需要増・自動車・iPhoneの工場・マスク生産の計画発表(2月12日)
きのう死者が1000人を超えたと発表した中国だが、止まっていた企業活動が徐々に再開されるのに伴ない今後1週間でおよそ1億6000万人が帰省先などから都市部に移動する見通しである。
企業活動の再開に伴って、マスクの需要が急増すると見込まれることから意外な企業がマスクの生産に乗り出している。中国南部広東省深センに本社がある電気自動車メーカーはマスクを1日あたり500万枚生産する計画を発表した。
アップルのスマートフォン「iPhone」の生産を請け負う台湾のホンハイ精密工業のグループ会社は深センの工場で一日中当たり200万枚を生産する計画である。...
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きのう死者が1000人を超えたと発表した中国だが、止まっていた企業活動が徐々に再開されるのに伴ない今後1週間でおよそ1億6000万人が帰省先などから都市部に移動する見通しである。
企業活動の再開に伴って、マスクの需要が急増すると見込まれることから意外な企業がマスクの生産に乗り出している。中国南部広東省深センに本社がある電気自動車メーカーはマスクを1日あたり500万枚生産する計画を発表した。
アップルのスマートフォン「iPhone」の生産を請け負う台湾のホンハイ精密工業のグループ会社は深センの工場で一日中当たり200万枚を生産する計画である。
こうした中、日本政府は入国を拒否する対象を中国湖北省に加え、感染が広がっている浙江省に滞在歴のある外国人などにも拡大する方針を固めた。
きょう午前に開く対策本部の会合でこうした方針を確認したあと持ち回りで閣議了解の手続きを取ることにしている。
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中国・企業活動再開も・習主席“雇用対策に力”(2月11日)
新型コロナウイルスの感染拡大。国営の中国中央テレビは中国・習近平国家主席が北京で感染した患者を治療する医療施設など視察したと伝えた。習主席はマスク姿で医師らを会話を交わし、政府の幹部とも対応を協議したとしている。
習主席は企業の活動再開を促し、大きな影響を受けた企業には金融面でも支援し、大規模なリストラを防ぐ必要があるとして感染の防止対策に加え、雇用対策にも力を入れる姿勢を強調した。
中国経済への影響が懸念される中、自ら企業と労働者への支援を訴え、動揺を抑えたいとの考えもあるとみられる。
2019年の中朝貿易(2月10日)
2019年の中朝貿易は、中国の対北朝鮮経済制裁が本格的に行われる前の2016年には遠く及ばないものの、2018年よりは輸出入ともに1割増加した。以下はGlobal Trade Atlasの中国の貿易統計の数字である。
中国の対朝輸出は16.7%増の25億8888万㌦だった。最大の輸出品目はプラスチック製品で23.4%増の2.7億㌦である。かつての最大の輸出品目であった一般機械は少なかった2018年よりさらに90.6%減の70万㌦、輸送機械も78.0%減の42万㌦にとどまった。...
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2019年の中朝貿易は、中国の対北朝鮮経済制裁が本格的に行われる前の2016年には遠く及ばないものの、2018年よりは輸出入ともに1割増加した。以下はGlobal Trade Atlasの中国の貿易統計の数字である。
中国の対朝輸出は16.7%増の25億8888万㌦だった。最大の輸出品目はプラスチック製品で23.4%増の2.7億㌦である。かつての最大の輸出品目であった一般機械は少なかった2018年よりさらに90.6%減の70万㌦、輸送機械も78.0%減の42万㌦にとどまった。人道支援なのかコメは16.1万㌧、トウモロコシは2.3万㌧輸出されている。ただし北朝鮮では化学肥料不足から農業生産が不振であり、人糞集めに力が注がれているとされているといわれているが、化学肥料は49.1%減の12.3万㌧にとどまっている。
国連の経済制裁で上限が6万㌧に定められている石油製品は、中国からの対朝輸出は1万923㌧で、上限よりはるかに低い水準である。原油については、中国は2014年から対朝輸出額・量を通関統計に計上していない。沖合で船から船へ荷物を積み替える「瀬取り」が行われていることからすると、中国の公式の輸出量は、2013年以前の52万㌧前後より少なくなっていると思われる(国連の経済制裁の上限は52.5万㌧である)。
