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北朝鮮、重大な実験に成功 ~米国へのクリスマスプレゼントはどうなる?~(12月9日)
北朝鮮が米国に回答を要求した年末までの期限が近づくにつれて、北朝鮮が強硬な態度にでるようになった。7日には北朝鮮の金星国連大使が「非核化はすでに交渉のテーブルにはない」と述べ、さらに北朝鮮は西海衛星発射試験場で「極めて重大な実験」を行い、8日には朝鮮中央通信が実験は成功したと伝え、「この結果は朝鮮の戦略的地位を変えることになろう」と報じた。韓国と米国のメディアは、実験とは大陸間弾道ミサイル(ICBM)の固体燃料の燃焼実験だったのではないかと見ている。...
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北朝鮮が米国に回答を要求した年末までの期限が近づくにつれて、北朝鮮が強硬な態度にでるようになった。7日には北朝鮮の金星国連大使が「非核化はすでに交渉のテーブルにはない」と述べ、さらに北朝鮮は西海衛星発射試験場で「極めて重大な実験」を行い、8日には朝鮮中央通信が実験は成功したと伝え、「この結果は朝鮮の戦略的地位を変えることになろう」と報じた。韓国と米国のメディアは、実験とは大陸間弾道ミサイル(ICBM)の固体燃料の燃焼実験だったのではないかと見ている。韓国の『ソウル新聞』は、もし北朝鮮が実際にICBMを発射するようなことがあれば、朝鮮半島で武力衝突の局面があるかもしれないと報じた。
米国で朝鮮半島の研究を行っているシンクタンクの「38ノース」は、北朝鮮が区切った「最後の期限」に近づくにつれて、北朝鮮の強硬な発言や行動が頻発しているが、これは米国に「最後の1分でディールを行おう」と迫っているからではないかと見ている。
韓国の『世界日報』は、米朝の「ニューヨーク・チャネル」の北朝鮮の窓口である国連大使が強硬な発言をしたことは、米朝の溝がさらに深くなったことを意味し、年内に米朝の会談が行われる可能性はさらに低くなったと悲観的な見方を示している。
米国の保守的なシンクタンクは、もし北朝鮮がICBMの実験を再開したならば、米国政府は、外交、軍事、経済、ネット、金融面で北朝鮮への圧力を強め、さらには情報監視の面でもさらに圧力を強めることも含めて、国際的な制裁の強化を主導していかなければならない、と提言した。
CNNは「北朝鮮がトランプに贈るクリスマスプレゼントはICBMか」と、北朝鮮外務省の対米交渉責任者の李泰成次官が今月3日に発言した「北朝鮮が米国へのクリスマスプレゼントに何を贈るかは米国次第だ」と警告したことをもとに報じた。北朝鮮は2017年にもICBMの発射実験を「独立記念日の贈り物」だと称したことがあった。
「もしも固体燃料エンジンの実験に成功したとしたら、北朝鮮はICBMで米国本土を奇襲できる」と『韓国経済新聞』は8日報じた。液体燃料は打ち上げの直前に時間をかけてミサイルに注入することになるため、発射の兆候をつかまれやすいが、固体燃料であれば、予め注入しておけるので、奇襲を行いやすい。
ロシアのある専門家は、もし金正恩委員長が米国とは会談を行わないと決めたならば、北朝鮮は2020年には「新しい道」を行くことになるだろうとし、「新しい道」とは外交政策を変えるだけでなく、質的にも量的にも核の能力を高めていくことだろうと説明した。米国が北朝鮮の提案に回答しない場合、北朝鮮にとって、ミサイル発射場や核施設を排除する理由がなくなるからである。
トランプ大統領は、7日に「もし北朝鮮が敵対的な行動をとるなら驚きだ。私と金正恩との関係は良好で、彼は私が大統領選を控えていることを知っている」とツィートしていた。さらに8日には「米国に敵意を示したら、総てを失うことを彼はわかっている」と重ねてツィートした。
ロシアのRegnum新聞は、北朝鮮は米国に制裁を取り消すように求め、米国は北朝鮮に完全な非核化をしなければ制裁を取り消せないと述べており、双方の相いれない要求により、米朝関係は悪循環に陥っている、と報じた。
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駆け引き・米国・北朝鮮をけん制・キム委員長は“すベて失う”(12月9日)
北朝鮮は米国との非核化交渉を巡って、一方的に「年内」という期限を設けて譲歩を迫っていて、ミサイルの発射を再開する可能性を示唆している。
こうした中、トランプ大統領は8日、ツイッターに「金正恩は賢く、米国に敵意を示したらすべてを失うことを知っている」と投稿した。そのうえで「北朝鮮はとてつもない経済成長が可能だと思うが、そのためには約束どおり非核化しなければならない」として北朝鮮の非核化を重ねて求めた。...
