米朝首脳会談への反応(1月20日)
2月末に第二次米朝首脳会談が開催されることが米国より発表された。
それに対し韓国青瓦台の金宜謙報道官は、歓迎する意を述べるとともに、今回の会談が朝鮮半島の恒久平和メカニズムを構築するための転換点になるだろうと述べた。さらに韓米が密接に協力して「完全な非核化」を実現するとともに、金正恩委員長の韓国訪問も行われるのではないか、と述べている。
現在韓米間では、在韓米軍の問題や韓国の北朝鮮への宥和的な姿勢に対し、亀裂が生まれていて、密接な協力もできない状況である。...
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2月末に第二次米朝首脳会談が開催されることが米国より発表された。
それに対し韓国青瓦台の金宜謙報道官は、歓迎する意を述べるとともに、今回の会談が朝鮮半島の恒久平和メカニズムを構築するための転換点になるだろうと述べた。さらに韓米が密接に協力して「完全な非核化」を実現するとともに、金正恩委員長の韓国訪問も行われるのではないか、と述べている。
現在韓米間では、在韓米軍の問題や韓国の北朝鮮への宥和的な姿勢に対し、亀裂が生まれていて、密接な協力もできない状況である。第一回の米朝首脳会談のときのような仲介者になり得ない韓国であるが、今後韓米間の亀裂を修復し、北朝鮮に対して共同歩調をとれるのかも注目される。
一方国連のグテーレス事務総長は、米朝会談によって朝鮮半島非核化の明確なロードマップが描かれることを望むとし、北朝鮮への経済制裁が緩和される可能性があるのかとの質問に対し、米朝双方の明確な判断がなされる前にその他の措置について予測することはできないとしながらも、制裁の緩和についての判断では最終的には連携せざるを得ないだろう、との見方を示した。さらに人道的援助は政治的影響を受けるものではないと強調している。
一方で中国は米朝首脳会談があるとの事実関係を報道しただけで、米国を刺激しないように気をつかっているのか、外交部等のコメントは今のところ発表されていない。定例の記者会見を待つしかなそうである。
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米朝首脳会談2月末に開催(1月19日)
米ホワイトハウスは18日、第二次米朝首脳会談を2月末に開催すると発表した。会談場所については後日発表するという。
サンダース報道官によると、18日午後、北朝鮮の金英哲党副委員長がホワイトハウスを訪問し、トランプ大統領と90分ほど会談した。2月末ということで詳細な日時や場所が合意に至らなかったのは、非核化のプロセスや北朝鮮の体制保証などで米朝間にまだ大きな隔たりがあるためかもしれない。
第二次米朝首脳会談で何がどこまで決まるかについては、楽観的になれる材料は現段階では少ない。...
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米ホワイトハウスは18日、第二次米朝首脳会談を2月末に開催すると発表した。会談場所については後日発表するという。
サンダース報道官によると、18日午後、北朝鮮の金英哲党副委員長がホワイトハウスを訪問し、トランプ大統領と90分ほど会談した。2月末ということで詳細な日時や場所が合意に至らなかったのは、非核化のプロセスや北朝鮮の体制保証などで米朝間にまだ大きな隔たりがあるためかもしれない。
第二次米朝首脳会談で何がどこまで決まるかについては、楽観的になれる材料は現段階では少ない。北朝鮮の「核の凍結」「大陸間弾道ミサイルの撤廃」という妥協で終わる可能性もある。さらには昨年6月の米朝首脳会談の後の記者会見でトランプ大統領が「費用がかかるから」として米韓合同軍事演習の中止を発表したが、今回は米韓間で費用の分担でもめている在韓米軍の一部撤退の発表というサプライズすらあるかもしれない。
なお19日に韓国の青瓦台の金宜謙報道官は会談決定のニュースを受け「朝鮮半島の恒久的な平和を確固たるものにする転換点になると期待する」として歓迎の意を示している。
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2度目の米朝首脳会談が2月末頃に開催決定(1月19日)
(2度目の米朝首脳会談が2月末頃に開催決定)
北朝鮮・キムヨンチョル党副委員長が訪米しトランプ大統領やポンぺオ国務長官と矢継ぎ早に会談を行った。そのすぐ後、ホワイトハウスは「2度目の米朝首脳会談は2月末頃に開催される」と発表した。場所は後日明らかにするとしているが、ベトナム・ホーチミン、ダナン、ハノイなどが有力候補として浮上している。2度目の会談での焦点は北朝鮮が求める経済制裁の緩和であり、ホワイトハウスは完全な非核化が実現するまでは北朝鮮に対する制裁を続けていくと明言しているものの、北朝鮮が非核化の具体的措置を本当に行うのか、未だにその道筋は見えておらず、開催ありきの首脳会談になってしまう恐れもある。...
