さらに防疫に力をいれる北朝鮮(3月13日)
12日、北朝鮮の『労働新聞』は新型コロナウィルスの防疫体制をさらに強化すするようにという幾つかの文章を掲載した。
ひとつは「輸出入貨物の処理に対する注意事項」という記事で、「他国から来た物資の消毒と処置に対する指導書」を修正した上で、検査検疫機関および関連部署に通達されたと報じている。「指導書」では輸入物資の取り扱いの際に守るべき具体的な規定となっていて、消毒薬の規格や消毒方式、防護服の装備の規定、各輸送設備の消毒方法も含まれている。...
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12日、北朝鮮の『労働新聞』は新型コロナウィルスの防疫体制をさらに強化すするようにという幾つかの文章を掲載した。
ひとつは「輸出入貨物の処理に対する注意事項」という記事で、「他国から来た物資の消毒と処置に対する指導書」を修正した上で、検査検疫機関および関連部署に通達されたと報じている。「指導書」では輸入物資の取り扱いの際に守るべき具体的な規定となっていて、消毒薬の規格や消毒方式、防護服の装備の規定、各輸送設備の消毒方法も含まれている。
「防疫作業の強化」という評論員の署名記事では、北朝鮮の各中央機関の防疫体制を紹介している。例えば対外経済省では毎日3回人々が触る場所の消毒を行い、働いている人々は毎日2回以上体温策定をしている。商業省では、防疫工作が国家や人々を守る事業だと見なし、省員総てに教育を行っている。人々が利用する商店やレストラン、ホテルなど人々が密集する場所にはポスターを貼り、警戒を強めている。このほか電力工業省や石炭省などの中央機関も防疫工作に力を注いでいることが紹介されている。
北朝鮮では新型コロナウィルスが発生して以来、世界の感染状況を報じているが、同時に北朝鮮では感染者はいないと何回も強調している。
北朝鮮では検査キットが足りないから感染者がいないことになっているのかもしれないが、感染の拡大を防ぐために必死なのが伝わってくる。また中国との間の国境を閉鎖していることから、物資不足に陥り人々の不満も高まっていると思われるが、コロナウィルスを防ぐためには仕方ない、ということを強調しているものと思われる。
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北朝鮮、3発の飛翔体発射の意図(3月10日)
2日に続き、1週間後の9日にも北朝鮮は飛翔体を発射した。韓国の聯合参謀本部は、今回は7時36分咸鏡南道宣徳付近から朝鮮半島東部の海域に向けて3発の異なる種類の短距離の飛翔体が発射されたと発表した。また今回の飛翔体の飛行距離は200㌔、飛行高度は50㌔で、超大型のロケット砲も含むものであった。青瓦台は、朝鮮半島の平和と安定に冷や水を浴びせるものだと表明した。
韓国では、この1週間の北朝鮮の態度の目まぐるしい変化をどのように解釈すべきかと話題になっている。...
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2日に続き、1週間後の9日にも北朝鮮は飛翔体を発射した。韓国の聯合参謀本部は、今回は7時36分咸鏡南道宣徳付近から朝鮮半島東部の海域に向けて3発の異なる種類の短距離の飛翔体が発射されたと発表した。また今回の飛翔体の飛行距離は200㌔、飛行高度は50㌔で、超大型のロケット砲も含むものであった。青瓦台は、朝鮮半島の平和と安定に冷や水を浴びせるものだと表明した。
韓国では、この1週間の北朝鮮の態度の目まぐるしい変化をどのように解釈すべきかと話題になっている。2日には元山から朝鮮半島東部海域へ2発の飛翔体を発射し、3日には北朝鮮のメディアが、金正恩委員長が前線の火力打撃訓練場を視察し、さらにロケット砲が発射されたと報じた。同日には金正恩委員長の妹の金与正党中央委員会第一副部長が、韓国が北朝鮮の軍事訓練に憂慮を示したことに対し、激しく非難した。ただし翌日には金正恩委員長が韓国のコロナウィルスとの闘いに慰問の親書を文在寅大統領宛てに送っている。
韓国のなかでは、英国、フランス、ドイツ、ベルギー、エストニアの欧州5か国が5日に北朝鮮のロケット砲発射を国連安全保障理事会の決議違反だと非難する共同声明を安保理で発表したことに対し、北朝鮮が抗議のために飛翔体を発射したのではないかとの見方もある。北朝鮮外務省の報道官は、7日に「共同声明は5か国が米国に唆されたとった軽率な行為であり、朝鮮に重大な行為を引き起こさせかねないことになる」と述べていた。
また北朝鮮が文在寅大統領宛てに親書を出し、南北の協力的な雰囲気を作った後に再度飛翔体を発射したことに対しては、北朝鮮が「朝鮮の軍事訓練のことをとやかくいうな」と韓国に対し要求したのだろうとの見方もある。親書は南北間の門を開く「鍵」のようなものであることから、韓国政府も強い言動をとれなくなっている。韓国の「朝鮮日報」によると、9日青瓦台では閣僚会議が開催されたが、2日の閣僚会議でいわれた北朝鮮に対する「強烈な憂慮」などという言葉に比べ、比較的穏やかな表現の非難にとどまっている。
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北朝鮮、一部の隔離措置を解除(3月10日)
9日の北朝鮮の『労働新聞』の報道によると、北朝鮮でとられていた厳格な隔離措置が一部解除された。リスク度2級人物(海外からの入国者と入国者と接触があった人物)および外国人、外国人と接触があった人物の隔離措置が解除されたもの。
『労働新聞』の報道によれば、江原道と慈江道では各々1020名と2630名の隔離措置が解除された。同時に外国人および外国人への接触者の隔離は順次解除される。北朝鮮外務省は隔離されていた各国の大使館員や外国人に「この人物は規定通り2月1日から3月2日まで隔離されていました」と書かれた「隔離解除確認書」を発行している。...
