イスラエル保健省は5日、ウクライナへの人道的支援の一環として、数日中にウクライナに野戦病院を設置すると発表した。野戦病院は、健康維持機構(HMO)と民間病院スタッフによって運営される。
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『タイムズ・オブ・イスラエル』によると、野戦病院には、イスラエルの民間医療法人シェバ医療センター、クラリット・ヘルスサービス、およびその他の民間病院の医療スタッフが派遣される。病院には救急病棟以外にも、小児病棟、分娩室、診療所などが含まれるという。
イスラエル保健省は、国内のどこに病院を設置するかは明らかにしなかったが、チャンネル12ニュースは、西部の都市リヴィウに設置されると報じた。...
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『タイムズ・オブ・イスラエル』によると、野戦病院には、イスラエルの民間医療法人シェバ医療センター、クラリット・ヘルスサービス、およびその他の民間病院の医療スタッフが派遣される。病院には救急病棟以外にも、小児病棟、分娩室、診療所などが含まれるという。
イスラエル保健省は、国内のどこに病院を設置するかは明らかにしなかったが、チャンネル12ニュースは、西部の都市リヴィウに設置されると報じた。
ニツァン・ホロウィッツ保健相は声明で、「われわれは道徳的な義務を果たし、人道支援を増やし、ウクライナの人々に援助を広げている。保健省とイスラエルはウクライナの人々の味方である。我々は、日常世界が一瞬にして破壊された市民の命を救うために、必要な限りの支援を続けていくつもりだ。」と述べた。
シェバ医療センター所長イツハク・クライス教授は「これは、一人一人の人間に対する私たちの個人的、職業的、国家的な義務です。私たちには手段も能力もあるのだから、立ち止まっていてはいけません。」と述べた。
イスラエルはすでに先週、100トンの人道支援物資を送っている。17トンの医療機器と医薬品、20万人分の供給を想定した浄水システム、10万人分の緊急給水キット、3000人分の冬用テント、1万5000枚の毛布、3000個の寝袋、2700枚の冬用コートが含まれている。
米フロリダ州の週刊紙『フロリダ・スター』によると、シェバ医療センターはすでに、自主的な緊急対応組織ユナイテッド・ハツァラの協力をもとに、遠隔医療技術を用いた仮想病院を立ち上げ、モルドバに逃れたウクライナ人難民の治療に当たっているという。また、IsraAidやSmartAidなどの援助団体も、ウクライナ難民を支援するために救援物資を送っている。
イスラエルが災害時に野戦病院を展開するのは、今回が初めてではない。2010年、イスラエルは壊滅的な地震に見舞われたハイチで野戦病院を開設した。また、2011年には東日本大震災後の日本に、2013年にはフィリピンに、2015年にはネパールに過去最大となる60床の野戦病院を設置した。
なお、米『フォックスニュース』は、「助けを必要としている人々を助け、アメリカ人を避難させ、負傷した人々を避難させる。そして、前線に医療支援を提供する。」ためにウクライナに向かった米軍退役軍人たちがいることを報じている。
元海兵隊の狙撃手で名誉勲章を受章したダコタ・メイヤーと海兵隊の退役軍人チャド・ロビショーは、アメリカ市民と民間人の避難を助けるために、手配した医療援助と物資だけを携えてウクライナに乗り込んだ。
ロビショー氏は、紛争地域に取り残された人々を救い出す働きを行っている団体「セーブ・アワー・エアライズ」の代表を務めており、去年8月に米軍がアフガニスタンから撤退した際、アフガニスタンから1万7千人のアメリカ人と米国を支援したアフガニスタン人を救出した経験を持つ。
メイヤー氏は、「イラクやアフガニスタンとは違う。今回は2つの主権国家が互いに戦っている一触即発の状態だ」として、人々が安全に国外退避できるために、情報収集に力を入れていると述べている。
米『IBタイムズ』によると、ロビショー氏とそのレスキューチームは現在、ウクライナの一般市民を戦闘から遠ざけるための救出作戦を進めているという。ロビショー氏は、「私たちのチームのひとつは、戦車の爆発に巻き込まれそうになった。死体がまだくすぶっていた。安全保障上のリスクは大きい」と述べており、緊張感が高まっていると報告している。「徴兵されたばかりの18歳の子供たちだ。今、彼らはライフル銃を持たされ、検問所で怖がっている。わたしたちは夜、通行しようとしているが、事故も起こりうる。こうした状況は危険でリスキーである。なるべく戦闘員であるかのような印象を与えないようにしている」と語っている。
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『ARUTZ SHEVA』と仏誌
『レゼコー』によると、イスラエルでは7日から、政府が「感染につながる危険性が高い」と判断した場所でのみグリーンパス提示義務が適用されるという。結婚式、パーティー、クラブなど、大勢の人が集まる場所に限られる。
これまでパスの提示が必要とされていた、ホテル、レストラン、ジム、映画館など、ほとんどの娯楽施設で提示義務が廃止され、ワクチン未接種者も自由に入場することが出来るようになった。また飲食店などでは、屋外の席に限り1.5メートル以上テーブルを離すことも義務づけられなくなった。ただし、座席を固定せずに食事をするようなイベントではグリーンパスの提示義務が残る。また、高齢者施設を訪問する場合は、引き続き抗原検査が陰性であることを証明する必要がある。
こうした変更は、全ての場所で提示義務を徹底させることが困難であることと、グリーンパスの提示がオミクロン株の蔓延を防ぐのに有効ではないことが見えてきたためだという。
海外渡航に関しても、7日より、ワクチン未接種者や感染からの回復が確認されていない人でも、出国前のPCR検査の義務付けが不要となった。
オンラインニュースサイト『タイムズ・オブ・イスラエル』によると、イスラエル保健省の最高行政責任者であるナアマン・アッシュ氏は、イスラエル陸軍ラジオの番組で、「オミクロン株は、ワクチン接種者でも感染するため、グリーンパスはほとんどの場所で有効性を失っている。リスクの高い場所のみに使用を限定することにした。これはウイルスと共存していくことの一環である。」と語っている。
ドバイの衛星放送局『アルアラビヤ』によると、政府に助言する専門家パネルのメンバーである疫学者ナダヴ・ダヴィドヴィッチ氏も、ワクチン接種を受けた人々が依然として再感染していることから、グリーンパスの利用縮小は理にかなっていると述べている。同氏は、あらゆる場所で「グリーンパスの提示を継続することは、誤った保証を生み出す可能性がある。グリーンパスは、劇場のような閉鎖空間での感染を減らすものではない。主に病院や高齢者介護施設、食事や歌、踊りをするイベントなど、感染リスクの高い場所でのみ、使用する必要がある。」と述べている。ただし、2021年6月にイスラエルが行ったように、グリーンパスを完全に廃止し、感染者が再び急増したときにだけ復活させるのは「間違い」であるとも述べている。
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