猛威を振るっている中国発の新型コロナウィルス集団感染問題は、隣国の韓国にとって北朝鮮よりも脅威と見做した模様である。米韓両軍はこの程、3月に予定されていたコンピューター・シミュレーションによる指揮所演習を延期することを決定した。次期開催期日は未定で、場合によって中止される見通しである。韓国において、中国以外での感染者数が1千人を超えたこと、また、米韓両軍に感染兵士が多数発生したことが理由とされている。
2月27日付米
『ロイター通信』:「米韓両軍、中国外での新型コロナウィルス集団感染深刻化を理由に合同軍事演習を延期」
米韓両軍は2月27日、猛威を振るう新型コロナウィルスの感染拡大を防止するため、予定していた合同軍事演習を延期することを決定した。
これに先立ち、米国務省は2月26日、集団感染が拡大している大邱(テグ)最寄りの基地所属の米軍兵士(23歳)が新型コロナウィルスに罹患したことが判明したことから、韓国向けの旅行自粛を通達している。...
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2月27日付米
『ロイター通信』:「米韓両軍、中国外での新型コロナウィルス集団感染深刻化を理由に合同軍事演習を延期」
米韓両軍は2月27日、猛威を振るう新型コロナウィルスの感染拡大を防止するため、予定していた合同軍事演習を延期することを決定した。
これに先立ち、米国務省は2月26日、集団感染が拡大している大邱(テグ)最寄りの基地所属の米軍兵士(23歳)が新型コロナウィルスに罹患したことが判明したことから、韓国向けの旅行自粛を通達している。
韓国軍によると、韓国軍兵士にも感染者が出ており、基地内に隔離しているという。
延期されたのは、米韓統合参謀本部の指揮の下で行われる“指揮所演習”で、“別途公示がある時期まで”とされている。
一方、新型コロナウィルス集団感染問題深刻化を受けて、米株式市場は5日連続で値下がりしている。
また、米保健福祉省は、海外渡航歴がなく、しかも感染者と接触したことのない感染者が米国内で出始めていると報告している。
これに関してドナルド・トランプ大統領は、新型コロナウィルスの脅威に対して、“準備は完全”だと強調した。
また、同大統領は、中国以外で感染が拡大している韓国、イタリア等の往来について、すぐに制限等を行うつもりはないが、“臨機応変に対応する”とも言及した。
なお、各国の新型コロナウィルス感染状況は下記のようになっている。
・中国:2月27日現在、感染者は約8万人、死亡者は2,744人(ほとんどが湖北省)。
・韓国:新たに334人の感染が確認され、合計1,595人と、中国に次いで最多。
・イタリア:新たに100人増えて合計400人超が感染しており、欧州内での集団感染地となり、死亡者も12人となっている。
・イラン:死亡者が19人。
・フランス:2人目の犠牲者。
・米国:59人が感染。ほとんどが、横浜港で停泊させられていたクルーズ船“ダイアモンド・プリンセス号”乗船者。
・日本:“ダイアモンド・プリンセス号”乗船者(約3,700人)のうち、感染者が700人近くに上っている。安倍晋三首相は2月26日、今夏開催予定の東京オリンピックへの影響を懸念して、大規模なスポーツや文化イベントについて、今後2週間程度、中止・延期・規模縮小を要請すると発表。
・ブラジル:サンパウロ在住の高齢者(61歳)の感染が確認され、南米初の患者に。直近でイタリア訪問をしていた。これを受けて、同国株式市場は一挙に7%以上下落。
・その他、パキスタン、スウェーデン、ノルウェー、ギリシャ、ルーマニア、アルジェリアでも初感染を確認。
同日付韓国『コリア・タイムズ』紙:「米韓両軍、新型コロナウィルス感染問題のため軍事演習延期を発表」
米韓統合参謀本部報道官のリー・ピーターズ大佐及び金俊洛(キム・ジュンラク)大佐は2月27日、韓国が新型コロナウィルス感染問題に対する警戒レベルを最高の“厳重”に引き上げたことを受けて、3月に予定されていた合同軍事演習を延期することとしたと発表した。
当初の計画では、コンピューター・シミュレーションによる指揮所演習を予定していたが、“具体的時期の明示があるまで”延期された。
これは、統合参謀本部議長の朴漢基(パク・ハンキ)将軍が提案し、ロバート・エイブラムス司令官が同意したものである。
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1月10日付米
『ABCニュース』は、「米軍のB-52爆撃機、韓国上空を監視飛行」との見出しで、以下のように報じた。
「・米太平洋軍によると、グアム空軍基地から飛び立ったB-52戦略爆撃機が、韓国烏山(ウサン)基地(ソウルの30マイル、50キロメーター南)周辺を低空飛行。
・朝鮮半島の安定・安全を維持するとの米韓両軍の意思を誇示し、北朝鮮を牽制しようとするもので、米軍F-16戦闘機及び韓国軍F-15戦闘機も随行。
・同爆撃機は2013年3月、北朝鮮が3度目の核実験を実施した際にも同様の威嚇飛行を実行。」
同日付英
『メール・オンライン(デイリィ・メール電子版)』(
『AP通信』記事引用)は、「北朝鮮への国連制裁、実効性希薄で効果薄い」との見出しで、次のように伝えた。
「・北朝鮮の核保有に懸念が高まっているにも拘らず、国連加盟国193ヵ国のうち40%以下の国しか追加制裁に積極的ではない。
・特に、アフリカ諸国は北朝鮮からの安い武器を重宝しており、武器取引禁止規制追従に懐疑的。
・米国のパワー国連大使は、より厳しい制裁を科すよう国連安保理に提案するとするも、安保理全15ヵ国の理事国の結論が出るまでに数週間を要す。また、追加制裁提案内容によっては、中国やロシアが抵抗を見せる可能性あり。」
一方、同日付中国
『国際ラジオニュース』は、「中国北東部の放射線濃度に変化なし」との見出しで、以下のように報じた。
「・中国北東部の黒龍江省の放射能検査署の張(チャン)署長は、北朝鮮国境付近の測定機器による放射能濃度は通常どおりで変化なしとコメント。
・同省は、牡丹江(ムダンジャン)、ハルピン等7つの測定所保有。」
同日付韓国
『KBSニュース』は、「3度目のエア・サンプルも放射能感知せず」との見出しで、次のように伝えた。
「・韓国の原子力安全規制委員会は1月10日、3度目に集めたエア・サンプルも、1度目、2度目と同様、放射能異常値は検出せずと発表。
・ただ、この結果を以て、北朝鮮の核実験の内容について決定はできないと。」
更に、同日付北朝鮮
『ノース・コリア・タイムズ』オンラインニュースは、「北朝鮮トップ、水爆実験は防衛手段と言明」との見出しで、以下のように報じた。
「・北朝鮮人民軍基地を訪れた金正恩(キム・ジョンウン)第一書記は、水爆実験は国防の一手段と言明。
・更に、朝鮮半島の平和と安全を維持し、米国などが仕掛ける恐れのある核戦争に対抗するために有効な手段とも表明。
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