北朝鮮・“重要政策”決める党中央委総会・開催(12月29日)
北朝鮮国営の朝鮮中央テレビはけさの放送で、金正恩委員長が出席して重要政策を決定する朝鮮労働党中央委員会総会が機能開催されたと伝えた。
総会では「革命の発展と内外の情勢の求めに応じ、戦略的地位と国力強化への路線が提示される」としているが、米国との非核化交渉やミサイル開発の言及は伝えられていない。「総会は引き続き開催される」としている。
去年の総会では、史上初の米朝首脳会談の開催を見据え、核実験やICBM・大陸間弾道ミサイルの発射実験を中止する方針が発表された。...
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北朝鮮国営の朝鮮中央テレビはけさの放送で、金正恩委員長が出席して重要政策を決定する朝鮮労働党中央委員会総会が機能開催されたと伝えた。
総会では「革命の発展と内外の情勢の求めに応じ、戦略的地位と国力強化への路線が提示される」としているが、米国との非核化交渉やミサイル開発の言及は伝えられていない。「総会は引き続き開催される」としている。
去年の総会では、史上初の米朝首脳会談の開催を見据え、核実験やICBM・大陸間弾道ミサイルの発射実験を中止する方針が発表された。
しかし北朝鮮は3回の首脳会談を経てもなお非核化交渉が停滞する中、制裁の解除に応じない米国に不満を募らせていて、交渉期限を一方的に年末に定めて譲歩を迫っている。
総会で核やミサイル開発について新たな方針が示されるかに関心が集まっている。
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北朝鮮で五中全会開催さる(12月29日)
29日の朝鮮中央通信は、28日から朝鮮労働党第7次中央委員会第5次全体会議が開催され、金正恩委員長が報告を行ったと伝えた。報道によると会議の議題は、当面の情勢の下、党と国家が直面する闘争の方向と革命の勝利を勝ち取るための重要政策課題であるとされている。
報道によると、今回の会議は歴史的な「鍵となる時期」に開催され、厳しい局面を突破し、さらに革命の速度をあげるために、党の建設と党の活動および国家建設と国防建設に直面する重大な問題を論ずるとされている。...
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29日の朝鮮中央通信は、28日から朝鮮労働党第7次中央委員会第5次全体会議が開催され、金正恩委員長が報告を行ったと伝えた。報道によると会議の議題は、当面の情勢の下、党と国家が直面する闘争の方向と革命の勝利を勝ち取るための重要政策課題であるとされている。
報道によると、今回の会議は歴史的な「鍵となる時期」に開催され、厳しい局面を突破し、さらに革命の速度をあげるために、党の建設と党の活動および国家建設と国防建設に直面する重大な問題を論ずるとされている。なお会議はまだ続いているという。
四中全会は今年4月に開催され、自力更生の旗印を高く掲げ、自主経済を発展させ、制裁によって朝鮮を屈服させようとする敵対勢力に重大な打撃を与えることが強調されていた。
4月の段階では経済に重点がおかれ2018年4月以降の路線が続いていた。会議が終わったあとの詳細な発表を待たなければならないが、今回は国家建設と国防建設が並んでいるところをみると、2017年以前の並進路線に戻ろうとしているようである。
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注目は年末の労働党中央委員会全員会議(12月28日)
(注目は年末の労働党中央委員会全員会議)
北朝鮮からの「クリスマスプレゼント」は贈られてこなかったものの、北朝鮮が挑発をやめる兆しは全くない。それどころか、年内にも労働党中央委員会全員会議で金正恩朝鮮労働党委員長自らが米国に対し強硬な姿勢を打ち出すことも予想されており注視していく必要がある。金委員長は「新年の辞」で新たな強硬な方針を国民に向けて発表し、8日(金委員長誕生日)にもなんらかのパフォーマンスを行うのではないかとも言われている。...
