米国・インド太平洋戦略“中国に対抗”強調(2月12日)
米国・バイデン政権は11日、インド太平洋戦略を発表し、中国について経済、外交、軍事、技術的な力を集結して、インド太平洋での影響力を拡大し、世界最大の覇権国家になろうとしていると位置づけた。
そして、米国がインド太平洋地域で存在感を高め、同盟国や友好国と連携することが一段と重要になっているとして、日本、米国、オーストラリア、インドの4か国でつくる「クアッド」や、ASEAN(東南アジア諸国連合)などの枠組みとの関係を強化していくとしている。...
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米国・バイデン政権は11日、インド太平洋戦略を発表し、中国について経済、外交、軍事、技術的な力を集結して、インド太平洋での影響力を拡大し、世界最大の覇権国家になろうとしていると位置づけた。
そして、米国がインド太平洋地域で存在感を高め、同盟国や友好国と連携することが一段と重要になっているとして、日本、米国、オーストラリア、インドの4か国でつくる「クアッド」や、ASEAN(東南アジア諸国連合)などの枠組みとの関係を強化していくとしている。
また、中国が将来的な統一を目指す台湾についても、関係を強化すると明記している。安全保障面では、各国の軍との統合運用を高めることで、抑止力を強化する方針を示し、経済安全保障面ではことしの早いうちに、インド太平洋地域などの同盟国や友好国との新たな経済的枠組みを立ち上げるとしている。
関係者によると、バイデン政権は当初、インド太平洋戦略を去年発表したい考えだったが、ウクライナ情勢の緊迫化などの影響で、発表が遅れていたということで、このタイミングでの発表は、バイデン政権がインド太平洋地域を重視する姿勢を国際社会にアピールするねらいがあると見られる。
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米国・対中国・ミサイル開発・日本も配備候補地か(1月10日)
インド太平洋地域で戦力を増強しようとしている米国の動きについて。先週開かれた日米の外務防衛閣僚協議「2プラス2」、共同発表では中国の海洋進出について懸念を共用した上で、地域の安定を損なう行動を抑止し、必要があれば対処するために協力することを決意したと明記した。
対立を深める米国と中国、米国は中国を念頭に新国防戦略を発表する見通しで、注目されているのが中距離ミサイルの配備の在り方である。
米国は中国に先行されているとし、日本、台湾、フィリピンへ伸びる、第一列島戦上を候補地に攻撃用ミサイルを分散させ配備する計画を急いでいる。...
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インド太平洋地域で戦力を増強しようとしている米国の動きについて。先週開かれた日米の外務防衛閣僚協議「2プラス2」、共同発表では中国の海洋進出について懸念を共用した上で、地域の安定を損なう行動を抑止し、必要があれば対処するために協力することを決意したと明記した。
対立を深める米国と中国、米国は中国を念頭に新国防戦略を発表する見通しで、注目されているのが中距離ミサイルの配備の在り方である。
米国は中国に先行されているとし、日本、台湾、フィリピンへ伸びる、第一列島戦上を候補地に攻撃用ミサイルを分散させ配備する計画を急いでいる。
中国軍の中距離弾道ミサイル「東風26」はグアムの米国軍基地を射程におさめ、グアムキラーとも呼ばれている。
去年11月、米国国防総省は中国が中距離ミサイル約900発を保有していると公表し、1年前の2.5倍にのぼり、アジア全体を射程に入れるミサイルを中国全土に配備していると分析している。
米国はこれまで中距離ミサイルの保有を禁止されてきた。背景にあったのが旧ソ連との間で結んでいたINF(中距離核ミサイル全廃条約)で、射程が500~5500kmのミサイルの保有を禁じられてきた。
3年前、条約が失効し米国は中距離ミサイル開発に着手、各地に分散させ配備する計画を急いでいる。候補地の一つが日本となる。
トランプ前政権副補佐官・アレキサンダーグレイは米国側は日本へ説明を既に始めていると証言した。ランド研究所・ジェフリーホーナンは配備の候補地となるのは日本全土だと考えている。
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米国に対する中ロの策謀(1月8日)
年末の記者会見でNATOの東方拡大を痛烈に批判したプーチン大統領はウクライナ国境付近に10万人を超える軍を配備しており、西側の撤退要求には応じず、撤退するそぶりも見せていない。
プーチン大統領はウクライナに軍事支援をしないことやウクライナをNATOに入れない事を保証しろと要求しているが、米国やNATOがこれに応じる可能性は低い。
プーチン大統領は次の大統領選挙に勝つことを狙っており、この辺りで結果を出しておきたいと考えている。...
