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対北朝鮮、注目される米国の対応(11月17日)
16日に北朝鮮が、先端戦術兵器の実験を金正恩委員長が指導した、と報道したのを受けて、米国が年明けにも行うとしていた第二次米朝首脳会談の行方が注目される。
実験したとされる先端戦術兵器の詳細が発表されていないことから、米韓では様々な憶測をよんでいる。ただでさえ米国内のタカ派の間では北朝鮮との非核化交渉が膠着状態に陥っているなかで、北朝鮮の非核化への誠意を疑う意見がでていたが、トランプ大統領は自分の「外交の成果」を手放すことはないとみられている。...
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16日に北朝鮮が、先端戦術兵器の実験を金正恩委員長が指導した、と報道したのを受けて、米国が年明けにも行うとしていた第二次米朝首脳会談の行方が注目される。
実験したとされる先端戦術兵器の詳細が発表されていないことから、米韓では様々な憶測をよんでいる。ただでさえ米国内のタカ派の間では北朝鮮との非核化交渉が膠着状態に陥っているなかで、北朝鮮の非核化への誠意を疑う意見がでていたが、トランプ大統領は自分の「外交の成果」を手放すことはないとみられている。
米国国務省のスポークスマンは、北朝鮮の戦術兵器実験の報道を受けて、トランプ大統領と金正恩委員長は依然として信頼関係にあるものの、「今回の実験によって、非核化の交渉は停滞に陥る」可能性があるとも語っている。
一方北朝鮮も、経済制裁が緩和されないことや、小規模とはいえ米韓の軍事演習が行われたことに対し、憤懣を示しており、北朝鮮外務省は、制裁が解除されなければ北朝鮮の核政策の変更があるかもしれないと述べている。北朝鮮の言い分としては、「北朝鮮は核実験場の廃棄という行動をとった。今度は米国が具体的な行動をとる番だ」ということなのであろう。今回の実験は、米国に対し、経済制裁の緩和あるいは終戦宣言という具体的な行動を示すようにとの圧力であり、米国が具体的な行動をとらなければ、北朝鮮は今までとは異なる行動をとる、という警告とも思われる。米国のモントレー研究所の研究員は、「金正恩は譲歩をしない、これまでのやり方を変えない、というシグナルを世界に向かって発信し続けている」としている。
北朝鮮が13か所のミサイル基地を隠蔽していると報道された後の15日に、シンガポールで韓国の文在寅大統領と会談した後に米国のペンス副大統領は記者会見で、「第二次米朝首脳会談は年明けに行われる予定だが、米国は北朝鮮の核施設の申告を首脳会談の前提条件にはしない」として、これまでより前提条件を低くしていた。
米朝ともに相手の譲歩や具体的な行動を引き出すべく駆け引きを行っている状況であるが、現状は米国が先に条件を引き下げたことになる。ただし北朝鮮が実験したとされる戦術兵器の内容次第では、前提条件がかわっていく可能性はある。
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北朝鮮・金委員長・新開発兵器の実験視察・米国けん制か(11月16日)
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙労働新聞は、きょう付けの紙面で金正恩朝鮮労働党委員長が国防科学院の試験場を訪れて新たに開発した先端戦術兵器の実験を視察したと伝えた。
金委員長は飛躍的に発展しているわれわれの国防力を誇示することになったと述べた。ただ具体的な兵器の種類は明らかにされていない。
金委員長が兵器に関わる実験を視察したと伝えられたのは去年11月にICBM大陸間弾道ミサイルだと主張する火星15型の発射に立ち会って以来でおよそ1年ぶりとなる。...
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北朝鮮の朝鮮労働党機関紙労働新聞は、きょう付けの紙面で金正恩朝鮮労働党委員長が国防科学院の試験場を訪れて新たに開発した先端戦術兵器の実験を視察したと伝えた。
金委員長は飛躍的に発展しているわれわれの国防力を誇示することになったと述べた。ただ具体的な兵器の種類は明らかにされていない。
金委員長が兵器に関わる実験を視察したと伝えられたのは去年11月にICBM大陸間弾道ミサイルだと主張する火星15型の発射に立ち会って以来でおよそ1年ぶりとなる。
北朝鮮としては今月8日に予定されていた高官級の協議が延期になるなど米朝協議が難航する中、米国をけん制するねらいがあるものとみられる。
一方で兵器そのものの写真は使われていないなど抑制的な伝え方になっていて、米国の出方を見極めようという思惑もありそうだ。
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第二次米朝首脳会談は年明けに(11月16日)
東アジア首脳会議に参加のためシンガポールを訪れている韓国の文在寅大統領は、15日米国のペンス副大統領と会談し、朝鮮半島の非核化の問題などについて話し合った。席上ペンス副大統領は、第二次米朝首脳会談は年明けに行われる予定であることを明らかにしたが、日時や場所などの具体的な状況には言及しなかった。この会談は、北朝鮮での新型ハイテク兵器の実験の報道がなされる前に行われたもの。
文在寅大統領は、朝鮮半島の完全な非核化や平和体制の構築のために、韓米両国が緊密な協力をとること、および南北朝鮮関係と米朝関係が共に発展していくことが重要だと述べた。...
