『ロイター』20日付記事「ジョンソン候補が第三回投票で支持を増やす」によれば、ジョンソン氏は19日に行われた党首選の第3回投票で、313票のうち143票を獲得した。この結果を受けて、ジョンソン氏の後援組織の一人は「弾みがついている」と語った。対立候補のハント外相は54票、ゴーブ環境相は51票、ジャビド内相は38票だった。スチュワート国際開発相は27表のみで落選となった。次の投票は木曜日に行われ、候補者は2人に絞り込まれる。
ジョンソン氏は、失言問題やスキャンダルを引き起こしてきたが、ジョンソン氏がメイ首相の後任としてEUとの離脱のかじ取りを行うことになる可能性が高まっている。ジョンソン氏は10月31日までに離脱をすると語っており、無秩序な、いわゆる合意なき離脱となる恐れもある。経済界は、そのような場合は経済や投資活動に悪影響を及ぼす、と懸念している。
『ABC』は17日付記事「元対立候補がジョンソン氏を支持」の中で、ジョンソン氏が、党首選からの撤退を表明したハンコック保健相から支持を獲得したことも伝えている。ハンコック保健相は、ジョンソン氏の「特色ある人柄」がEU離脱交渉に向けての支持を集めるのに役立つだろうと指摘し、「すべての選択肢を検討したうえで、ジョンソン氏が保守党をまとめるうえでベストの候補者だと考えた。保守党をまとめ、ブレグジットを実現し、そして、開かれた、野心的で、前向きな議題に取り組むことができる」と語った。
『CNBC』は19日付記事「ボリス・ジョンソンに率いられたブレグジットはポンドに悪影響となる恐れ」の中でジョンソン氏によるEU離脱交渉がポンドに及ぼす影響について、為替アナリストの分析を伝えている。その中でアナリストは、ジョンソン氏が離脱交渉を進めることになった場合、ドルに対してポンドが下落すると予想し、ジョンソン氏の離脱優先のスタンスが妥当かどうか疑問だと語った。また、ジョンソン氏の取り組み方によっては、議会の反発が高まる可能性や、総選挙になる可能性も指摘した。また別の専門家は、10月31日にEU離脱となる確率を53%と予想し、やはりポンドがドルに対して下落すると予測している。
閉じる