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米「3度目の会談の扉は開いている」(3月12日)
10日付「ガーディアン」紙は、ボルトン大統領補佐官が「北朝鮮との間で交渉はしていないが、トランプ大統領は『3度目の会談の扉は開いている』と言っている」と述べたことを報じた。
一方で北朝鮮がミサイル試射の準備をしている兆候があることに、トランプ大統領が「失望した」と語ったことも報じている。
非核化についていえば、にボルトン補佐官は、「北朝鮮は1992年以来少なくとも5回非核化を約束してきたが、何一つ実行してこなかった」「問題は前政権が、北朝鮮が義務を履行しなければならないときに、何もしなかったことだ」とも述べているが、「金正恩は大統領が何を成し遂げたいのかをはっきりわかっていると思う」とも付け加えている。...
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10日付「ガーディアン」紙は、ボルトン大統領補佐官が「北朝鮮との間で交渉はしていないが、トランプ大統領は『3度目の会談の扉は開いている』と言っている」と述べたことを報じた。
一方で北朝鮮がミサイル試射の準備をしている兆候があることに、トランプ大統領が「失望した」と語ったことも報じている。
非核化についていえば、にボルトン補佐官は、「北朝鮮は1992年以来少なくとも5回非核化を約束してきたが、何一つ実行してこなかった」「問題は前政権が、北朝鮮が義務を履行しなければならないときに、何もしなかったことだ」とも述べているが、「金正恩は大統領が何を成し遂げたいのかをはっきりわかっていると思う」とも付け加えている。
ボルトン補佐官は他のインタビューでベトナム会談は失敗ではなく、米国の安全保障上の問題だった、とも述べている。北朝鮮がミサイル発射実験を再開してしまえば、3度目の会談は難しいことになる。
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北朝鮮で最高人民会議代議員選挙(3月11日)
10日、北朝鮮で第14期最高人民会議代議員選挙が行われた。この代議員選挙は5年に1回行われるもので、金正恩体制になってからは2回目となる。最高人民会議は北朝鮮の最高の権力機関であり、憲法の修正や国防委員長の選挙、常任委員会委員長や委員の選挙、内閣総理大臣の任命や内閣の監督を行うものである。
10日の「労働新聞」では、「(この選挙は)チュチェ革命事業の勝利の前進ための重要な契機となる」「千万の試練が重なっても元帥様(金正恩委員長のこと)さえいらっしゃれば勝利するとの信念で選挙に参加しなければならない」と述べている。...
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10日、北朝鮮で第14期最高人民会議代議員選挙が行われた。この代議員選挙は5年に1回行われるもので、金正恩体制になってからは2回目となる。最高人民会議は北朝鮮の最高の権力機関であり、憲法の修正や国防委員長の選挙、常任委員会委員長や委員の選挙、内閣総理大臣の任命や内閣の監督を行うものである。
10日の「労働新聞」では、「(この選挙は)チュチェ革命事業の勝利の前進ための重要な契機となる」「千万の試練が重なっても元帥様(金正恩委員長のこと)さえいらっしゃれば勝利するとの信念で選挙に参加しなければならない」と述べている。米朝首脳会談の決裂によって経済制裁の解除が遠のき、体制への信任が揺らいでいるなかで、選挙および来月開催される最高人民会議で体制固めを図る狙いと思われる。
ただしこの選挙で本当の意味で民意がわかるものではない。投票率は(海外に行っている者を除けば)100%、信任率も100%であり、棄権も反対票も投じることができないシステムだからである。
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北朝鮮:自力更生を強調(3月10日)
米朝首脳会談の決裂によって、経済制裁の解除を当分見込めなくなった北朝鮮は、再び自力更生を強調し、外部依存は隷属の道であることを強調するようになった。
8日付北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」は署名入りで「民族自尊は朝鮮の生命」であることを強調する論説を発表した。同日付の朝鮮中央通信が伝えたもの。
このなかで、「国と民族の尊厳と栄誉を輝かすための決定的要因は決して物質的土台や天然資源にあるのではなく、民族自尊の精神にある」とし、さらに「自力更生の旗印を高く掲げて進むところに民族の尊厳と栄誉を輝かし」「外部勢力への依存が隷属の道、亡国の道であるなら、民族自尊は国の強盛・繁栄を成し遂げていく近道である」ことを強調している。...