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(2度目の米朝首脳会談が2月末頃に開催決定)
北朝鮮・キムヨンチョル党副委員長が訪米しトランプ大統領やポンぺオ国務長官と矢継ぎ早に会談を行った。そのすぐ後、ホワイトハウスは「2度目の米朝首脳会談は2月末頃に開催される」と発表した。場所は後日明らかにするとしているが、ベトナム・ホーチミン、ダナン、ハノイなどが有力候補として浮上している。2度目の会談での焦点は北朝鮮が求める経済制裁の緩和であり、ホワイトハウスは完全な非核化が実現するまでは北朝鮮に対する制裁を続けていくと明言しているものの、北朝鮮が非核化の具体的措置を本当に行うのか、未だにその道筋は見えておらず、開催ありきの首脳会談になってしまう恐れもある。ただトランプ大統領は政府機関の閉鎖で国民の不満が高まる中、外交で成果を出したいという思惑もあり、米朝首脳会談に前のめりになっているとも言われている。一部ではトランプ大統領が米国にまで届くような大陸間弾道弾だけはなんとかやめさせることで妥協するのではないかと指摘する専門家もいる。こうした状況の中、日本政府は北朝鮮に対する圧力路線をいささかも緩めていない。昨年11月、国連安全保障理事会に、北朝鮮が洋上で物資を積み替える「瀬取り」を続けている疑いがあるとに通報しており、今後、安保理では制裁決議違反にあたるかどうかの協議が行われる可能性もある。
(積極外交の北朝鮮・その裏側にある真の意図)
米国が政府機関閉鎖問題で身動きがとれない中、積極的に外交を展開している北朝鮮の動きが不気味である。韓国との融和路線を突き進める一方で、自らの誕生日である1月8日に金委員長は北京を訪問し中国への忠誠心を見せることで習近平国家主席からのバックアップを取り付けた。金委員長はキムヨンチョル党副委員長に親書を持たせ訪米させるなど、2回目の米朝首脳会談に向けても着々と駒を進めている。そんな中で唯一、制裁の継続を主張し、拉致問題でも北朝鮮を追及し続けている日本に対しては否定的なメッセージを発信している。北朝鮮・労働新聞は日本人拉致問題はすでに解決済みとした上で、「20世紀前半期、わが国を軍事的に占領した日本は官権と軍権を総発動して、朝鮮人を組織的に拉致した」と日本に非難の矛先を向けており、今後ますます日本だけを標的にしてくる可能性がある。気になるのは韓国・文大統領が1月10日の会見で「2度目の米朝会談が行われれば、3月1日の金委員長の訪韓がスムーズに行われる」と発言していることで、3月1日の独立運動記念日に文大統領と金委員長がタッグを組み慰安婦問題、徴用工問題など日本の戦争犯罪を世界に向けて糾弾し日本を追い込むイベントを開催される可能性がある。さらに言えば米朝会談で米国が北朝鮮から核を取り上げる事ができなければ、将来的に中国を後ろ盾にし、核を残したままで、統一朝鮮が出現する可能性もないとはいえない。その時になって慌てるのではもう遅い、複数のシナリオに対応できるように日本も準備を整えておくべきである。
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北朝鮮高官・米国到着・国務長官と協議か(1月18日)
北朝鮮で米国と高官級協議を担当するキムヨンチョル朝鮮労働党副委員長は昨日北京を経由し、日本時間今日午前8時半過ぎ首都・ワシントン近郊のタレス国際空港に到着した。
多くの報道陣の中キム副委員長は飛行機を降りターミナルを歩いて移動し、用意された車に乗って空港を後にした。
2回目の米朝首脳会談に向けて米国・ポンペイオ国務長官などと詰めの調整を行うものとみられる。
2回目の首脳会談はベトナムなどアジアの年での開催が有力視され、今回の協議で開催場所や日程など合意できるかが焦点である。...
