次世代型データセンター(11月20日)
成長産業をこれから作り出していかなくてはならない状況にある日本にとっては、総花的にいろいろやっていくという態度ではなく、「選択と集中」という姿勢が求められる。
現在のデータセンターの建設ラッシュは、2023年頃までに落ち着き、その後は次世代データセンターに切り替わる形で建設ラッシュが続くものと見られている。
次世代データセンターには従来型にはない要素が求められている。それは省エネである。...
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成長産業をこれから作り出していかなくてはならない状況にある日本にとっては、総花的にいろいろやっていくという態度ではなく、「選択と集中」という姿勢が求められる。
現在のデータセンターの建設ラッシュは、2023年頃までに落ち着き、その後は次世代データセンターに切り替わる形で建設ラッシュが続くものと見られている。
次世代データセンターには従来型にはない要素が求められている。それは省エネである。微細化の急速な進展で、最先端の半導体集積回路の線幅は、最小の微細な粒子である原子のレベルに限りなく近づいており、コンピューターの性能向上が頭打ちとなった結果、計算量当たりの電力消費量も下げ止まっている。
その一方で、5GやIoT、AI、暗号資産などの普及によりデータ量は莫大なものとなる。例えば世界のデータ量は2018年比で2025年には5.3倍に増えると見込まれている。次世代データセンターに課せられた至上命題は省エネということになる。
デジタル化の進展に伴い、今後爆発的に伸びていくことが予測される次世代データセンターだが、経済産業省は2030年までにデータセンター全体で40%以上の電力削減を目指している。必要とされる省電力タイプのパワー半導体は日本が得意とする半導体である。
特に省エネにつながる最先端の光通信技術(光電融合)において実証実験を積み重ねてきたNTTの技術は折り紙つきである。
NTTは電子によるデータの処理と「光」による通信伝送をそれぞれ担う機能を接合させることによって、消費電力を従来に比べ、桁違いに効率化させ、データ処理の超高速化への道を開く「光電融合」と呼ばれる技術を確立させた。
2030年には実用化されると言われている。日本は2030年を念頭に選択と集中で道を切り開いていくべきである。
日本の未来にやや光が見えてきたといえそうである。
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農業・畜産業における次世代技術(11月20日)
地球温暖化による悪影響を抑え、影響を受けずに進めようと農業・畜産業・外食産業に新しい技術が導入され、劇的な変化を見せつつある。
今やCO2に次ぐ温室効果ガスの代名詞となったメタンガスだが、牛のゲップ等に含まれるこうしたメタンガスを、いかに抑制していくかが地球温暖化防止のための大きな課題とされている。
解決策としてはメタンを減らす餌の開発、メタンを減らす胃の微生物開発、牛の品種改良などの技術などが考えられるが、カナダの研究所では米英豪、デンマーク、スイスの研究所と協力しながら、メタンガスを排出しない牛の遺伝子を活用し、メタンガスを排出しない「環境保護牛」の品種をつくり出そうとしている。...
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地球温暖化による悪影響を抑え、影響を受けずに進めようと農業・畜産業・外食産業に新しい技術が導入され、劇的な変化を見せつつある。
今やCO2に次ぐ温室効果ガスの代名詞となったメタンガスだが、牛のゲップ等に含まれるこうしたメタンガスを、いかに抑制していくかが地球温暖化防止のための大きな課題とされている。
解決策としてはメタンを減らす餌の開発、メタンを減らす胃の微生物開発、牛の品種改良などの技術などが考えられるが、カナダの研究所では米英豪、デンマーク、スイスの研究所と協力しながら、メタンガスを排出しない牛の遺伝子を活用し、メタンガスを排出しない「環境保護牛」の品種をつくり出そうとしている。
一方、牛ではなく高タンパク質で肉のような食感、ジューシーさを大豆など植物性原料で再現した代替肉の生産を増やすことによって、牛の消費量を抑えていこうという動きも出ている。マクドナルドなどでは代替肉バーガーが既に一部地域で実験的に販売され、好評を得ている。現時点では割高であるが、市場が拡大するにつれて価格は下がり2024年までに少なくとも肉と同等の値段、あるいはそれより安くなると予測されている。
さらに、農業分野ではそもそも農地の生産力を維持・増進させるために行われてきた有機物管理法が地球温暖化防止の切り札として注目されている。農地に投入する有機物の量を増やすと土壌中の炭素が増え、その分のCO2の排出量を減らすという効果の研究が進められている。
温暖化は天候不順を引き起こし、農業に壊滅的打撃を与える可能性があることも指摘されているが、JAXAは農業と宇宙というあまり関係のなさそうな分野を繋げ、環境監視衛星を利用しつつ、気象を広域かつタイムリーに把握し、国家レベルの広大なスケールで作況を判断できるようにしようという試みを行っている。
天候に依存せず農作物を安定的に供給できるようにしようという野菜工場にも注目が集まっている。ソフトバンクビジョンファンドはAIで制御された野菜工場を開発するスタートアップに巨額の支援を行っている。今後もこうした新しい技術に着目していきたい。
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サーモスフィア(熱圏)の戦い(10月30日)
新たなニューフロンティアであるサーモスフィアへの参入は事業リスクやコストが高いものの、未来がまだ不確定な分野であり、斬新なアイデアが反映される余地が多くあり、やり方によっては一気に市場を席捲してしまうことも夢ではない。
例えば数年前まで宇宙ロケットによる宇宙観光や宇宙ホテル、宇宙放送局などができるなどとは誰も予測しなかった。まだまだこれから世界を驚かせるようなアイデアが宇宙で形になっていくのかもしれない。...
