「国産mRNAワクチン」に向け一歩前進(7月17日)
国内製薬大手「第一三共」が従来の治験とは異なる新しいやり方で年内にも国内外で「mRNAワクチン」の数千人規模の治験に乗り出す。
菅政権は「10月から11月ぐらいまでの早い時期に希望する全ての人にファイザーとモデルナによるワクチン接種を終えることが可能である」としているため、日本国内ではなく日本国外の治験になる可能性もある。
数千人規模の治験が可能になった背景にあるのは、厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)など、世界約30の国と地域の薬事規制当局による国際組織(ICMRA:International Coalition of Medicines Regulatory Authorities)で「非劣勢試験」という全く新しい治験方法が6月に大筋合意したことが大きい。...
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国内製薬大手「第一三共」が従来の治験とは異なる新しいやり方で年内にも国内外で「mRNAワクチン」の数千人規模の治験に乗り出す。
菅政権は「10月から11月ぐらいまでの早い時期に希望する全ての人にファイザーとモデルナによるワクチン接種を終えることが可能である」としているため、日本国内ではなく日本国外の治験になる可能性もある。
数千人規模の治験が可能になった背景にあるのは、厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)など、世界約30の国と地域の薬事規制当局による国際組織(ICMRA:International Coalition of Medicines Regulatory Authorities)で「非劣勢試験」という全く新しい治験方法が6月に大筋合意したことが大きい。
「非劣勢試験」を具体的に説明すると、プラシセボ(偽ワクチン)群と開発中のワクチンを接種して比較するという従来方式の代わりに、全員が開発中のワクチンを打ち、これによって副反応を見極めつつ、既存ワクチンと同等以上の中和抗体ができるかどうかを見ていくという治験方式である。
これまでの第三治験といえば数万人の被験者が必要で、製薬会社にとっては大きなハードルであったが、これを数千人規模でできる上、偽薬でないので倫理的な問題や無駄がないので参加者も集めやすい利点もある。
加えて、短期間で効果が測定できるのが、新方式のメリットである。
「第一三共」は承認されれば、埼玉県にある工場で「mRNAワクチン」の大量生産を行う予定である。
「mRNAワクチン」は応用が効くため、コロナだけでなく、遺伝子治療やがん領域でも「mRNA」技術開発を推進していきたいとしている。
諦めかけていた「国産mRNAワクチン」の実現に向けて日本は大きく前進した。
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台湾TSMC・日本に半導体製造拠点(7月16日)
半導体の受託生産で世界最大手の台湾・TSMCは、日本に製造拠点を設ける検討を進めていることを明らかになった。
TSMC・魏哲家CEOが決算発表の記者会見で明らかにした。
TSMCはことし日本の半導体関連メーカーと、最先端の半導体研究開発を茨城県つくば市で共同で行うことで合意した。
日本側は製造拠点の誘致にも意欲を示していた。実現をする場合、日本企業と合弁を組む可能性があり、デジタル化の進展に加え経済の安全保障の観点からも半導体の重要性が増す中、日本国内の製造能力向上につながりそうだ。
世界的に半導体不足が続くなか自動車向けの需要が旺盛なため、TSMCの4~6月の決算は四半期としては過去最高となった。
ニューフロンティア・宇宙が熱い(7月12日)
ニューフロンティアとしての宇宙に高い関心が集まっている。今後、旅行から通信、気象、軍事に至るまでありとあらゆる産業が宇宙を目指していくものと考えられる。
米国や中国、ロシアなどの国家は資源の獲得など、様々な目的をもって国の威信をかけてロケットや衛星を打ち上げ宇宙開発に乗り出していることは広く知られていることである。
しかし、最近の宇宙開発ではそれとは一線を画す新しい特徴的な動きが出始めている。...
