米朝首脳会談の着地点はどこか(2月17日)
第二次米朝首脳会談まで10日を残すのみとなり、16日には北朝鮮の儀典担当者である、金昌善国務委員会部長をはじめ12名がベトナム入りした。米国からも儀典チームが到着し、首脳会談の準備が進められることになる。一方で、米国のシンクタンク戦略国際問題研究所は、北朝鮮が公表していない中距離弾道ミサイル基地があると発表した。北朝鮮の脅威は去っていない。
首脳会談の直前である今週、再び米朝の実務者協議が開催されることになっている。...
全部読む
第二次米朝首脳会談まで10日を残すのみとなり、16日には北朝鮮の儀典担当者である、金昌善国務委員会部長をはじめ12名がベトナム入りした。米国からも儀典チームが到着し、首脳会談の準備が進められることになる。一方で、米国のシンクタンク戦略国際問題研究所は、北朝鮮が公表していない中距離弾道ミサイル基地があると発表した。北朝鮮の脅威は去っていない。
首脳会談の直前である今週、再び米朝の実務者協議が開催されることになっている。膠着状態に陥っていた米朝間で、非核化の進展はあり得るのか。北朝鮮が望んでいる経済制裁の緩和や朝鮮戦争の終戦宣言はは出されるのか。
米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は、北朝鮮が言及していた寧辺の核施設への査察に加えて、秘密施設の公開という追加措置を求めたという。これに北朝鮮が応じたとしても、秘密施設であるために、北朝鮮が総て遺漏なく申告したかがわからないという点が問題である。経済制裁の緩和については、人道支援が増加するということになるのか、南北経済交流を特例措置として認めるのか、ということになろう。ただし韓国の北朝鮮に対する経済協力が進展することに対しては米国内には警戒感が強い。今月11日には共和党、民主党の共に米国の外交政策に影響力を持つ議員がそろってポンペオ国務長官に対し、書簡を提出した。書簡の中では「韓国政府が性急に北朝鮮制裁の緩和に乗り出した場合、韓国の銀行や企業が制裁対象になる可能性がある」という趣旨が述べられており、そこでは韓国の文在寅大統領や康京和外相も米国の制裁関連の法律に違反している可能性も言及しているという。米国内にも文在寅大統領のいわゆる「前のめり」の姿勢への警戒感は強い。
米朝首脳会談の着地点がみえない状況であるが、ロイターは金正恩委員長が25日にハノイ入りすると伝えている。国賓としてのベトナム訪問となる見込みである。
閉じる
北朝鮮、敵対国家とも友好関係発展を(2月16日)
15日、北朝鮮の「労働新聞」は署名記事で、「朝鮮は中国やキューバのような伝統的に友好関係のある国家を重視するとともに、平等自主・相互尊重の原則のもとで、朝鮮を敵視していた国家も含めて、友好協力関係を発展させ、共に新しい歴史を作ってくことを願っている」という趣旨の記事を掲載している。
記事では、もし朝鮮の主権を尊重し、友好的であるならば、思想や制度に違いがあっても、関係を発展させることはでき、過去には朝鮮を敵視していた国家も含めて、関係を改善し、友好協力関係を願うのであれば、共に新しい歴史を築くことができるとしている。...
全部読む
15日、北朝鮮の「労働新聞」は署名記事で、「朝鮮は中国やキューバのような伝統的に友好関係のある国家を重視するとともに、平等自主・相互尊重の原則のもとで、朝鮮を敵視していた国家も含めて、友好協力関係を発展させ、共に新しい歴史を作ってくことを願っている」という趣旨の記事を掲載している。
記事では、もし朝鮮の主権を尊重し、友好的であるならば、思想や制度に違いがあっても、関係を発展させることはでき、過去には朝鮮を敵視していた国家も含めて、関係を改善し、友好協力関係を願うのであれば、共に新しい歴史を築くことができるとしている。
さらに新年早々金正恩同志が中国を訪問したことは、朝鮮の党と政府が社会主義国家同士の友好関係を重視していることを反映していると解説、また昨年金正恩同志が3回も中国を訪問し、キューバの代表団が朝鮮を訪問は社会主義国家間の戦略的交流と伝統的友好合作関係を強化する特大の出来事であった、としている。
社会主義国家間の伝統的な友好関係を強調している一方で、来るべき米朝首脳会談を前に、敵対している米国とも友好関係を築けるのだということを国内的に周知しようとしているようにも見える。
閉じる
米投資家を北朝鮮が招待?本人は否定(2月16日)
韓国の一部メディアは12日、米国の有名な投資家、ジム・ロジャーズ氏が金正恩委員長の招待で、3月に北朝鮮を訪問するとし、米国政府もすでに同氏の訪朝を許可していると報道した。『環球時報』の記者が同報道を受けて、14日に同氏にインタビューしたところ、同氏は「報道については聞いているが、このことについて私は一切知らない」と報道内容を否定した。
今回は招待状を受け取っていないとしても、ロジャーズ氏はかつて北朝鮮を訪問したこともあり、北朝鮮の投資環境について知っている人物である。...
