激化・米中・関税上乗せ措置発動(9月2日)
日本時間のきのう午後、中国からの輸入品3200品目余り、金額にして、およそ1100億ドル分に15%の関税を上乗せする制裁措置を発動したトランプ政権。今回の対象は、液晶テレビや時計、スポーツ用品など生活に身近な日用品が多く含まれていて中国からの輸入額の7割近くに達する。
米国の消費者にも悪影響が及ぶことが懸念される。繰り返される高い関税の上乗せに与党・共和党の議員からも懸念の声が出ている。
一方、中国も同時に米国からの原油や大豆など1700品目余りの輸入品に最大10%の関税を上乗せする対抗措置を発動した。...
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日本時間のきのう午後、中国からの輸入品3200品目余り、金額にして、およそ1100億ドル分に15%の関税を上乗せする制裁措置を発動したトランプ政権。今回の対象は、液晶テレビや時計、スポーツ用品など生活に身近な日用品が多く含まれていて中国からの輸入額の7割近くに達する。
米国の消費者にも悪影響が及ぶことが懸念される。繰り返される高い関税の上乗せに与党・共和党の議員からも懸念の声が出ている。
一方、中国も同時に米国からの原油や大豆など1700品目余りの輸入品に最大10%の関税を上乗せする対抗措置を発動した。
米中両国は、ことし12月にもさらなる関税の上乗せ措置を発動する構えで実行されれば、互いの輸入品の大半が関税上乗せの対象になる。
スマートフォンやノートパソコン、おもちゃなど中国からの輸入の依存度がより高いものも対象になる。長期化する米中の貿易摩擦。両国の対立は貿易取引だけでなく投資の分野にも影響している。
中国に住む投資家は米国のハイテク分野の企業などに1000万ドルを投じて経営に参画していた。しかし、トランプ政権が関税の引き上げや投資の規制を強化する中、米国への投資を当面見合わせることにした。
米国の調査会社によると、去年の中国から米国への投資額は48億ドルと前の年に比べて80%余り減少した。
トランプ政権は、去年、技術の流出を防ぐ名目で半導体などの分野で監視機能を強化すると発表していて中国の米国への投資は今年さらに落ち込む可能性もあると指摘されている。
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日本企業・中国での生産・切り替える動き加速(9月1日)
大手精密機器メーカー・リコーのタイにある工場では、米中の貿易摩擦を受けて米国向けの複合機の生産を中国からタイへ切り替えた。メーカーは中国の工場では日本やヨーロッパ向けの製品を生産する一方で米国向けはタイの工場で作り始めた。
三菱電機は米国向けの半導体などの生産の一部を中国から日本に切り替えた他、ダイキン工業もエアコン部品のコンプレッサーの生産を中国からタイに切り替えた。
米中の貿易摩擦に収束の兆しが見えないだけに日本のメーカーにとって生産体制の機動的な見直しは欠かせない戦略になっている。...
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大手精密機器メーカー・リコーのタイにある工場では、米中の貿易摩擦を受けて米国向けの複合機の生産を中国からタイへ切り替えた。メーカーは中国の工場では日本やヨーロッパ向けの製品を生産する一方で米国向けはタイの工場で作り始めた。
三菱電機は米国向けの半導体などの生産の一部を中国から日本に切り替えた他、ダイキン工業もエアコン部品のコンプレッサーの生産を中国からタイに切り替えた。
米中の貿易摩擦に収束の兆しが見えないだけに日本のメーカーにとって生産体制の機動的な見直しは欠かせない戦略になっている。
貿易摩擦の影響は、これだけではない。中国の景気減速で今年の日本から中国への輸出額は去年に比べて落ち込んでいる。
7月は去年に比べて9.3%減少。品目別に見ると自動車部品が35%、半導体の製造装置が31.5%、スマートフォンなどの製造に欠かせない半導体などの電子部品が19%減少した。
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関税上乗せ拡大で“米国企業中国撤退も”(8月31日)
米国・トランプ大統領は日本時間のあす午後から、中国からの輸入品に対する関税の上乗せの対象を拡大することによって「一部の米国企業は中国から撤退する」との見通しを示し「中国が貿易交渉で譲歩しなければ中国経済は悪化していく」とけん制した。
来月上旬にワシントンで開催予定の米中閣僚級協議について「キャンセルはされていないので様子を見る」と述べ、協議を行いたい意向を示した。
米中貿易交渉をめぐっては米国側は大量の農産品の購入などを求める一方、中国側はファーウェイへの締め付け緩和などを要求しているとみられる。...