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ニューフロンティアとしての宇宙に高い関心が集まっている。今後、旅行から通信、気象、軍事に至るまでありとあらゆる産業が宇宙を目指していくものと考えられる。
米国や中国、ロシアなどの国家は資源の獲得など、様々な目的をもって国の威信をかけてロケットや衛星を打ち上げ宇宙開発に乗り出していることは広く知られていることである。
しかし、最近の宇宙開発ではそれとは一線を画す新しい特徴的な動きが出始めている。
具体的には、ジェフベゾス(アマゾン)、イーロンマスク(スペースX)、リチャードブランソン(ヴァージンギャラクティック)のような、アグレッシブな民間企業の創業者の参入が目立っているということになる。
日本も例外でなく、インターステラテクノロジアズ・ホリエモンやZOZOの創立者・前澤友作などの民間事業者が宇宙に目を向けている。
宇宙観光に主眼を置いたリチャードブランソンは、自社開発した「スペースシップ2」による高度約85キロの有人宇宙飛行をつい先日成功させ、宇宙観光業界の第一人者として名乗りを上げた。
宇宙を舞台に宿命のライバルとして対峙しているのが、ジェフベゾスとイーロンマスクである。同じ宇宙と言ってもベゾスが目をつけているのは月であり、マスクが目をつけているのは火星でお互いに棲み分けをしている点が面白い。
ベゾスはブルーオリジンを設立し月着陸船「ブルームーン」で貨物や人員を運び、月面にコロニーを構築する夢を現実にしようと目論んでいる。
一方のマスクは「マーズオアシス」というプロジェクトで植物の種を火星に送り、火星で植物を育てるという画期的試みを展開しようとしている。その先に見据えるのは火星移住計画である。
こうした様々な冒険や新しい試みが宇宙を舞台に繰り広げられようとしており、この新しい流れは今後加速してゆくと感じられる。
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GAFAによる次のテクノロジー革命(7月10日)
全てのコンピュータを光ケーブルなどによる高速通信回線で結ぶというアルゴアの情報スーパーハイウェイ革命(1994年)から現在のグーグル、アップル、Facebook、アマゾン、いわゆるGAFAが生まれてきた。
インターネットハイウェイ革命から25年を経た今、元グーグルCEO・エリックシュミットが、AIや量子コンピューターを使って宇宙を舞台に新たな革命を米国主導で起こそうとしている。
次の10年ではAIや量子コンピューター、宇宙が世界にインパクトを与える新しいキーワードになるとシュミットはにらんでいる。...
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全てのコンピュータを光ケーブルなどによる高速通信回線で結ぶというアルゴアの情報スーパーハイウェイ革命(1994年)から現在のグーグル、アップル、Facebook、アマゾン、いわゆるGAFAが生まれてきた。
インターネットハイウェイ革命から25年を経た今、元グーグルCEO・エリックシュミットが、AIや量子コンピューターを使って宇宙を舞台に新たな革命を米国主導で起こそうとしている。
次の10年ではAIや量子コンピューター、宇宙が世界にインパクトを与える新しいキーワードになるとシュミットはにらんでいる。またスペースX社CEOのイーロンマスクや元アマゾンCEO・ジェフベゾスなど、米国のスター経営者たちも続々と宇宙分野に参入している。
マスクは宇宙に人工衛星を打ち上げるインターネット事業・スターリンクで「8月までにほぼ全世界で高速ブロードバンドを提供できる」と発表している。
シュミットの革命が成功するのかしないのか、現段階ではわからない。2014年、囲碁の世界チャンピオンをグーグルのAI「アルファゴ-」が打ち負かした時、AIのすごさを世界に知らしめたのもグーグルでもあった。この時、シュミットはグーグルの会長を務めていた。
現在、シュミットは連邦議会と大統領にAIに関する政策提言を行う立場におり、GAFAの分割については、強く反対している。
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CASEに向けて舵を切り始めた中国(7月10日)
世界の自動車産業の主導権を握るべく、中国はCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング/サービス・電動化)に向けて明確に舵を切り始めた。
中国が世界をリードする近代化強国になるためには強い製造業が不可欠であるという考えが底流に流れており、中国は世界市場に打って出るために必要な国際的に通用する規格を整備し、AI・5G・自動運転・ビッグデータ、クラウドなどの分野で着々と準備を進めている。
中国は電動化シフトを鮮明にさせており、2035年には従来の内燃機関車を全廃する方向(HVを含む)を発表し、世界の自動車産業に衝撃を与えている。...
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世界の自動車産業の主導権を握るべく、中国はCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング/サービス・電動化)に向けて明確に舵を切り始めた。
中国が世界をリードする近代化強国になるためには強い製造業が不可欠であるという考えが底流に流れており、中国は世界市場に打って出るために必要な国際的に通用する規格を整備し、AI・5G・自動運転・ビッグデータ、クラウドなどの分野で着々と準備を進めている。
中国は電動化シフトを鮮明にさせており、2035年には従来の内燃機関車を全廃する方向(HVを含む)を発表し、世界の自動車産業に衝撃を与えている。
自動車の電動化にフォーカスした場合、今後、重要になってくるのが充電インフラおよび電池であるが、中国は自分自身を世界の電池工場とすることでコストのダウンサイジングを図り、世界の電動自動車覇権を握っていきたいと考えている。
中国の工場で、これまでパナソニックの電池を使っていたテスラも、今後は中国の複数の電池メーカーから電池を調達する意向である。中国は早くも世界の電池工場としての展開を見せ始めている。
中国製電池が乗用車市場に浸透してくるのはもはや時間の問題で、安価な中国製EVが日本で走り回る日もそう遠くない未来にやってくるかも知れない。
中国のCASE革命が日本に到来するとその影響は、大きいと思われる。
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