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米朝首脳会談の決裂によって、経済制裁の解除を当分見込めなくなった北朝鮮は、再び自力更生を強調し、外部依存は隷属の道であることを強調するようになった。
8日付北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」は署名入りで「民族自尊は朝鮮の生命」であることを強調する論説を発表した。同日付の朝鮮中央通信が伝えたもの。
このなかで、「国と民族の尊厳と栄誉を輝かすための決定的要因は決して物質的土台や天然資源にあるのではなく、民族自尊の精神にある」とし、さらに「自力更生の旗印を高く掲げて進むところに民族の尊厳と栄誉を輝かし」「外部勢力への依存が隷属の道、亡国の道であるなら、民族自尊は国の強盛・繁栄を成し遂げていく近道である」ことを強調している。
開城工業団地や金剛山観光の再開を手始めに、ひろく観光特区や経済特区によって経済の再建を図ろうとしていたことがかなわず、北朝鮮は自力更生を強調せざるを得なくなったわけだが、「交渉に失敗したわけではなく、自ら選び取ったのだ」という強がりを言わざるを得ない状況になったことになる。
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苦境に立たされている金委員長(3月9日)
(北朝鮮は再び瀬戸際外交に戻るのか?)
「ハノイでの朝米首脳会談は成功裡に終わった」とこれまで大本営発表してきた北朝鮮メディアだったが、ここにきてようやく米国と合意なしに終わった事実を公表した。国民の間で広がる疑念の目に対し、もはや隠しきれないと北朝鮮当局が判断したものとみられる。北朝鮮・労働新聞は「内外は合意文なしに終わったことを米国の責任だと主張し、嘆息を禁じ得ないでいる」「日本の反動層だけは嬉しいニュースに接したかのように憎々し気に拍手喝采している」と米国や日本を間接的、直接的に批判しつつも、トランプ大統領個人への批判だけは周到に避け、今後の米朝首脳会談に影響が出ないようにする配慮もうかがえる。...
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(北朝鮮は再び瀬戸際外交に戻るのか?)
「ハノイでの朝米首脳会談は成功裡に終わった」とこれまで大本営発表してきた北朝鮮メディアだったが、ここにきてようやく米国と合意なしに終わった事実を公表した。国民の間で広がる疑念の目に対し、もはや隠しきれないと北朝鮮当局が判断したものとみられる。北朝鮮・労働新聞は「内外は合意文なしに終わったことを米国の責任だと主張し、嘆息を禁じ得ないでいる」「日本の反動層だけは嬉しいニュースに接したかのように憎々し気に拍手喝采している」と米国や日本を間接的、直接的に批判しつつも、トランプ大統領個人への批判だけは周到に避け、今後の米朝首脳会談に影響が出ないようにする配慮もうかがえる。こうした中、国連の北朝鮮制裁委員会は報告書で北朝鮮が弾道ミサイルの開発や実験を民間の工場や空港などで続けていることを明らかにした。また、米国戦略国際問題研究所(CSIS)は「北朝鮮北西部トンチャンリでのミサイル実験場の再建作業が引き続き行われている」と発表し、米国の北朝鮮監視機関・38ノースもミサイル施設の衛星画像を発表するなど、北朝鮮が再び瀬戸際外交に戻る兆候を北朝鮮監視機関がキャッチしている。トランプ大統領はハノイの首脳会談の席で「我々はインチ単位で北朝鮮のことは分かっている」と発言しており、こうした事実を知りながらあえてミサイル台の工事をやる金委員長の意図は定かでないが、様々な憶測を呼んでいることだけは確かである。
(苦境に立たされている金委員長・不満募らせる朝鮮人民軍)
