武器を使用せずに台湾を併合する中国(5月29日)
中国は2027年までに台湾を併合したいと考えている。そのための手法として、次のように武力行使しない手法も考えている。
1つ目は台湾本島に中国海軍が大量の漁船、沿岸警備隊、人民軍海上平民を直接、一斉に送り込むという手法によって軍事的な圧力をかけ、実際には武器を使用せず白旗を上げさせるという戦法である。
2つ目は、台湾が実効支配している「太平島」「金門島」「馬祖島」「東沙諸島」などの島々を奪い、徐々に台湾本島に手をかけていくというやり方である。...
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中国は2027年までに台湾を併合したいと考えている。そのための手法として、次のように武力行使しない手法も考えている。
1つ目は台湾本島に中国海軍が大量の漁船、沿岸警備隊、人民軍海上平民を直接、一斉に送り込むという手法によって軍事的な圧力をかけ、実際には武器を使用せず白旗を上げさせるという戦法である。
2つ目は、台湾が実効支配している「太平島」「金門島」「馬祖島」「東沙諸島」などの島々を奪い、徐々に台湾本島に手をかけていくというやり方である。
島に駐留している台湾の兵力、警察力についてはハイブリッドな手法、例えば、ウクライナのクリミア半島をロシアが奪った時のような武力攻撃を直接行わない戦法で実効支配していく手法である。
他にもインフラを徐々に中国製のものに替えていき、これを止めることによって屈服させたり、ディスインフォメーションを使って市民を誘導したり、暗殺などの非合法活動、サイバー攻撃を使って、実弾を使わないやり方で次々と排除していく手法なども考えられる。
奪った島に短距離ミサイルやロケットを配置していくことによって台湾を取り囲むという、兵糧攻めを行っていく手法である。
外堀を埋められた台湾は貿易ができなくなり、自由に物資が入らなくなり、白旗を上げざるを得なくなる。内側から変えていくというこのやり方は、サプライチェーンで相手国を中国に依存させて中国の言う通りにさせていくという手法にも通じる狡猾なものである。
3つ目は、中国がGPSなど米国や日本の衛星システムを無効化し、破壊するという手法である。これによって日米から中国の行動が見えなくなり、台湾への奇襲攻撃を中国が行いやすい状況にできる。
中国は米国が軍事と経済で宇宙への依存を強めていることを弱点と見ており、低軌道衛星の破壊を目的とした地上配備型の対衛星破壊兵器と対衛星レーザーの開発を進めている。
中国の衛星破壊兵器は中距離弾道ミサイル「東風21号 (DF21)
」をベースに作られたロケットで、2007年1月11日に行われた実験では自国の老朽化した気象衛星を破壊し、その存在が世界に広く知られるところとなった。
2015年と2016年にも衛星破壊兵器実験は行われ、2019年には低軌道衛星を標的とした人民解放軍部隊の対衛星破壊兵器の訓練も行われている。
人民解放軍は、宇宙戦においては何が起こったのかすぐに判断できないサイバー攻撃が特に有効であるとしている。宇宙とサイバー空間を「支配するドメイン、敵を拒否するドメイン」とみなし、商業的な民間の資産を含む宇宙ベースの資産に対するサイバー攻撃または電磁波攻撃を平素から行い、特に紛争初期に行うことが有効であるとしている。
陸、海、空、宇宙、サイバーだけでなくプロパガンダや、世論まで、あらゆる方向から相手の動きを無力化し、台湾を併合しようとする中国の動きに今後も細心の注意が必要である。
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中国・山岳マラソンで21人死亡(5月24日)
中国のクロスカントリー大会で参加者21人が死亡した。
大会は地元の市政府などが主催し172人が参加し、午前に始まり100キロの野山を走るものだが午後から気温が急降下するなど天気が急変し体調不良を訴える参加者が急増し21人が死亡した。
原因はいずれも低体温症とみられている。
中国・火星表面の調査に成功・米国に次いで2か国目(5月23日)
中国の国営メディアは、今月15日に火星に着陸した中国の探査機「天問1号」から、きのう初めて探査車「祝融号」が地上に降ろされ、調査を始めたと伝えた。
太陽電池を電源に6つの車輪で走行しながら、今後、火星の地形や地質の構造、地表の物質などを調査することにしている。
火星表面の調査に成功したのは米国に次いで2か国目で、中国メディアは、この分野における米国の独占を打ち破ったなどと伝えている。
英国空母・クイーンエリザエス・インド太平洋地域に向け出航(5月23日)
英国から最新鋭の空母・クイーンエリザベスが、英国・ポーツマスからインド太平洋地域に向けて出航した。
地政学的な重要性が増すこの地域への関与を強めるとともに影響力を拡大させる中国をけん制するねらいもあると見られる。
英国政府は外交や安全保障の向こう10年の方針でインド太平洋地域について「経済面や安全保障面で重要性を増している」として、関与を強める姿勢を打ち出している。
その一環となる空母・クイーンエリザベスの派遣。...