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年末の記者会見でNATOの東方拡大を痛烈に批判したプーチン大統領はウクライナ国境付近に10万人を超える軍を配備しており、西側の撤退要求には応じず、撤退するそぶりも見せていない。
プーチン大統領はウクライナに軍事支援をしないことやウクライナをNATOに入れない事を保証しろと要求しているが、米国やNATOがこれに応じる可能性は低い。
プーチン大統領は次の大統領選挙に勝つことを狙っており、この辺りで結果を出しておきたいと考えている。さらに可能な限りロシアの周りに緩衝地帯を作っておきたいという2つの理由から、元々ロシア系の住民が多いウクライナ東部二州にロシアが侵攻する可能性は十分にあるといえる。思い返せばクリミア併合の時も似たような状況であった。
ウクライナからすると自国を守るためにNATOに入りたいと言ったことが、かえってロシアの軍事侵攻の可能性を高める皮肉な結果となっている。
ロシアがウクライナ東部に軍事侵攻した場合、中国も同時に台湾に侵攻するリスクを懸念する声もあるが、2月に国家的行事である北京五輪があり、秋には共産党・党大会も控え権力の盤石化を図りたい習近平国家主席にとって台湾侵攻は現時点では現実的なシナリオとはいえない。
台湾侵攻が考えられるのは2024年の台湾総統選挙で擁立候補が蔡英文に敗れた場合であるかも知れない。
プーチン大統領と習近平国家主席のケミストリーは非常に良く、プーチン大統領は北京五輪にも開会式にも参加する予定で中ロ関係はかってないほど良好である。今後両国は米国を念頭に、様々な場面で連携し、特に日本周辺において何らかの威嚇行動を行う局面が増えてくるものとみられる。
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ウクライナ危機(1月3日)
近日中にもロシアとウクライナ間で軍事紛争が起きる可能性が指摘されている。これを回避するため1月1日にバイデン大統領とプーチン大統領の間で緊急の電話会談が開催され、バイデン大統領は、「ロシア軍のウクライナ国境での動きがロシアに対する新たな制裁や欧州における米軍のプレゼンス拡大につながり、ロシアは大きな代償を支払うことになるだろう」とプーチン大統領を威嚇したと言われている。最終的には1月中に3回の会合を開催する方向でプーチン大統領と合意したというが、構造的な問題が横たわっているために事態は楽観視できない。...
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近日中にもロシアとウクライナ間で軍事紛争が起きる可能性が指摘されている。これを回避するため1月1日にバイデン大統領とプーチン大統領の間で緊急の電話会談が開催され、バイデン大統領は、「ロシア軍のウクライナ国境での動きがロシアに対する新たな制裁や欧州における米軍のプレゼンス拡大につながり、ロシアは大きな代償を支払うことになるだろう」とプーチン大統領を威嚇したと言われている。最終的には1月中に3回の会合を開催する方向でプーチン大統領と合意したというが、構造的な問題が横たわっているために事態は楽観視できない。
今回のウクライナ危機はウクライナがNATOに入ろうとしていることから起こっている。つまりロシアはウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟することは絶対に許すことはできないレッドラインと見做しているということである。1990年代に西側はロシアに対しNATOは東欧へは1インチも拡大しないと約束しており、これを破ることは絶対に許さないということである。
2014年のウクライナ危機もウクライナがEUに入ろうとしたことが引き金となって起きている。いくら話し合いをしようがこれまでの経緯からするとプーチン大統領が行動する時は行動することは明らかである。
多くの日本人にとってはウクライナ危機は他人事であるが、ロシアがウクライナに侵攻した場合、日本にも影響が及ぶ可能性がある。ウクライナ危機が起きればアジアに駐留している米軍をウクライナに派遣しなくてはならなくなるためである。その分、アジア地域での米軍力が手薄になり、軍事バランスが崩れることとなる。
これを中国は台湾侵攻のための絶好のチャンスと捉え、見逃すはずはない。日本は軍事費を増やすことを決めはしたが、現在の軍事力では中国に到底太刀打ちはできない。中国が台湾侵攻を行う可能性はゼロとは言い切れない。
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インテルに難題を持ち掛ける中国(12月25日)
中国は公開の場で「中国製造2025」を取り上げることはほとんどなくなったが、そのコアとなる政策は今もほとんど変わっていないと言われている。
23日、米国を代表する半導体企業「インテル」が傘下の部品メーカーに「中国・新疆ウイグル自治区で生産された製品や労働力を使用禁止にする」との通達を出し、中国国内で激しい反発を招いている。
「インテル」製品の不買運動まで呼び掛けられていたため「インテル」は中国国民に謝罪せざるを得ない事態に追い込まれた。...
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中国は公開の場で「中国製造2025」を取り上げることはほとんどなくなったが、そのコアとなる政策は今もほとんど変わっていないと言われている。
23日、米国を代表する半導体企業「インテル」が傘下の部品メーカーに「中国・新疆ウイグル自治区で生産された製品や労働力を使用禁止にする」との通達を出し、中国国内で激しい反発を招いている。
「インテル」製品の不買運動まで呼び掛けられていたため「インテル」は中国国民に謝罪せざるを得ない事態に追い込まれた。
こうした中、韓国の半導体大手「SKハイニクス」による「インテル」の半導体メモリー部門の買収をめぐり、中国の独占禁止法当局が不気味な動きを見せている。
「半導体を中国に安定供給させること」「インテルの大連工場で今後5年間継続投資すること」などの条件を「SKハイニクス」に半ば強引に押し付けてこれを受け入れさせていたのである。
中国は米国による半導体製造装置の輸出制限などで技術の蓄積が大幅に遅れており、半導体自給率は全分野で2割程度と言われている。
中国の半導体は、今や中国経済のアキレス腱となっているため、中国は米国の制裁や新型コロナウイルスの影響を受けにくい独自の半導体サプライチェーンを構築しようとしている。
中国の独占禁止法当局が大規模な吸収合併が続く半導体業界に介入し、なりふり構わない強引な手法で自国に有利な形に誘導しようとしているようにも見える。
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