世界人口の最大70%が来年までに新型コロナウイルスに感染、ハーバード大教授(2020/02/26)
米ハーバード大学の疫学専門家であるマーク・リプシッチ教授は24日、新型コロナウイルスを完全に抑え込むことは困難であり、今後1年ほどの間に世界人口の40~70%が感染するとの見通しを発表した。
ハーバード大学のマーク・リプシッチ(Marc Lipsitch)教授の見解は、米誌「アトランティック(The Atlantic)」に掲載され、これを受けて、
『The Week』や
『Inquisitr』などの米メディアが報じた。
同教授は、中国や他の国々の感染拡大抑制の取り組みにも関わらず、新型コロナウイルスCOVID-19は「究極的には封じ込めることはできない」として、1年以内に人類の約40~70%が感染すると予測している。...
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ハーバード大学のマーク・リプシッチ(Marc Lipsitch)教授の見解は、米誌「アトランティック(The Atlantic)」に掲載され、これを受けて、
『The Week』や
『Inquisitr』などの米メディアが報じた。
同教授は、中国や他の国々の感染拡大抑制の取り組みにも関わらず、新型コロナウイルスCOVID-19は「究極的には封じ込めることはできない」として、1年以内に人類の約40~70%が感染すると予測している。
リプシッチ教授は、感染率は高くなるものの、警戒し過ぎる必要はないと強調した。多くの感染者が重症化せず、全く症状の出ない人もいると言われるが、既にウイルス検査で陽性となった人の多くの症例を見ると、確かにこの傾向がみられるからだ。
一方で、同教授は、そうした傾向が正にこのウイルスを封じ込められない理由だと指摘した。重症呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)、鳥インフルエンザのようなウイルスは、より強力で致死率も高いため、最終的にある程度抑制されてきた。SARSウイルスに感染したとすれば、完全な隔離措置が取られるだろう。
しかし、現在流行中の新型コロナウイルスに感染した場合には、症状が全く出ないか、非常に軽い場合もあるため、普段通りの生活を送る人が多くなることが予想される。そうなると、感染経路の追跡や感染防止が困難となり、結果として、新型コロナウイルスの感染は風邪と同様に、最悪死に至る場合もあるが、殆どの感染者が医療機関を受診することもなく治癒していく病気になるという。
アトランティックによると、リプシッチ教授と同様の見解を持つ科学者は増えており、新型コロナウイルスの感染は、最終的に季節性の疾患となるとの共通認識が形成されつつある。同誌は、「風邪とインフルエンザの季節」が、今後これにCOVID-19を加えた季節に代わるかも知れないと伝えている。
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仏メディアが見る米大統領選の迷走:変わらぬトランプ人気の不思議(2016/10/28)
11月8日に投開票が行われる米大統領選は迷走する一方だ。クリントン候補が優勢とされるも献金疑惑の浮上で不安定さをみせ、差別発言で支持率を落とすも人気を保つトランプ候補。投資家筋では、夫と共に中国に広い人脈を持つクリントン候補で実は決まりだが、バブル経済崩壊後の中国に狙いを定めた政策を隠すための茶番劇、という見方すらある。この一部投資家の見解はともかく、暴言や差別発言を繰返しても続くトランプ支持が、世界中の目に奇妙に映る事は間違いない。仏メディアはトランプ人気の不思議を改めて読み解く。
『レゼコー紙』は社説で「ドナルド・トランプに投票する三つの理由」と見出しをつけて、依然として不動の支持を維持する理由を分析し、恐らく世界中が不可解に感じる点を要約する。「女性蔑視、外国人排斥、民衆扇動、無知で知られ、不動産開発という名の賄賂やカジノによるマフィアとの関係で巨額の剤をなした人物」が「世界最強かつ民主主義発祥の国の一つ」において「5千万近い米国民がトランプ氏に投票する」事である。
まず、現行の政治システムの拒否を挙げる。...
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『レゼコー紙』は社説で「ドナルド・トランプに投票する三つの理由」と見出しをつけて、依然として不動の支持を維持する理由を分析し、恐らく世界中が不可解に感じる点を要約する。「女性蔑視、外国人排斥、民衆扇動、無知で知られ、不動産開発という名の賄賂やカジノによるマフィアとの関係で巨額の剤をなした人物」が「世界最強かつ民主主義発祥の国の一つ」において「5千万近い米国民がトランプ氏に投票する」事である。
まず、現行の政治システムの拒否を挙げる。既に多くのメディアで報じられた通りだ。「米国人は既存の政治体制や秩序を疑い、トランプ氏はこの既存の体制を非難攻撃する事に依存する」。人民のための人民による政府を謳う叩き上げの不動産王は米国民の心をつかみ、弁護士で元大統領夫人、大臣まで務めたクリントン候補は、エリート主義への拒否感をより感じさせたと見る。「特に金融危機以来、米国は経済回復はおろか、既存の価値観を壊したと、特に白人中産階級は感じている」。トランプ支持層とそのまま重なる。確かに上位3%が富の54%を牛耳る米国は、もはやアメリカンドリームの国とは言えない。
『ルモンド紙』も、大卒資格を持たない人達のトランプ人気が突出する事に触れている。
また「レゼコー紙」によると前述の「既存の体制と秩序」にはメディアが含まれ、興味深いデータを掲載する。
『YouGov』の世論調査で「トランプ支持者の23%しかジャーナリストや政治の専門家を信頼しない」のに対し「クリントン支持者は89%が信頼する」。また米メディアのトランプ批判の異例ぶりも目を引く。
『USA Today』は1982年の創刊以来初めて「トランプ氏に投票しないよう読者に助言」した。1857年創刊の月刊誌
『The Atlantic』は「クリントン候補への投票を呼び掛けた」が、1964年のジョンソン候補と、1860年のリンカーン候補の例外を除いて、「常メディアが回避してきた」事だと驚きを隠さない。
『フィガロ紙』も「メディアと対決姿勢を強めたメディア王」と報じ、既存の体制や秩序と決別する構図作り上げた事に勝因の一つを見る。
トランプに惹かれたのは最貧困層ではなく、「中国製品、メキシコ系移民、黒人、女性、機械化」によって雇用を失う恐れをもつ「小市民の白人」である。さらに「エリートを拒絶する小市民は、強引で黒いやり方でもやり手のビジネス手腕にも期待を寄せる」。この点はフランスを始め欧米各国でみられる傾向だと
『レゼコー紙』は懸念も示す。
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