ドナルド・トランプ大統領(74歳)は6月20日、新型コロナウィルス(COVID-19)感染問題で暫く中断していた選挙運動を再開し、支持者集会を開いた。しかし、開催地元からの延期要請を無視して強行したものの、会場の3分の2程が空席というありさまだった。同大統領は、満杯にするとCOVID-19感染リスクが高まるからとうそぶいているが、内心はショックを受けたのか、翌日には早速憂さ晴らしのゴルフに興じている。
6月22日付
『ブルームバーグ』オンラインニュース:「トランプ大統領の大規模集会、3分の2が空席」
ドナルド・トランプ大統領は6月20日、COVID-19感染問題で中断していた選挙運動を再開し、オクラホマ州タルサで大規模集会を開いた。
地元保健当局からは、同州での感染者増を理由に、集会延期を求められていたが、トランプ陣営は強行した。
その結果、会場収容能力(約1万9千人)に比べて、3分の2程が空席という状態で終わった。
同陣営からは、反トランプ派のデモ行動の影響を受けたとの話が出ているが、地元警察署は、平和的なデモであったとのコメントを発表している。
なお、会場入り口では、来場者にマスクが配布されたが、実際に着用していた人はほとんどいなかった。
一方、同日付『ゴルフ・ニュースネット』:「トランプ大統領、就任以来270度目のゴルフ」
トランプ大統領は6月21日、バージニア州北部のトランプ・ナショナル・ゴルフクラブ・ワシントンDCでゴルフに興じた。
これは、2017年1月に就任以来、270ラウンド目となる。
同大統領は前日、オクラホマ州タルサで支持者向けの選挙集会を開いていた。
当初、会場に入りきらないとの話があったが、実際には3分の2程が空席となっていた。
なお、既報どおり、同大統領のゴルフにはシークレットサービスが絶えず随行しており、彼らの現地宿泊費用が累計95万ドル(約1億200万円)、また、特別仕様のゴルフカートのレンタル費用が76万5千ドル(約8,200万円)かかっている。
一方、同大統領はかつて、前任のバラク・オバマ大統領(58歳、2009~2017執務の第44代大統領)がゴルフ三昧だと、非常に厳しく非難していた。
しかし、前大統領の任期中のラウンド数は333(年平均約42ラウンド)であったが、トランプ大統領は、就任3年5ヵ月間で既に270(年平均約79ラウンド)に達している。
なお、同大統領はハンディキャップ5と申告しているが、実力に比べて見栄を張った数値だとの声が多い。
閉じる
ドナルド・トランプ大統領は、新型コロナウィルス(COVID-19)感染問題の初期対応で味噌をつけたと内外から非難を浴びている。そこで、自身の大好きなゴルフで人気挽回を図るべく、著名男子プロゴルファーを招集して、チャリティーゴルフ開催を主導した。実施に及んだゴルフ場も、開業以来90年の歴史の中で、メンバー以外のプレーはもとより、テレビカメラも一切入ったことがない名門メンバーコースを選択する程の念の入れようである。一方、同大統領就任以来、ゴルフプレーの多さについて批判的に報じてきたゴルフ専門ニュースによると、同大統領の警護のために随行するシークレットサービス(大統領警護官)専用のゴルフカート使用料が、既に76万5千ドル(約8,200万円)余りに上っているという。
5月17日付
『AP通信』:「トランプ大統領、チャリティーゴルフ開催を主導」
ドナルド・トランプ大統領提唱による、著名男子プロ参加のチャリティーゴルフが5月17日に開催された。
米ゴルフ用品メーカーのテーラーメイド・ゴルフ(1979年設立のイリノイ州法人)がスポンサーとなった、テーラーメイド・ドライビング・リリーフ・スキンズ・マッチ(注1後記)で、場所はフロリダ州のセミノール・ゴルフクラブ(注2後記)、『NBC』により中継された。
(編注;参加選手は以下のとおり。
ローリー・マキロイ(31歳):北アイルランド出身。米国・欧州ツアー等通算33勝。現在、世界ランキング1位。
