米・英・ロシア・アジアメディア;最側近辞任でトランプ政権に痛手(2017/02/14)
トランプ大統領は、英国メイ首相、安倍首相に続いて、カナダのトルドー首相というように、立て続けに米同盟国首脳と会談し、新政権の舵取りに支援が得られるように動いている。しかし、トランプ氏最側近の一人である、フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が、正式就任前に駐米ロシア大使と外交関連の討議をしたことを理由に辞任に追い込まれ、痛手となっている。
2月13日付米
『ワシントン・ポスト』紙:「マイケル・フリン氏の辞任で、連邦法がドナルド・トランプ政権にも適用されることが証明」
「●マイケル・フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は2月13日夜、正式就任前にセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と、対ロシア経済制裁問題について討議した疑いがあることから、補佐官職を辞任。
●これは、古びた連邦法(正式就任前の、言わば民間人が許可なく外交交渉に介入することを禁ずる法律)の違反の疑いが指摘されたものであるが、司法批判もものともしてこなかったドナルド・トランプ大統領にも、同法が適用されることの証明。...
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2月13日付米
『ワシントン・ポスト』紙:「マイケル・フリン氏の辞任で、連邦法がドナルド・トランプ政権にも適用されることが証明」
「●マイケル・フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は2月13日夜、正式就任前にセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と、対ロシア経済制裁問題について討議した疑いがあることから、補佐官職を辞任。
●これは、古びた連邦法(正式就任前の、言わば民間人が許可なく外交交渉に介入することを禁ずる法律)の違反の疑いが指摘されたものであるが、司法批判もものともしてこなかったドナルド・トランプ大統領にも、同法が適用されることの証明。
●フリン氏は当初、メディア指摘に対して潔白を主張しており、マイク・ペンス副大統領もフリン氏の行動は問題ないとして擁護してきたが、同氏が前言を撤回し、ロシア大使と制裁問題を話した可能性を示唆する発言をするに至り、これ以上カバーできないと判断。」
2月14日付英
『スカイ・テレビニュース』:「マイケル・フリン氏、ロシア大使との協議に関してトランプ側近をミスリードした責任を取って辞任」
「●フリン氏は辞任声明文の中で、“自身のロシア大使との電話協議に関し、副大統領やその他関係者に誤った報告をしてしまった”と述懐した上で、“大統領と副大統領に陳謝したが、両氏とも許してくれた”と記載。
●ホワイトハウス高官の話では、後任として、米中央情報局(CIA)のデビッド・ペトレイアス元長官(元陸軍大将)の指名を検討中。」
同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「米国務省副長官代理、2月14日に駐米ロシア大使と面談予定」
「●米国務省発表では、トーマス・シャノン副長官代理が2月14日、キシリャク駐米ロシア大使と面談予定。
●この発表は、フリン米大統領補佐官がキシリャク大使と正式就任前に電話協議した件に関し、トランプ大統領が問題の重要性について見直しているとのホワイトハウス発表に続くもの。」
一方、2月13日付アジア
『OANA(アジア太平洋通信)ニュース』:「ロシア政府、発足前のトランプ政権高官と制裁について協議とのニュースを否定」
「●ドミトリィ・ペスコフ大統領府報道官は
『イタル・タス通信』のインタビューに答えて、米国内の論議にコメントするつもりはないとした上で、正式就任前の米大統領補佐官と駐米ロシア大使が、オバマ前政権が導入した対ロシア制裁について協議したことはないと否定。
●なお同報道官は、ウラジミール・プーチン大統領はトランプ大統領との会談を心待ちにしており、今年7月に開催される主要20ヵ国首脳会議(G20サミット、7月7~8日、ドイツのハンブルグで開催予定)での首脳会談が計画されているとコメント。」
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米・英・ロシア・中国メディア;中国、トランプ氏の習氏宛書簡に安堵(2017/02/10)
2月9日付
Globali「南シナ海問題をめぐるトランプ政権に対する中国の苛立ち」の中で、“トランプ大統領は就任以来、ロシア含めて十数ヵ国の首脳と電話会議含めて討議しているが、唯一中国首脳には電話も寄越さないとして、中国の苛立ちは募るばかりとみられる”と報じた。しかし、この程漸く同大統領から習主席宛の書簡が届いたことで、口ではいろいろ非難しているものの、心の中では米国と真っ向からぶつかりたくない中国としては、正に安堵しているはずである。
2月9日付米
『ワシントン・ポスト』紙:「トランプ氏、漸く中国首脳宛に書簡送付」
「●ドナルド・トランプ大統領から習近平(シー・チンピン)主席宛に、新年のメッセージ(中国正月を祝う酉年に因む書簡)が漸く到着。
●同大統領は就任以来、少なくとも18ヵ国の首脳と電話会議、あるいは直接会談しているが、中国首脳宛には何ら表立ったコンタクトはなく、中国側がやきもきしていた最中、同大統領から、米中両国にとって利益となる建設的な関係構築を期待するとするメッセージが届き安堵。...