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9日の北朝鮮の『労働新聞』の報道によると、北朝鮮でとられていた厳格な隔離措置が一部解除された。リスク度2級人物(海外からの入国者と入国者と接触があった人物)および外国人、外国人と接触があった人物の隔離措置が解除されたもの。
『労働新聞』の報道によれば、江原道と慈江道では各々1020名と2630名の隔離措置が解除された。同時に外国人および外国人への接触者の隔離は順次解除される。北朝鮮外務省は隔離されていた各国の大使館員や外国人に「この人物は規定通り2月1日から3月2日まで隔離されていました」と書かれた「隔離解除確認書」を発行している。ただし平壌で外国人に開放される商店はまだ一部にとどまっている。
『BBC』の9日の報道によると、平壌で1カ月余隔離されていた80名の外交官とその家族は解除当日高麗航空でロシアのウラジオストックに赴き、その後帰国の途に着いた。この高麗航空機が1月末に国境が閉鎖されてからはじめての航空便となった。北朝鮮で隔離されていた外国人は380名にのぼっていた。
9日の『タス通信』によると、防疫体制のために業務が制限されていたことから、ドイツ、フランス、スイスの駐北朝鮮大使館や代表処は完全に業務を停止し、そこで雇用されていた人々も平壌を離れた。このほか人道援助計画も一部停止されたことから、国際機関の人員も減少している。
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北朝鮮、また飛翔体発射(3月9日)
9日朝、北朝鮮は今月2日に続いて、飛翔体を発射した。韓国軍合同参謀本部が発表したもの。
東部の咸鏡南道で発射されたものとみられ、日本の排他的経済水域の外に落下したものと思われる。これまで2発を短い間隔で発射することが多かったが、今回は3発発射したと見られている。
2日の発射の際には金正恩委員長が視察していたと伝えられている。北朝鮮でも新型コロナウィルスの感染が疑われる人々を大量に隔離するなど厳戒な防疫体制が敷かれるなかで、なぜあえて今、立て続けに飛翔体を発射するのか。...
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9日朝、北朝鮮は今月2日に続いて、飛翔体を発射した。韓国軍合同参謀本部が発表したもの。
東部の咸鏡南道で発射されたものとみられ、日本の排他的経済水域の外に落下したものと思われる。これまで2発を短い間隔で発射することが多かったが、今回は3発発射したと見られている。
2日の発射の際には金正恩委員長が視察していたと伝えられている。北朝鮮でも新型コロナウィルスの感染が疑われる人々を大量に隔離するなど厳戒な防疫体制が敷かれるなかで、なぜあえて今、立て続けに飛翔体を発射するのか。北朝鮮内の不穏な空気から、内外の目をそらさせるとともに、大統領選にしか関心のないトランプ大統領をふりむかせたいとの思いがあるのかもしれないが、その目論見が実現する可能性は低い。
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北朝鮮今年2回目の飛翔体発射(3月9日)
韓国軍合同参謀本部は9日、北朝鮮が同日午前、東部の咸鏡南道宣徳(ソンドク)付近から3発の飛翔(ひしょう)体を日本海に向けて発射したと発表した。
飛翔体発射は2日に続き、今年2回目となる。
海上保安庁も9日朝、北朝鮮がミサイルとみられる飛翔体を発射したとみられると発表した。
日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落下したもようだと分析している。
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