ロシア、年内に”防御不可の”新型大陸間弾道ミサイル発射実験を断行【米メディア】(2017/11/01)
10月26日付Globali「トランプ大統領、北朝鮮問題を理由に中ロの分断を図る(?)-あからさまに中国を褒めてロシアを貶す」で触れたとおり、親ロと思われたドナルド・トランプ大統領が、ここへきてロシアへの対抗心をむき出し始めている。そこで、ロシアは、その存在感を見せ付ける必要があると考えたためか、かねて開発を続けていた最新鋭大陸間弾道ミサイルの発射実験を年内に実施すると発表した。
10月31日付
『ニューズウィーク』誌:「ロシア国防省、“防御不可の”サタン・ミサイルの発射実験を年末までに実施すると発表」
ロシア国防省のユーリ・ボリソフ副大臣は先週末、ロシアの誇る最新鋭の大陸間弾道ミサイルの発射実験を年末までに行うと語った。
ロシアの週刊誌『ミリタリー・インダストリアル・クーリエ』が報じたもので、同副大臣は実験の詳細までは明らかにしなかったが、今回初めて行うテストでは、高高度や長距離ではなく、発射台から打ち出されるミサイルの発射状況を試すものとみられる。...
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10月31日付
『ニューズウィーク』誌:「ロシア国防省、“防御不可の”サタン・ミサイルの発射実験を年末までに実施すると発表」
ロシア国防省のユーリ・ボリソフ副大臣は先週末、ロシアの誇る最新鋭の大陸間弾道ミサイルの発射実験を年末までに行うと語った。
ロシアの週刊誌『ミリタリー・インダストリアル・クーリエ』が報じたもので、同副大臣は実験の詳細までは明らかにしなかったが、今回初めて行うテストでは、高高度や長距離ではなく、発射台から打ち出されるミサイルの発射状況を試すものとみられる。
ロシアメディアのこれまでの報道では、この最新鋭RS-28サーマット・ミサイル(北大西洋条約機構(NATO)はサタン2と命名)は、射程距離が1万1,000キロメーター(6,835マイル)、12個の弾頭を備え、一発でテキサス州あるいはフランスと同等の範囲を攻撃できるとする。
全国紙『コメルサント(ロシア語で実業家の意)』は先週、同最新鋭ミサイルの発射実験が、年内にプレセツク宇宙基地(ロシア西端でフィンランド国境付近)で行われる模様と伝えていた。
また、国営メディアの『イタル・タス通信』は、サーマット・ミサイルは如何なるミサイル防衛システムでも防げないと報じている。
なお、同最新鋭ミサイルの発射実験は、元々昨年に行われるとの噂があったが、詳細が明らかにされずに延び延びとなっていた。
更に、『コメルサント』は、もし同最新鋭ミサイル実験が成功すれば、ウラジーミル・プーチン大統領としては、先週発射実験を成功裏に終えたトーポル移動式大陸間弾道ミサイルとともに、ロシアの東側でも西側でも、どちらの標的も狙い撃てるミサイル・システムを備えることになるとも報じている。
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ロシアとトルコ、シリア内戦終結に向け戦略的合意【米・フランス・ロシアメディア】(2017/09/29)
イラクのクルド人自治区内での独自住民投票の結果、独立賛成派が大多数を占め、イラクはもとより周辺国からの反発もあって、中東の新たな火種になりかねない。一方、隣国シリアでは、ロシア・イランが支援のアサド政府軍、米国・トルコ支援の反政府勢力、そしてイスラム過激派イスラミックステート間の三つ巴の内戦が続き、事態は依然混沌としている。そこで、ロシアのプーチン大統領は、シリア問題におけるロシアの影響力・存在感を最大化すべく、かつて反目し合っていたトルコのエルドアン大統領との間で、内戦終結に向けて戦略的合意に漕ぎ着けたと喧伝している。
9月28日付米
『ニューズウィーク』誌:「ロシア、トルコとの連携でシリア内戦を終結させると表明」
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9月28日、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との間で、シリア内戦終結のための現実的対応条件で合意した旨表明した。
シリアのバッシャール・アル=アサド政権を支持するロシアは、同じ立場を取るイランと協同して、反政府勢力を減退させ、和平交渉に持っていくべく注力してきた。...
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9月28日付米
『ニューズウィーク』誌:「ロシア、トルコとの連携でシリア内戦を終結させると表明」
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9月28日、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との間で、シリア内戦終結のための現実的対応条件で合意した旨表明した。
シリアのバッシャール・アル=アサド政権を支持するロシアは、同じ立場を取るイランと協同して、反政府勢力を減退させ、和平交渉に持っていくべく注力してきた。そこでこの程ロシアは、2011年のシリア内戦勃発以降、米国と共に反政府勢力を支援してきたトルコとの間で、4つの敵対地区での段階的戦力縮小について合意に達したものである。
一方、イラク内のクルド人自治区の独立の動きについて、ロシア国営の『イタル・タス通信』は、ロシアは、シリア政府がシリアにも展開するクルド人勢力との対話に前向きに取り組むとの9月28日発表について、支持する意向であると報じた。しかし、今回会談したプーチン大統領とエルドアン大統領は、イラク内のクルド人自治区の独立への移行には共同して反対していくと表明した。
同日付フランス『AFP通信』:「エルドアン大統領とプーチン大統領、シリア内戦終結に向けて協働することで合意」
ロシアとトルコ両国は、ロシアがアサド政権を、トルコが反政府勢力を支援していたことから反目し合っていた。また、2015年のトルコ軍によるロシア空軍爆撃機撃墜事件が発生し、両国関係は更に悪化したが、2016年のトルコ側謝罪で沈静化した。
そして、この程プーチン大統領がトルコを訪問し、エルドアン大統領と会談した上で、シリア反政府勢力が支配していたシリア北西部のイドリブ県に、“段階的に戦力縮小”する地区を設けることで合意した。両国首脳は、これによって6年続いたシリア内戦が終結に向かうとしている。
なお、両国首脳は、今回の会談を通じて、ロシア旅行者のトルコ受け入れ再開、黒海ガスパイプライン建設計画の協議、更には、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコ向けへのロシア製S-400超長距離地対空ミサイル防衛システム(20億ドル、17億ユーロ、約2,200億円相当)の売買取引についても合意した。
一方、イラク内クルド人自治区の独立問題について、エルドアン大統領は厳しく非難したが、プーチン大統領は明確に反対する態度は取らなかった。
9月29日付ロシア『イタル・タス通信』:「プーチン大統領、シリアに段階的戦力縮小地区を設けることで内戦終結に向かうと表明」
プーチン大統領はエルドアン大統領との合意事項表明に当り、シリア内のイドリブ県に段階的戦力縮小地区を設けることで、内戦終結への道筋を付けることになると語った。そして、かかるプロセスによって、国連ジュネーブ本部で長く懸案事項だった和平合意に向けて、漸く進展をみることになろうと付言した。
なお、プーチン大統領は、今回の合意について、エルドアン大統領の果たした役割が大きいと同氏を称えている。
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