北朝鮮が瀬戸際外交に戻る可能性がある理由の一つとして並進路線を放棄し、経済政策を優先させてきた金委員長に対し朝鮮人民軍が不満を募らせていることがある。今回の米朝首脳会談で結果が出せなかった金委員長に対しその不満は増々強まっており、もはや統制が利かなくなってきつつあるという指摘もある。朝鮮人民軍にクーデターを起こされないために、金委員長はある程度軍の意向に沿った国家運営をしていかざるを得ない状況が生じている可能性がある。今回の会談の失敗を受けて粛清の動きがあるといわれているが、この動きを注視していくことが今後の北朝鮮の動きを読むためのカギとなりそうだ。
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米朝の対話継続の真意はどこに(3月9日)
首脳会談が終わって1週間以上が経過した3月8日の朝鮮労働党の機関紙はようやく「会談の成功を願っていた国内外は合意なしに終わったことを意外とし、米国に責任があると一様に主張している」と会談の決裂を米国に非があるとして報道した。
決裂に終わった第2回の米朝首脳会談であるが、果たして第3回はあり得るのか。3月1日未明の記者会見で北朝鮮の崔善姫外務次官は、金正恩委員長が会談を継続する意思がなくなったことをほのめかしていたが、経済制裁の解除を切望している北朝鮮は会談を継続させるしかなくなっている。...
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首脳会談が終わって1週間以上が経過した3月8日の朝鮮労働党の機関紙はようやく「会談の成功を願っていた国内外は合意なしに終わったことを意外とし、米国に責任があると一様に主張している」と会談の決裂を米国に非があるとして報道した。
決裂に終わった第2回の米朝首脳会談であるが、果たして第3回はあり得るのか。3月1日未明の記者会見で北朝鮮の崔善姫外務次官は、金正恩委員長が会談を継続する意思がなくなったことをほのめかしていたが、経済制裁の解除を切望している北朝鮮は会談を継続させるしかなくなっている。
一方米国のボルトン大統領補佐官は、7日に「トランプ大統領は北朝鮮と会談を継続できるものと考えており、次の『ビッグ・ディール』の準備を引き続き行っている。北朝鮮は完全な非核化によって「明るい未来」を得ることができる」と語った。また国務省の副報道官も同日「米国は北朝鮮との建設的な交渉の準備を進めている」と語っている。また政府のある高官は「ワシントンはなるべく早い米朝対話を望んでおり、北朝鮮の完全な非核化はトランプ大統領の現在の任期中になされるだろう」と語った。
一方米国の「38ノース」は北朝鮮でミサイル発射場が復活していると報じ、それに対しトランプ大統領は「非常に失望した」と述べている。
また韓国が未だ開城工業団地と金剛山観光の再開を望んでいることに対し、米国はにべもなく拒否している、米国にしてみれば、経済制裁の継続こそが北朝鮮の非核化につながることが、はっきりしたわけであるから当然のことである。
さらに国連制裁委員会の報告書によれば、北朝鮮は送金システムの不備をついて、あるいは仮想通貨に対して、サイバー攻撃をしかけ、10億㌦近い外貨を獲得しようとしたことを明らかにしている。制裁委の報告書は2018年までの北朝鮮の活動に対するものであるが、北朝鮮が対話の一方で、制裁の隙をつき、あるいは制裁の緩みを狙っていることが明らかになった。中露もこの報告書の発表を支持したわけであるから、国連のなかで制裁の緩みを締めなおそうとする気運があるのだろう。
6-8日、北朝鮮の朝鮮中央テレビは、第二次米朝首脳会談の様子を放映した。そこでは「両国の関係は困難や曲折に見舞われても、相互が手を携えて、知恵と忍耐を発揮し、共に困難を乗り越え、両国の人民の希望である朝米関係の発展させることができると信じている」と述べている。
北朝鮮も強硬路線をちらつかせながらも、対話を望んでいることを示しているようにみえる。米朝両国とも硬軟あいまぜながら、相手側の譲歩をより勝ち取ろうとしている。
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