全部読む
韓国の一部メディアは12日、米国の有名な投資家、ジム・ロジャーズ氏が金正恩委員長の招待で、3月に北朝鮮を訪問するとし、米国政府もすでに同氏の訪朝を許可していると報道した。『環球時報』の記者が同報道を受けて、14日に同氏にインタビューしたところ、同氏は「報道については聞いているが、このことについて私は一切知らない」と報道内容を否定した。
今回は招待状を受け取っていないとしても、ロジャーズ氏はかつて北朝鮮を訪問したこともあり、北朝鮮の投資環境について知っている人物である。同氏は「北朝鮮への投資は、悪い話ではないが、自分は米国人であり、北朝鮮へ投資することは不可能だ。中国人が投資をするほうが、都合が良い。」と語った。
北朝鮮への投資にはまだ大きなリスクがあるのは確かである。ロジャーズ氏は投資一般について「投資項目やそのバックグラウンドをきちんと調査すれば、リスクは大きくはならない」と語った。ロジャーズ氏は中国の株式市場での外国人投資家の第一人者であり、1990年代、上海証券取引所が創設された当初から、同氏は中国の株式を大量に購入しており、中国の株式への投資は今も続いている。
閉じる
ベトナム外相訪朝(2月13日)
今月末のベトナムでの米朝首脳会談を前に、ベトナムのファム・ビン・ミン外相が、北朝鮮の李容浩外相の招きで、2月12-14日に北朝鮮を訪問する。金正恩委員長の国賓待遇でのベトナム訪問があり得るのかもしれない。
第二次米朝首脳会談のベトナムでの開催については、金正恩委員長の専用機の飛行可能距離の関係や、かつて戦争状態にあった米国との関係改善によってベトナム経済が発展していることを北朝鮮に示すためともいわれている。...
全部読む
今月末のベトナムでの米朝首脳会談を前に、ベトナムのファム・ビン・ミン外相が、北朝鮮の李容浩外相の招きで、2月12-14日に北朝鮮を訪問する。金正恩委員長の国賓待遇でのベトナム訪問があり得るのかもしれない。
第二次米朝首脳会談のベトナムでの開催については、金正恩委員長の専用機の飛行可能距離の関係や、かつて戦争状態にあった米国との関係改善によってベトナム経済が発展していることを北朝鮮に示すためともいわれている。また米朝双方の相互信頼関係がまだ堅固ではないことから、どちらかの国で行うことは難しく、第三国での開催になったものとの見方もある。
ただしベトナムと北朝鮮の関係は、2年前の金正男暗殺事件の際、北朝鮮の工作員がベトナム人女性を実行犯に仕立てたのではないかということもあり、悪化していた。ようやく2018年11月29日~12月2日に李容浩外相がベトナムを訪問することができ、グエン・スアン・フック総理と会談し、ファム・ビン・ミン外相と意見交換をするまでになった。グエン総理との会談では、ベトナムの改革モデルであるドイモイ政策に関し、意見交換をしたといわれている。この関係修復をもとにベトナムは首脳会談の場所を提供することになったわけである。
閉じる
第二次米朝首脳会談は転機をもたらすか(2月12日)
今月末にハノイで開催される米朝首脳会談まで2週間に迫った。平壌で実務者協議を行っていた米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は、「難題が残っている」と語っていた。首脳会談のための実務者協議は、17日からの週にアジアのどこかで更なる協議を行う予定である。
それにもかかわらず、韓国のなかでは楽観的な見方がでている。例えば11日の「東亜日報」では、実務者協議で米朝双方は非核化について意見を交換しており、北朝鮮は実質的な内容を持った案を検討しているという。...
全部読む
今月末にハノイで開催される米朝首脳会談まで2週間に迫った。平壌で実務者協議を行っていた米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は、「難題が残っている」と語っていた。首脳会談のための実務者協議は、17日からの週にアジアのどこかで更なる協議を行う予定である。
それにもかかわらず、韓国のなかでは楽観的な見方がでている。例えば11日の「東亜日報」では、実務者協議で米朝双方は非核化について意見を交換しており、北朝鮮は実質的な内容を持った案を検討しているという。両国は「終戦宣言」と「一部の核施設の申告」をとりいれた「ハノイ宣言」を出すのではないかとの観測記事である。
青瓦台の金宜謙報道官は10日、米朝双方は非核化の実現にむけてコンセンサスができており、「スモール・ディール」ではないとみていると述べた。「スモール・ディール」について「ソウル経済新聞」は北朝鮮が東倉里と豊渓里の核実験場を廃棄し、国際査察を受け入れ、さらに寧辺の核施設を廃棄し、米国が「終戦宣言」に署名し、平壌に連絡事務所を設立し、人道援助を行うというものだと見ている。さらに「ビッグ・ディール」は「スモール・ディール」に付け加えて北朝鮮がこれまで隠してきた全部のウランやその濃縮設備や核のリストを申告し、大陸間弾道ミサイルを廃棄するというもの。これに対し米国は開城工業団地や金剛山観光を認めるのではないかとみている。
一方11日のロイターは第二次米朝首脳会談を前に、12-14日にベトナムのファン・ビン・ミン外務大臣が北朝鮮を訪問すると伝えている。
閉じる
「北朝鮮を追う」内の検索