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北朝鮮で米国と高官級協議を担当するキムヨンチョル朝鮮労働党副委員長は昨日北京を経由し、日本時間今日午前8時半過ぎ首都・ワシントン近郊のタレス国際空港に到着した。
多くの報道陣の中キム副委員長は飛行機を降りターミナルを歩いて移動し、用意された車に乗って空港を後にした。
2回目の米朝首脳会談に向けて米国・ポンペイオ国務長官などと詰めの調整を行うものとみられる。
2回目の首脳会談はベトナムなどアジアの年での開催が有力視され、今回の協議で開催場所や日程など合意できるかが焦点である。
米朝首脳会談を前にキム副委員長は去年ホワイトハウスでトランプ大統領と面会した。
キム委員長の書簡を手渡していて、トランプ大統領と再び面会するかも注目点である。
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米朝の接触続く、非核化の行方(1月17日)
17日北朝鮮の金英哲副委員長が北京からワシントンに向かう。ワシントンではポンペオ国務長官やビーガン朝鮮政策特別代表と会談する予定である。ただしホワイトハウスに行くかどうかは定かではないと伝えられているが、金英哲副委員長はトランプ大統領との会見を望んでおり、その際金正恩委員長からの親書を渡すつもりではないかとみられている。
一方北朝鮮の崔善姫外務省次官は、ストックホルムで米国の官民との1.5トラックの対話を行う予定だという。...
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17日北朝鮮の金英哲副委員長が北京からワシントンに向かう。ワシントンではポンペオ国務長官やビーガン朝鮮政策特別代表と会談する予定である。ただしホワイトハウスに行くかどうかは定かではないと伝えられているが、金英哲副委員長はトランプ大統領との会見を望んでおり、その際金正恩委員長からの親書を渡すつもりではないかとみられている。
一方北朝鮮の崔善姫外務省次官は、ストックホルムで米国の官民との1.5トラックの対話を行う予定だという。ただストックホルムでビーガン特別代表に会う予定とも伝えられており、そうなるとワシントンでの金英哲副委員長との会談は難しいことになる。崔善姫―ビーガン会談が行われれば、77日ぶりのことになる。
このように第二次米朝首脳会談の開催が現実味を帯びてきているが、完全で検証可能、不可逆的な北朝鮮の非核化はできるのか。韓国の『朝鮮日報』は、米国が北朝鮮を「核保有国」として認めてしまうのではないかの見方を紹介している。16日にソウルで行われた米韓のシンクタンクの会議で、米国のブルッキングス研究所の研究員が、「南北融和に便乗して北朝鮮が米国に『核保有国』を認めさせるのではないか」というもので、他の参加者も同様の懸念が相次いでだされたという。米国は北朝鮮の「核の凍結」を認め、大陸間弾道ミサイルと核生産設備の廃棄を目指すのではないか。つまり現在ある核を凍結させ、将来の核を廃棄させることで妥協するのではないかというものである。韓米同盟の弱体化がこの見方の現実味を帯びさせている。
さらに内政問題に悩まされているトランプ大統領が、外交問題での功を焦るあまり、大陸間弾道ミサイルの廃棄という米国への直接的な脅威が取り除かれれば良しとする可能性は高い。
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