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新たなニューフロンティアであるサーモスフィアへの参入は事業リスクやコストが高いものの、未来がまだ不確定な分野であり、斬新なアイデアが反映される余地が多くあり、やり方によっては一気に市場を席捲してしまうことも夢ではない。
例えば数年前まで宇宙ロケットによる宇宙観光や宇宙ホテル、宇宙放送局などができるなどとは誰も予測しなかった。まだまだこれから世界を驚かせるようなアイデアが宇宙で形になっていくのかもしれない。
サーモスフィアビジネスが実現し始めた背景には、スペースXやブルーオリジンのような新興メガ企業が莫大な資金力にものを言わせ、サーモスフィアに参入し投資を行い、さらに他の企業との差を広げ、ますます勢力を伸ばしてきていることがある。
彼らはある意味では、他の企業には太刀打ちできない巨額マネーとノウハウで差をみせつけ、参入障壁を作り、先行者利益をもとにサーモスフィアにおけるルール作りを主導していこうとしているかのように見える。
政府とともに宇宙開発に携わり、大型の衛星やロケット開発・製造、国際宇宙ステーションの整備や保守など宇宙インフラを手がけてきたのは、日本で言えば例えば三菱重工やJAXAなどの国家の影響が強い集団である。
米国では、この分野にも彼ら新興メガ企業が参入してきた。例えばNASAはスペースXの宇宙船を使い宇宙飛行士をISSに送ったことを皮切りに月面着陸船の開発にスペースXを指名するなど、宇宙インフラ分野に新しい風を巻き起こし始めている。彼らがサーモスフィアを全く新しいものに作りかえてしまう可能性も出てきている。
従来型企業と新興メガ企業はしばらくの間は共存共栄するが、この先、競争し淘汰が始まる可能性もある。まさしくサーモスフィア(熱圏)の戦いとなってゆく可能性も出てきた。
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極超音速兵器の脅威(10月30日)
世界の軍事バランスを劇変させる可能性があり、「ゲームチェンジャー」と言われているのが極超音速兵器である。
英紙・フィナンシャルタイムズは「中国が、8月に地球の低軌道を1周し目標に向けて、滑空する極超音速兵器の実験に成功した」と報じたが、この報道を受けて米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は「スプートニック以来のショック」と述べるなど、衝撃を隠せなかった。
この報道が事実とすれば、通常の弾道ミサイルとは異なり、警戒レーダーを回避しながら北からだけでなく、東からも西からも南からも極超音速のスピードで米国を狙うことが可能になるほか、世界中が射程範囲に収まることになる。...
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世界の軍事バランスを劇変させる可能性があり、「ゲームチェンジャー」と言われているのが極超音速兵器である。
英紙・フィナンシャルタイムズは「中国が、8月に地球の低軌道を1周し目標に向けて、滑空する極超音速兵器の実験に成功した」と報じたが、この報道を受けて米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は「スプートニック以来のショック」と述べるなど、衝撃を隠せなかった。
この報道が事実とすれば、通常の弾道ミサイルとは異なり、警戒レーダーを回避しながら北からだけでなく、東からも西からも南からも極超音速のスピードで米国を狙うことが可能になるほか、世界中が射程範囲に収まることになる。
長距離飛行を可能にしているのは部分軌道爆撃システムが搭載されているからで、この技術は米国の開発したミサイル防衛システムを根本的に無力化させるものであり、恐るべきことに核弾頭が搭載可能であるということである。
米国および日本を含む同盟国はこれまでのデフェンスを根本から見直さなくてはならなくなる悪夢の事態となる。まさに極超音速兵器は「ゲームチェンジャー」といって過言ではない。
もともと、極超音速兵器が核にとって代わるとの認識を持って極超音速兵器に一番初めに手をつけたのは米国・オバマ大統領であった。今や米国は極超音速兵器に関しては周回遅れとなり、最近行われた、米国の極超音速滑空体の発射体テストも失敗したと言われている。
日本が極超音速兵器にどのように対処しようとしているのかについては非常に気になるが、防衛省は水上艦艇から極超音速兵器を探知・追尾するためのレーダー技術を開発中とのことである。さらに、宇宙の低軌道に多数の小型人工衛星を配置する衛星コンステレーションシステムの構築を目指しているとの話も聞こえてくる。
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米国・培養肉・量産化へ・連携呼びかけ(10月24日)
米国で牛や魚から採取した細胞で作る培養肉をテーマにしたシンポジウムが開かれ、量産化に向けて業界の連携が呼びかけられた。
培養肉は牛や魚から採取した細胞を、たんぱく質やアミノ酸などの栄養分が入った特殊な液に浸し、培養して作る。通常の牛肉などと比べて、温室効果ガスの排出が少ないとされることから環境面でも注目が高まっていて、2030年には市場規模が1兆4000億円を超えるという予測もある。
米国・サンフランシスコで22日から始まったシンポジウムには、培養肉の開発に携わる企業や専門家などが参加し、培養肉を作る技術は、ここ数年で格段に進んだものの量産化が課題になっていると報告された。...
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米国で牛や魚から採取した細胞で作る培養肉をテーマにしたシンポジウムが開かれ、量産化に向けて業界の連携が呼びかけられた。
培養肉は牛や魚から採取した細胞を、たんぱく質やアミノ酸などの栄養分が入った特殊な液に浸し、培養して作る。通常の牛肉などと比べて、温室効果ガスの排出が少ないとされることから環境面でも注目が高まっていて、2030年には市場規模が1兆4000億円を超えるという予測もある。
米国・サンフランシスコで22日から始まったシンポジウムには、培養肉の開発に携わる企業や専門家などが参加し、培養肉を作る技術は、ここ数年で格段に進んだものの量産化が課題になっていると報告された。
そして、量産化に欠かせないより早く安定的に細胞を増やすための技術の確立に向けて業界の連携が呼びかけられた。
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