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東アジア首脳会議に参加のためシンガポールを訪れている韓国の文在寅大統領は、15日米国のペンス副大統領と会談し、朝鮮半島の非核化の問題などについて話し合った。席上ペンス副大統領は、第二次米朝首脳会談は年明けに行われる予定であることを明らかにしたが、日時や場所などの具体的な状況には言及しなかった。この会談は、北朝鮮での新型ハイテク兵器の実験の報道がなされる前に行われたもの。
文在寅大統領は、朝鮮半島の完全な非核化や平和体制の構築のために、韓米両国が緊密な協力をとること、および南北朝鮮関係と米朝関係が共に発展していくことが重要だと述べた。ペンス副大統領は、現在米国は北朝鮮側と協力しながら、米朝首脳会談の準備を進めていること、トランプ大統領は、北朝鮮の非核化に関し、過去の過ちを繰り返さずに、完全で、検証可能な、非可逆的な非核化を目指していると述べた。また北朝鮮の金正恩委員長が訪韓した際には、現在の膠着した状況を打破できるように、米国の希望を北朝鮮に伝えてくれるように韓国側に要請した。
韓国のメディアによると、ペンス副大統領は、日本やインドとの会談では、朝鮮半島の非核化の問題を話し合った際に、北朝鮮が非核化をしない限り、経済制裁の圧力を緩和しないという強硬な態度であったが、文在寅大統領との会談の際には、北朝鮮への制裁については言及しなかったという。
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金正恩、新型ハイテク兵器実験を視察(11月16日)
16日の聯合ニュースは、朝鮮中央放送の報道として金正恩委員長が、国防科学院で新型のハイテク戦術兵器の実験を指導したと伝えた。報道によれば、実験は成功したとされているが、どのような兵器であったかなどの詳細は伝えられていない。
北朝鮮は核実験やミサイル発射実験を停止しているものの、今回の実験が、年明けに行われるのではないかと見られている、第二回目の米朝首脳会談や北朝鮮に対する経済制裁に何らかの影響を与えるのではないかとも思われる。
北朝鮮の秘密ミサイル基地報道にトランプ怒る(11月14日)
米国のシンクタンク戦略国際問題研究所が、北朝鮮が隠蔽しているミサイル基地が13か所あると発表したが、11月12日の「ニューヨークタイムス」は16カ所の秘密基地がある報じた。その記事に対しトランプ大統領はフェークニュースだとツイッターで断じている。
「ニューヨークタイムス」は、北朝鮮は大規模な基地を1ヵ所廃棄したに過ぎず、まだ16カ所の隠蔽された基地があり、米国の情報機関はそのことを承知しているが、大統領とそれについて論じたことはないと報じている。...
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米国のシンクタンク戦略国際問題研究所が、北朝鮮が隠蔽しているミサイル基地が13か所あると発表したが、11月12日の「ニューヨークタイムス」は16カ所の秘密基地がある報じた。その記事に対しトランプ大統領はフェークニュースだとツイッターで断じている。
「ニューヨークタイムス」は、北朝鮮は大規模な基地を1ヵ所廃棄したに過ぎず、まだ16カ所の隠蔽された基地があり、米国の情報機関はそのことを承知しているが、大統領とそれについて論じたことはないと報じている。また北朝鮮はこれらの基地について全く言及していないし、欺瞞を行ってきた。トランプ大統領はそれにもかかわらず北朝鮮の脅威はなくなったといっているし、また北朝鮮が1年間核実験やミサイルを発射していないことをアピールしているが、米国の情報機関は、北朝鮮が今も核物質を作り続けていることを掌握しているとし、さらにワシントンが北朝鮮に対し、寛容な態度をとっているために北朝鮮への制裁措置が緩んでいると報じている。
トランプ大統領は、北朝鮮のミサイル基地については、総て承知しており、記事には新しい内容がないと言い、「ニューヨークタイムス」の記事をフェークニュースだとしているのである。
一方韓国の青瓦台も、「ニューヨークタイムス」の記事には目新しいものはなく、また「これらの基地廃棄が義務条項になっているいかなる協定を北朝鮮との間で結んだことはない」と述べている。
青瓦台では「ニューヨークタイムス」が「欺瞞」や「未申告」という言葉を使っていることによって、米国内に第二次米朝首脳会談を中止すべしという声があがってくることを心配しているようであるが、トランプ大統領にはその心配は全くなさそうである。
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