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(注目は年末の労働党中央委員会全員会議)
北朝鮮からの「クリスマスプレゼント」は贈られてこなかったものの、北朝鮮が挑発をやめる兆しは全くない。それどころか、年内にも労働党中央委員会全員会議で金正恩朝鮮労働党委員長自らが米国に対し強硬な姿勢を打ち出すことも予想されており注視していく必要がある。金委員長は「新年の辞」で新たな強硬な方針を国民に向けて発表し、8日(金委員長誕生日)にもなんらかのパフォーマンスを行うのではないかとも言われている。こうした懸念がある中、米軍は24、25日にRC-135WリベットジョイントやRQ-4グローバルホークなど最先端偵察機4機をあえて位置識別装置を外さずに日本海に向けて出撃させ、北朝鮮の軍事動向を精密監視するとともに北朝鮮にこれ以上の挑発行為をやめるよう警告を送った。米軍は朝鮮半島に爆撃機を飛ばすことも含め、あらゆる選択肢を想定している。
(北朝鮮に有利な状況になってきているか)
米国政策研究機関・ブルッキングス研究所のジャングパク上級研究委員は「トランプ政権は柔軟な姿勢を示して対話を呼び掛けてきたが、北朝鮮にこれを拒まれた。今こそ対北朝鮮制裁を強化し最大限の圧力を復活させるべき時だ」と提言しているが、そのようになるとは考えにくい。例えば22日で期限を迎えたはずの北朝鮮労働者の本国送還は中国とロシアで徹底されておらず、何事もなかったかのように北朝鮮労働者は働き続けているという。こうしたことからも国連安保理の一角を担う中ロが対北朝鮮制裁強化に積極的ではないことは明らかである。加えて米国は2020年大統領選挙、日本は東京五輪を控えているために、日米ともに北朝鮮に対して声を上げにくい状態にある。例えば、今この段階で北朝鮮が核保有宣言を行ってしまえばインド・イスラエル・パキスタンのように既成事実化されてしまう可能性が高い。北朝鮮に有利な状況になってきている。
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北朝鮮「米国の顔色をうかがってばかり」と韓国非難(12月28日)
北朝鮮の対韓宣伝メディアである「わが民族同士」は、「韓国が米国の顔色ばかりをうかがい、北南関係改善の機会を失った」として韓国を非難した。
そこでは、「今年、北南関係に何らの進展もなかったのは、南朝鮮が外部勢力の顔色をうかがってばかりで、自ら判断せず、国外の間違った判断を採用したためだ」とし、2018年には民族分裂の歴史のなかでこれまでにない大きな変化が生じたが、2019年は、2018年と異なり失望させられ、怒りがわいてくる一年だった、と述べている。...
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北朝鮮の対韓宣伝メディアである「わが民族同士」は、「韓国が米国の顔色ばかりをうかがい、北南関係改善の機会を失った」として韓国を非難した。
そこでは、「今年、北南関係に何らの進展もなかったのは、南朝鮮が外部勢力の顔色をうかがってばかりで、自ら判断せず、国外の間違った判断を採用したためだ」とし、2018年には民族分裂の歴史のなかでこれまでにない大きな変化が生じたが、2019年は、2018年と異なり失望させられ、怒りがわいてくる一年だった、と述べている。
さらに、「今年の半島情勢が厳しい関係に陥ったのは、米国のせいであり、米国が各方面を扇動し、北南関係を操作しようとしたからである。米国は北南関係を米韓関係に従属させようとして、北南間の各種協議が実を結ばせないように韓国に要求した。韓国は米国の許可を求めるばかりで、北南関係は全面的に米国に託されることになった」とも述べている。
文章はさらに「民族の命運は自主開拓してこそ、朝鮮半島の平和と統一への道が開けるものであるから、外部勢力に依存する政策を放棄するように」と強調している。
北朝鮮はこの1年間、文在寅大統領を「朝米の仲介者役を名乗るとは烏滸がましい」などと非難してきたが、在韓米軍の駐在費をめぐる対立や、GSOMIAの破棄を巡って韓国が米国の不興をかっていたこともあり、韓国にもう一押し揺さぶりをかけ、米韓の離間を狙っているようである。さらに中露が国連安保理に対朝経済制裁の緩和案を出したが、そのなかに南北朝鮮の道路や鉄道の連結を進展させるという項目も含まれていて、それに韓国も賛意を示していると伝えられていることも、韓国に揺さぶりをかける要因となったのであろう。
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北朝鮮の年末年始の動きになお警戒必要(12月27日)
朝鮮半島でクリスマスは何事もなく過ぎた。米軍偵察機が連日出動した効果か、あるいは中露が安保理に対朝制裁の緩和案を提出したことも、北朝鮮の自制を促した可能性もある。さらには23日の中韓首脳会談で、米朝の対話を維持するようにとの認識を一致させ、さらに中国も北朝鮮の軍事的挑発に懸念を示したことも関係しているのではないかと見られる。
ただしクリスマスが過ぎてもまだ懸念は続く。労働党の中央委員会総会や金正恩委員長の「新年の辞」で何らかの方針の大転換が伝えられると見られるからである。...
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朝鮮半島でクリスマスは何事もなく過ぎた。米軍偵察機が連日出動した効果か、あるいは中露が安保理に対朝制裁の緩和案を提出したことも、北朝鮮の自制を促した可能性もある。さらには23日の中韓首脳会談で、米朝の対話を維持するようにとの認識を一致させ、さらに中国も北朝鮮の軍事的挑発に懸念を示したことも関係しているのではないかと見られる。
ただしクリスマスが過ぎてもまだ懸念は続く。労働党の中央委員会総会や金正恩委員長の「新年の辞」で何らかの方針の大転換が伝えられると見られるからである。また北朝鮮は2012年と2015年の年末にミサイルを発射し、2016年には年初に核実験を行った。まだまだ警戒を続けていかなければならない。
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