イスラエル、試験接種でオミクロン予防に4回目のワクチンは「不十分」と判明(2022/01/18)
イスラエルの医療機関シーバ・メディカル・センターは12月27日、4回目のファイザー社製ワクチンの安全性と有効性を検証する試験を開始し、少なくとも4カ月前に3回目のブースターを受けた健康なスタッフ150人に接種を行った。その結果、全員がオミクロン株から身を守るのに十分な抗体を持たないと判断された。
イスラエルメディア
『エルサレムポスト』によると、1月初め、試験接種の責任者は、4回目投与後、1週間で抗体レベルが5倍になったと発表した。しかしこれは、3回目の接種後と同様のレベルで、それ以上高くならなかった。責任者は、良い結果だが、期待していたものより低いと述べ、「ブースターに期待するレベルのものではない」と語っていた。7日後、抗体のレベルはさらに上昇したものの、オミクロン株の感染力に対して十分ではないようだと強調した。...
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『エルサレムポスト』によると、1月初め、試験接種の責任者は、4回目投与後、1週間で抗体レベルが5倍になったと発表した。しかしこれは、3回目の接種後と同様のレベルで、それ以上高くならなかった。責任者は、良い結果だが、期待していたものより低いと述べ、「ブースターに期待するレベルのものではない」と語っていた。7日後、抗体のレベルはさらに上昇したものの、オミクロン株の感染力に対して十分ではないようだと強調した。「たとえ良いワクチンであっても、オミクロン株から身を守るために必要な抗体のレベルは、このワクチンには高すぎるということが分かってきた」とコメントした。なお、現段階では、4回目のワクチン接種が重症化をどの程度防ぐのかを判断するには早すぎると述べている。
イスラエルのニュースサイト『タイムズ・オブ・イスラエル』は、シーバ・メディカル・センターの責任者が「ワクチンはアルファ株とデルタ株に対しては優れているが、オミクロン株に対しては十分ではないということだ 」と述べたと伝えている。そして、重症化リスクの高い人に4回目の予防接種をするのは良い考えだとしながらも、60歳以上に予防接種を行っている現在の接種キャンペーンを、より高齢の人向けに行うように修正する必要があるのではないかと示唆したと報じている。
現地メディアは、イスラエル保健省がシーバ・メディカル・センターによる初期の試験結果の公表を好まず、病院側が圧力を受けて新たに声明を発表したと報じている。ナフタリ・ベネット首相は、データが不足しているにもかかわらず、イスラエルの4回目投与プログラムの拡大を推し進めており、16日の夜の時点で、50万人以上のイスラエル人が4回目の接種を受けている。保健省は先月、60歳以上のイスラエル人、免疫不全者、医療従事者に4回目のワクチン接種を開始した。
なお、シーバ・メディカル・センターは、健康な別の病院勤務者150人のグループに、モデルナのワクチンの4回目の試験接種を行ったが、モデルナでも、同様の結果が得られたという。
イスラエル紙『ハアレツ』によると、オミクロン株は感染してから最初の3日間が最も感染力が強く、80%から85%が最初の5日間のうちに感染していることが分かってきた。これを受けて、イスラエル政府は感染者の隔離時間を7日から5日に短縮することを決定した。
ベネット首相は、感染者や隔離されている人の数が多いことが「経済に大きな負担を与えている」とし、この変更は国民の健康を守ると同時に経済活動を可能にするものであると説明している。
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イスラエル、60歳以上の人にコロナワクチンの4回目の接種実施へ(2021/12/22)
イスラエルでは、近々コロナワクチンの2回目のブースター接種を高齢者や医療関係者に実施することが決定された。
『ユーロニュース』によると、イスラエルのナフタリ・ベネット首相は21日、60歳以上のイスラエル人全員と医療関係者に、専門家委員会に相談した上で、コロナワクチンの4回目の接種を受ける権利を与えると発表した。
イスラエルは、昨年12月に世界で初めて国民にワクチン接種を行った国のひとつで、その後、夏に世界初のブースター接種を実施した。4回目の接種は数日中に開始される予定だという。公式発表によると、国民の約63%が2回のワクチン接種を受けており、45%がブースター接種を受け終わっている。...
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『ユーロニュース』によると、イスラエルのナフタリ・ベネット首相は21日、60歳以上のイスラエル人全員と医療関係者に、専門家委員会に相談した上で、コロナワクチンの4回目の接種を受ける権利を与えると発表した。
イスラエルは、昨年12月に世界で初めて国民にワクチン接種を行った国のひとつで、その後、夏に世界初のブースター接種を実施した。4回目の接種は数日中に開始される予定だという。公式発表によると、国民の約63%が2回のワクチン接種を受けており、45%がブースター接種を受け終わっている。
一方、『タイムズ・オブ・イスラエル』によると、コロナ政策に助言を与えるイスラエル保健省の専門家チームは、今月12日、保健大臣と首相が可能性として提起していた一般人に対する4回目のワクチン接種を推奨しないという結論を発表していた。また、高齢者や免疫不全者のための4回目(または2回目のブースター)の接種も推奨しないと伝えていた。
しかしその後、パンデミック対策本部と呼ばれている政府機関の別の専門家たちが、医療関係者、60歳以上の成人、及びその他の基礎疾患のある人に対し、3回目の接種から4カ月以上待った後、4回目の接種を受けるよう勧告した。専門家たちのうち86%が4回目のブースター接種に賛成票を投じたという。この勧告を受けて、ベネット首相は、60歳以上と医療従事者を対象に、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種を実施すると発表した。
シェバメディカルセンターの感染症部門を率いるガリア・ラハブ教授は、3回目の予防接種による予防効果が薄れていることを示すデータが少ないことから、追加接種を推奨するという決定は「単純なことではなかった」と述べた。「しかし、同時に、世界では恐ろしい数字が出てきている」と語り、急速に広がるオミクロン株について言及した。
イスラエルの新聞『ハアレツ』によると、国内で診断されたオミクロン株の感染者はすでに175例であり、イスラエル政府は、今週末までにはその数は倍以上の400例になると予想している。しかし、現在イスラエルでは、ワクチン接種のペースが鈍化している。最近では、1日平均21000回の接種が行われており、この数字には、ワクチンの接種対象になった5歳以上の子どもや、コロナから回復した人、2回目、3回目の接種を受ける人たちが含まれている。
同紙は、「ワクチンは即効性のあるものではないだけでなく、こうした接種のペースは、新たな波による打撃を和らげるために必要だと当局が考えているペースよりはるかに遅い」と伝えている。
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