社会福祉大国、男女平等のイメージを持つスウェーデン。「ダーゲンス・ニュヘテル紙」がローべン首相を含むスウェーデン議員を対象に調査を実施して100名から回答を得た。
『ダーゲンス・ニュヘテル紙』は「ほぼ半数がクリントン候補が望ましいと回答した」事を報じる。この調査では、与党の社会民主労働党や緑の党から右派まで議会の全8党の議員を対象する。内訳をみると、
*クリントン氏が49票で次にサンダース候補が30票
*クリントン氏がスウェーデン民主党の組織票に支えられたのに対し、サンダース候補は与党の社会民主党を含む左派か中道左派の政党から支持を得た。...
全部読む
『ダーゲンス・ニュヘテル紙』は「ほぼ半数がクリントン候補が望ましいと回答した」事を報じる。この調査では、与党の社会民主労働党や緑の党から右派まで議会の全8党の議員を対象する。内訳をみると、
*クリントン氏が49票で次にサンダース候補が30票
*クリントン氏がスウェーデン民主党の組織票に支えられたのに対し、サンダース候補は与党の社会民主党を含む左派か中道左派の政党から支持を得た。
*ローベン首相は民主党が大統領になる事を望み、共和党側の政治討論の論調を懸念し「ぞっとする」とコメント。クリントンとサンダース両候補のどちらかを選ぶ事は拒否。
『ザ・ローカル紙』が「右派もしくは中道右派とされる穏健党やキリスト教民主党を含めても、スウェーデンの政治は米国よりも左派より」と評する通り、左派社会スウェーデンを色濃く反映した。それでも3名の民主党議員がトランプ氏を支持する。「起業家としての実績と、勇敢で率直でメディアに迎合しない」点を評価する点では、米国のトランプ支持はと共通する。「米大統領選はクリントンとトランプの対決」との見方を示す。
米民主党には“デモクラッツ・アブロード/ Democrats Abroad”という民主党海外機関があり、世界各国に支部を持つ。この機関は2008年から世界中の在外米国人向けの大統領選の直接投票を実施し、その結果は1つの州と同等に扱われ、民主党指名候補選びに反映される。指名候補の党大会にデモクラッツ・アブロードから13名の議員と8名のスーパー議員を派遣する。18名の代表を派遣できるワイオミング州よりも多い。
「ザ・ローカル紙」によると、スウェーデン在留の米国人投票者の72%にあたる712名がサンダース候補を選んだ。全世界の在外米国人でも69%以上の絶対多数を獲得し、米国内との逆転現象が起きた。また在外米国人の得票率も前代未聞の高さで、論議をよぶ今回の大統領選の関心の高さが伺える。
『ラジオスウェーデン』も、米大統領選の関心の高さを報じ、前述のデモクラッツ・アブロードが組織する投票イベントに、これまでになく多くの米国人が投票に行った事を報じる。米共和党も海外支部をもつが比較的新しく小規模なため、民主党のような投票イベントをまだ始めていない。
閉じる