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北朝鮮は米国との非核化交渉を巡って、一方的に「年内」という期限を設けて譲歩を迫っていて、ミサイルの発射を再開する可能性を示唆している。
こうした中、トランプ大統領は8日、ツイッターに「金正恩は賢く、米国に敵意を示したらすべてを失うことを知っている」と投稿した。そのうえで「北朝鮮はとてつもない経済成長が可能だと思うが、そのためには約束どおり非核化しなければならない」として北朝鮮の非核化を重ねて求めた。
一方、エスパー国防長官が同じ日、FOXニュースのインタビューで「米軍は北朝鮮と戦争が起これば今夜にも勝利する準備がある」と述べた。非核化交渉をめぐる米朝の駆け引きが続く中、米国側の苛立ちが改めて表面化した形である。
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北朝鮮・“衛星発射場で重大実験”ミサイル関連か(12月8日)
非核化交渉を巡って北朝鮮と米国の駆け引きが続く中、北朝鮮・国防科学院の報道官はきょう午前、国営の朝鮮中央通信を通じて談話を発表した。
この中で「ソヘ衛星発射場できのう午後、非常に重大な実験を行った。この結果は遠からずわが国の戦略的地位を変化させるうえで重要な作用をするだろう」としている。
ソヘ衛星発射場は、北朝鮮北西部・ピョンアン北道・トンチャンリにあり、以前人工衛星の打ち上げとして事実上の長距離弾道ミサイルが発射されたほか、ミサイル用のエンジンの実験なども行われている。...
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非核化交渉を巡って北朝鮮と米国の駆け引きが続く中、北朝鮮・国防科学院の報道官はきょう午前、国営の朝鮮中央通信を通じて談話を発表した。
この中で「ソヘ衛星発射場できのう午後、非常に重大な実験を行った。この結果は遠からずわが国の戦略的地位を変化させるうえで重要な作用をするだろう」としている。
ソヘ衛星発射場は、北朝鮮北西部・ピョンアン北道・トンチャンリにあり、以前人工衛星の打ち上げとして事実上の長距離弾道ミサイルが発射されたほか、ミサイル用のエンジンの実験なども行われている。
談話では実験の具体的な内容について明らかにしていないが、ミサイルに関連した実験が行われたものと見られる。北朝鮮は米国との非核化交渉を巡って、一方的に年内という期限を設けて譲歩を迫っていて、長距離弾道ミサイルの発射を再開する可能性を示唆して米国側を揺さぶるねらいもありそうだ。
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非核化はすでに交渉のテーブルにない(12月8日)
12月7日のロイターは、北朝鮮の金星国連大使が「米国が主張する協議は、時間稼ぎの戦術にすぎない」として「長々とした話し合いは必要ない。非核化はすでに交渉のテーブルにはない」と述べたとして、米朝間の溝が深いと報じた。
北朝鮮が交渉の期限としている年末にむかって、交渉に乗り出さない米国に対する牽制と思われる。12月になってからは人民軍総参謀長をはじめ複数の高官による米国に対する非難が続いている。...
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12月7日のロイターは、北朝鮮の金星国連大使が「米国が主張する協議は、時間稼ぎの戦術にすぎない」として「長々とした話し合いは必要ない。非核化はすでに交渉のテーブルにはない」と述べたとして、米朝間の溝が深いと報じた。
北朝鮮が交渉の期限としている年末にむかって、交渉に乗り出さない米国に対する牽制と思われる。12月になってからは人民軍総参謀長をはじめ複数の高官による米国に対する非難が続いている。
一方北朝鮮の国防科学院の報道官は8日、北西部東倉里の「西海衛星発射場」で7日、「非常に重大な実験」を行ったと発表した。12月下旬に中央委員会総会を開催して、「重大な決定」を行うと発表していることとあわせると、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に関するなんらかの実験が行われたものと思われる。
言動と行動でなんとかして米国を交渉の場に引っ張りだしたいとする北朝鮮の焦りがエスカレートしているようである。
一方7日には、韓国の文在寅大統領と米国のトランプ大統領が電話会談を行い、朝鮮半島情勢について意見を交わした。双方は朝鮮半島の情勢に鑑み、米朝間の非核化交渉で早期に成果をあげるために、対話を継続することが重要だとして意見の一致をみた。
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温泉と医療施設で外国人観光客誘致(12月7日)
12月6日の「労働新聞」は、陽徳郡の観光地区で建設されていた温泉と医療の複合施設が完成し、外国人観光客を積極的に誘致すると報じた。この温泉つき医療ツアーには、個人でも団体でも申し込みができ、日程は自由に決められる。
金正恩委員長は今年すでに4回も陽徳郡の観光地区を視察しており、この地区の観光を期待していることがうかがえる。ロイターによると、民間観光は北朝鮮にとって、数少ない制裁の影響を受けない分野であることから、北朝鮮は非常に力をいれている。...
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12月6日の「労働新聞」は、陽徳郡の観光地区で建設されていた温泉と医療の複合施設が完成し、外国人観光客を積極的に誘致すると報じた。この温泉つき医療ツアーには、個人でも団体でも申し込みができ、日程は自由に決められる。
金正恩委員長は今年すでに4回も陽徳郡の観光地区を視察しており、この地区の観光を期待していることがうかがえる。ロイターによると、民間観光は北朝鮮にとって、数少ない制裁の影響を受けない分野であることから、北朝鮮は非常に力をいれている。
また経済制裁にも関わらず、豪華な観光施設を建設することができるのだという北朝鮮のアピールのようでもある。さらに米朝双方が軍事力の行使も辞さないと言いあっているなかにあって、外国人向けの観光を強調するのは、北朝鮮がもしも武力行使をすることがあっても「止むに止まれず」であると言いたかったのかもしれない。
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