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英国から最新鋭の空母・クイーンエリザベスが、英国・ポーツマスからインド太平洋地域に向けて出航した。
地政学的な重要性が増すこの地域への関与を強めるとともに影響力を拡大させる中国をけん制するねらいもあると見られる。
英国政府は外交や安全保障の向こう10年の方針でインド太平洋地域について「経済面や安全保障面で重要性を増している」として、関与を強める姿勢を打ち出している。
その一環となる空母・クイーンエリザベスの派遣。空母を中心とする打撃群には米国やオランダの艦艇も加わり、約7か月かけて地中海からインド洋、さらに太平洋を回る。インド太平洋地域では日本や韓国、インドなどに寄港する予定で、日本の自衛隊との共同訓練も行う計画である。
英国海軍のトップ・ラダキン大将は「派遣は我々の新たな能力を示すことになる。中国を含めすべての国がルールに基づいて行動すべきだ」と述べ、影響力を拡大する中国をけん制した。
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「中国」宇宙進出の狙いは(5月22日)
中国が勢いづいている。海洋進出だけでなく宇宙開発にも積極的に乗り出している。
15日には、「火星探査機・天問1号が火星着陸に成功した」と中国メディアが大々的に報道した。実は火星着陸は多くの国が挑んできたが、ほとんどが失敗しているため中国としては鼻高々なのである。
中国は宇宙開発に邁進する理由について「平和に貢献するためのものだ」と説明している。しかしながら、この言葉を額面通りに受け取ることをできないことは南シナ海の例をとっても明らかである。...
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中国が勢いづいている。海洋進出だけでなく宇宙開発にも積極的に乗り出している。
15日には、「火星探査機・天問1号が火星着陸に成功した」と中国メディアが大々的に報道した。実は火星着陸は多くの国が挑んできたが、ほとんどが失敗しているため中国としては鼻高々なのである。
中国は宇宙開発に邁進する理由について「平和に貢献するためのものだ」と説明している。しかしながら、この言葉を額面通りに受け取ることをできないことは南シナ海の例をとっても明らかである。
法律面で見ると中国は2020年12月、国防法を改正し、領土や領海と同様に宇宙を重大な安全保障分野と明記した。習近平国家主席は「宇宙強国を目指せ」と大号令をかけている。
中国は2022年前後に有人宇宙ステーションを完成させ、宇宙での長期滞在を可能にすることを目指している。その先2030年代には月面着陸を実施し、ロシアと共同で月面に基地を作り、活動することを目指している。
実はその裏で中国は宇宙を軍事的に利用しようとしている。米国家情報長官室(ODNI)の調べでは、ASAT(衛星攻撃兵器:
anti-satellite
weapon)など、衛星を無効化する宇宙兵器の配備を中国が進めていることが明らかになっている。
もし通信衛星や偵察衛星などの衛星が中国によって破壊されれば、地上の米軍は機能不全に陥り、何もできなくなる。その結果、台湾侵攻や尖閣上陸なども多くの労力を要さずに可能となる。
こうした恐るべき兵器の配備を宇宙の平和利用という美句に隠しながら中国は着々と進めている。
中国による宇宙の軍事化や資源の私物化に歯止めをかけるためにも宇宙のルール作りを早急に行う必要が出てきている。
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