Weibo)」に投稿されて拡散した。...
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『ロイター通信』や
『CNN』の報道によると、動画は上海の駐車場の監視カメラで撮影された短時間の映像で、テスラの高級セダン型EV「モデルS」と思われる車から白煙が上がっているところが映っていた。数秒後にEVは炎上し、その後すぐに動画は終わっている。周辺の車数台も巻き込まれて、被害を受けたという。
動画のタイムスタンプから、撮影された時間は、21日の午後8時15分より少し後であり、2~3時間後に中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー、Weibo)」に投稿されて拡散した。微博には、「安全が一瞬で損なわれ、またたく間に出火した事実は容認できない。」「この事故の教訓の1つは、今後テスラ車の隣には駐車してはいけないということだ。」など、同社に対する冷笑や怒りなど様々なコメントが寄せられた。
テスラは中国当局とともに事案の調査をしているとコメントしただけで、詳細は明らかにしなかった。同社の広報担当者は、「直ちにチームを現地に派遣し、地元当局に協力して事実関係を確認している。把握する限りでは、負傷者はいない。」とメディアに述べた。
テスラ車から出火したと思われる事案は、2013年以降で少なくとも14件起きているが、走行中か衝突事故を起こした車によるものが多かった。テスラは以前、自社のEVは、ガソリン車と比較して出火の確率が10分の1以下にとどまると安全性を強調しており、充電中でないバッテリーが、勝手に発火するのは不思議だとの指摘もある。
中国はテスラにとって極めて重要な市場だ。同社の中国での年間売上高は20億ドル(約2240億円)を超え、全体の約20%を占めている。但し、中国市場での同社のシェアはまだ小さい。テスラは上海に新たな工場を建設中であり、先ずは量産型の小型セダン「モデル3」を生産し、これによって中国での売上を飛躍的に拡大させたい考えだ。同社は最終的に、上海工場で年間50万台の製造を目指している。
しかしながら、中国経済の減速化や、米中貿易戦争によって、現在全て米国から輸入されているテスラ車に課された追加関税の影響が既に表れているのに加え、中国の自動車メーカーとの競争も激化し、状況は次第に厳しくなっている。
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