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2月9日付米
『ワシントン・ポスト』紙:「トランプ氏、漸く中国首脳宛に書簡送付」
「●ドナルド・トランプ大統領から習近平(シー・チンピン)主席宛に、新年のメッセージ(中国正月を祝う酉年に因む書簡)が漸く到着。
●同大統領は就任以来、少なくとも18ヵ国の首脳と電話会議、あるいは直接会談しているが、中国首脳宛には何ら表立ったコンタクトはなく、中国側がやきもきしていた最中、同大統領から、米中両国にとって利益となる建設的な関係構築を期待するとするメッセージが届き安堵。
●中国外交部の陸慷(リゥ・カン)報道局長は2月9日、トランプ大統領の習主席宛の書簡は、今後の両大国関係を良好に維持していく上で対話が大切だということを示すものと評価。
●ただ、トランプ大統領については、かねてより中国との貿易不均衡問題や、“一つの中国”原則を無視するような言動・行動を示しており、バラク・オバマ前政権時代とは異なる意味での中国側警戒感は継続。」
同日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「ドナルド・トランプ氏、“建設的”関係を求めて中国の習近平氏宛書簡送付」
「●トランプ大統領は就任以来、十数ヵ国の首脳と電話会議を行っているが、全て良好な結果となっている訳ではなく、例えばメキシコのニエト大統領には米軍を差し向けると脅し、豪州のターンブル首相とは、話の途中で一方的に電話を切るとの無礼な振る舞い。
●従って、政治評論家は、同大統領当選後すぐの習主席の祝福電話以来、米中間での電話の遣り取りは行われていないが、米政権としても、中国首脳と電話会議を行うには、十分な準備と戦略が必要と考えているものと分析。
●なお、ホワイトハウスが2月8日に明らかにしたところによると、トランプ大統領は習主席宛書簡の中で、同主席からの就任祝いの書簡への謝意を述べ、米中両国にとって有益となるよう、建設的な関係を構築していくことに期待すると表明。」
同日付ロシア
『イタル・タス通信』:「中国外交部:米中関係は協調ベースでこそ発展とコメント」
「●中国外交部の陸報道局長は、トランプ大統領から習主席宛に書簡が届いたことを明かした上で、米中双方は、両国間の幅広い分野で平和と安定を維持していく責任があると強調。
●そして、そのためには両国の協調が唯一の選択肢だとも付言。」
同日付中国
『新華社通信』:「中国、トランプ氏の春節祝いの賀状を評価」
「●中国外交部の陸報道局長は、トランプ大統領から習主席宛の賀状を評価し、中国は常に、米中関係を発展させていくことが重要と考えていると表明。
●そのためには、衝突や対立することなく、絶えずお互いを尊重し、相互に利益をもたらす関係作りが必須とも強調。」
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