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米国・トランプ大統領は日本時間のあす午後から、中国からの輸入品に対する関税の上乗せの対象を拡大することによって「一部の米国企業は中国から撤退する」との見通しを示し「中国が貿易交渉で譲歩しなければ中国経済は悪化していく」とけん制した。
来月上旬にワシントンで開催予定の米中閣僚級協議について「キャンセルはされていないので様子を見る」と述べ、協議を行いたい意向を示した。
米中貿易交渉をめぐっては米国側は大量の農産品の購入などを求める一方、中国側はファーウェイへの締め付け緩和などを要求しているとみられる。
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米中貿易摩擦・中国進出の米国企業80%余りに影響(8月30日)
中国に進出している米国企業の団体・米中ビジネスカウンシルは今年6月実施したアンケート調査によると回答した米国企業100社余りのうち81%が米中貿易摩擦の影響を受けている(前年比8ポイント上昇)とのこと。
そのうち半数近くの企業が“追加関税により売り上げが減少した。部品や素材の調達先を変更した”としている。
今年1年の売り上げが伸びる見通しだと答えた企業は全体の52%、前年は78%だった。...
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中国に進出している米国企業の団体・米中ビジネスカウンシルは今年6月実施したアンケート調査によると回答した米国企業100社余りのうち81%が米中貿易摩擦の影響を受けている(前年比8ポイント上昇)とのこと。
そのうち半数近くの企業が“追加関税により売り上げが減少した。部品や素材の調達先を変更した”としている。
今年1年の売り上げが伸びる見通しだと答えた企業は全体の52%、前年は78%だった。
米中両政府に早急に貿易交渉を再開させ、関税引き下げの実現を求めるとともに、中国政府に対しては不公正な貿易慣行が存在すると指摘し、外国企業進出の障壁を取り除き、経済の構造改革に乗り出すよう訴えた。
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両者が一歩も引けない状況(8月24日)
(最悪の方向に向かっている米中貿易戦争)
米中貿易戦争が加速している。中国政府は23日、日本円で約8兆円相当の米国産の原油や農産物など5078品目を2回に分け10%と5%の関税をかけると発表した。これはトランプ政権による第四弾対中制裁関税への報復となるものだが、米国による台湾へのF16V戦闘機の売却や香港デモへの米国の介入などの中国の反発も反映しているものともいえそうだ。米中貿易戦争は関税の応酬のレベルには既にとどまっておらず、米国は中国の通信機器大手・ファーウェイとの取り引きを禁止し、その後も、スーパーコンピューターの製造会社、原子力発電会社とも取り引きを禁止するよう求めていて、新たな標的探しが行われている状況にある。...
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(最悪の方向に向かっている米中貿易戦争)
米中貿易戦争が加速している。中国政府は23日、日本円で約8兆円相当の米国産の原油や農産物など5078品目を2回に分け10%と5%の関税をかけると発表した。これはトランプ政権による第四弾対中制裁関税への報復となるものだが、米国による台湾へのF16V戦闘機の売却や香港デモへの米国の介入などの中国の反発も反映しているものともいえそうだ。米中貿易戦争は関税の応酬のレベルには既にとどまっておらず、米国は中国の通信機器大手・ファーウェイとの取り引きを禁止し、その後も、スーパーコンピューターの製造会社、原子力発電会社とも取り引きを禁止するよう求めていて、新たな標的探しが行われている状況にある。この結果、米国と中国の経済は高い壁で分断されていて、まさに冷戦とも言うべき世界の2極化が進行している。米中貿易戦争は両国との貿易を行う世界の国も巻き込んでおり、ドイツがマイナス成長に陥るなど悪影響が広がってきている。
(両者が一歩も引けない状況になっている)
この状況は簡単に止めることは既にできない。トランプ大統領は大統領選挙突入モードに入っているが、中国バッシングが票獲得のための強力なツールとなっているからだ。特に米国議会では中国に対する反発が強まっていて、香港に関しても強硬姿勢を見せているため、トランプ大統領としては中国に対しては強硬姿勢を打ち出していくしかない。その影響が経済に出てくれば利下げで乗り切ろうという構えである。一方の習近平国家主席は為替操作国指定や香港デモの問題で追い込まれた格好だが、持久戦に持ち込んでこの難局を乗り切ろうとしている。一帯一路やAIIBを梃に逆に米国包囲網を構築しようと画策している。米国に対しては一歩も引く気はないし、特に台湾、中国デモの問題では逆に強気に出てくる気配もあり、武警の投入もありうる。いずれにしても米中の傷口はどんどん広がってしまっている状況で、11月のAPECでの米中トップ会談も危ぶまれる状況になってきた。しばらくは事態の推移を見守るしかない。
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