中国の対北朝鮮輸入は10.7%増の2.16億㌦だった。
中国の輸入では制裁品目に含まれていない時計が57.9%増の4.9万㌦であった。中国からは時計の部品が8.3万㌦(78.5%増)も輸出されており、今後も時計の対朝輸入は増加するものと思われる。
一方かつての北朝鮮の主力輸出品目であり、かつ国連の経済制裁の対象になっている鉄鉱石や石炭、銅、鉛、亜鉛、水産品の輸出実績は2019年も2018年同様実績はなかった。かわって鉄鋼(4.53万㌧、3386万㌦)やタングステン(1899㌧、1255万㌦)、モリブデン(1010㌧、896万㌦)が輸出されている。
また電力は北朝鮮からも中国からも輸出されている。共同使用されている水豊ダムで発電された電力だと思われるが、北朝鮮から中国へは2.27億kWh輸出されているのに対し、中国から北朝鮮への輸出は2759万kWhである。北朝鮮で電力不足がいわれて久しいが、外貨稼ぎのためなのか、北朝鮮からの輸出が8倍以上多いことになる。ただし電力価格は北朝鮮からの輸出価格が0.05㌦/kWhであるのに対し、中国からの輸出価格は0.10㌦/kWhと中国からの輸出価格が2倍になっている。
中朝間では公式の通関統計の数字以外に、当然密貿易もあると思われるが、密貿易であるがゆえに実態はわからない。ただし新型肺炎の影響で、2020年1月下旬から国境が完全に封鎖されていることから、当面は密貿易も難しそうである。
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“中国経済の混乱につながり世界全体に波及の可能性”(2月8日)
米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は7日、世界経済の先行きについて「新型コロナウイルスの出現が中国経済の混乱につながり、世界全体に波及する可能性がある」と指摘した。
FRBは、米中の貿易摩擦がやや緩和される方向になったことで、景気減速のリスクは後退したという認識を示してきたが、新型コロナウイルスが世界経済の新たなリスクになるとして、警戒感を示した形である。
米中首脳電話会談を行う(2月8日)
7日午前、習近平主席は、米国のトランプ大統領と電話会談を行った。
その中で習近平主席は、「新型肺炎が発生して以来、予防・抑制措置を取り、関連措置は徐々に効果を上げつつある。我々は感染拡大に打ち勝つ自信があり、その能力もある」と述べ、さらに「米国社会各界からの物資の寄付に感謝する」「WHOは専門的な立場から、総ての国は過剰反応をするべきではないと呼び掛けている。米国が冷静に感染状況を評価し、合理的に対応措置を策定・調整することを望む」と述べた。...
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7日午前、習近平主席は、米国のトランプ大統領と電話会談を行った。
その中で習近平主席は、「新型肺炎が発生して以来、予防・抑制措置を取り、関連措置は徐々に効果を上げつつある。我々は感染拡大に打ち勝つ自信があり、その能力もある」と述べ、さらに「米国社会各界からの物資の寄付に感謝する」「WHOは専門的な立場から、総ての国は過剰反応をするべきではないと呼び掛けている。米国が冷静に感染状況を評価し、合理的に対応措置を策定・調整することを望む」と述べた。
これに対しトランプ大統領は、「米国は中国の新型肺炎に対する闘いを全力で支援し、専門家を派遣し、その他の方法で中国に援助を提供することを望んでいる」として支援を約束した。
さらに貿易問題にも話がおよび、習近平主席は「中米は先ごろ第一段階の合意に達した。中米がこのような合意に達することができたことは、中国と米国にとってプラスであり、世界の平和と繁栄にとってもプラスとなる。真摯に両国元首が達成した共通認識を実行し、協調、協力、安定という早期長を堅持し、中米関係が新たな年に正しい軌道に沿って発展するよう促すことを望んでいる」と強調している。
WHOが人の移動や貿易を制限するものではない、としているのに対し、米国が逸早く湖北省だけでなく、中国全土からの渡航者に対する入国制限をしたことに対し、苦言を呈した形になっている。貿易問題についても言及しているが、まだまだ感染の終息は見通せない段階で、さらなる米中貿易交渉は難しそうである。
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