ダスティン・ジョンソン(35歳):サウスカロライナ州出身。米国ツアー通算20勝。ランキング5位。
リッキー・ファウラー(31歳):カリフォルニア州出身。米国ツアー通算9勝。ランキング27位。
マシュー・ウルフ(21歳):カリフォルニア州出身。2019年デビューの新人。ランキング110位。
なお、松山英樹選手の直近ランキングは22位、タイガー・ウッズ選手は11位)
テレビ中継に電話参加した同大統領は、“COVID-19ワクチンは年内に開発される”と改めて強調した上で、“11月に順延されたマスターズ(4大ゴルフ・メジャー選手権のひとつ、毎年4月開催)含めて、様々なスポーツイベントが多くの観客が集う中で開催されることになろう”と言及した。
なお、この競技大会は無観客の上で、大会役員及びテレビ局職員も限られた人数とされ、それぞれソーシャルディスタンスを守って行われた。
一方、同日付『ゴルフ・ニュースネット』:「トランプ大統領のゴルフ場での警護のためにシークレットサービスが使用したゴルフカート代が76万5千ドル超」
これまで何度も報じたとおり、トランプ大統領の就任以来のゴルフ場行脚が著しく、すでに260日以上ゴルフに興じている。
そしてこの程、同大統領のゴルフ場での警護に当たるシークレットサービスがレンタルするゴルフカート代が、これまでの累計で76万5千ドル(約8,200万円)以上に上ることが判明した。
内訳は、2019年8月までで54万1,425ドル(約5,800万円)、そして、今年4月及び5月に締結された使用契約に基づく22万4千ドル(約2,400万円)である。
レンタル使用されているゴルフカートは、大統領のプレー中に次のホールに先回りする等に供するため、時速14マイル(約22キロメートル)の通常カートに比し、時速19マイル(約30キロメートル)も出せる特別仕様になっている。
また、契約先はトランプ大統領がもっぱら通う、同大統領事業会社保有の次のゴルフ場毎に選定されている。
トランプ・インターナショナル・ゴルフクラブ(フロリダ州ウェストパームビーチ):マドックス・ジョインズ
トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ・ベッドミンスター(ニュージャージー州ベッドミンスター):アソシエイツ・ゴルフカー・サービス
トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ・ワシントンDC(バージニア州ポトマックフォールズ):キャピトル・ゴルフカーズ&ユーティリティ・ビークルズ
なお、この他、シークレットサービスの人件費や、上記ゴルフ場までの移動費用に加えて、彼らの現地宿泊費が少なくとも95万ドル(約1億200万円)掛かっており、これらは全て同大統領の事業会社経営のホテルに支払われている。
もし、同大統領が再選されて、もう1期務めるとなれば、このような費用は更に一体いくら位かかるのであろうか。
(注1) テーラーメイド・ドライビング・リリーフ・スキンズ・マッチ:4選手が二手に分かれて、ホール毎に懸けられた賞金を奪い合う競技。最終的に、マキロイ・ジョンソン組が優勝し、獲得賞金185万ドル(約1億9,800万円)は米看護師基金に寄付。準優勝のファウラー・ウルフ組が獲得の115万ドル(約1億2,300万円)は米疾病予防管理センター基金に寄付。更に、『NBC』のライブ配信の視聴者から約250万ドル(約2億6,800万円)の寄付金が集まり、各種団体に寄付される。なお、キャディー帯同も認められず、参加著名プロが自身のゴルフバッグを担ぐという珍しいシーンが見られた。
(注2) セミノール・ゴルフクラブ:1929年開業のメンバーコース。90年余りの歴史で、初めてメンバー外のプレーを認めただけでなく、テレビカメラを受け入れたのも同クラブ史上初。
閉じる