豪州北東のグレートバリアーリーフ、地球温暖化やエルニーニョ現象で広範囲にわたり深刻なサンゴ礁白化【欧米メディア】(2024/03/18)
豪州北東クイーンズランド州の沖合には、グレートバリアーリーフ(GBR)と呼ばれる世界最大のサンゴ礁群生地帯である。これまで何度かそのサンゴ礁群が白化現象(注後記)に見舞われてきたが、直近の海洋科学者らの調査で、再び広範囲にわたって白化現象が認められ、同現象がGBRを越えて更に南方まで広がっていることが分かった。
3月15日付
『ロイター通信』、3月16日付
『豪州ABCニュース』は、豪州北東岸に広がるGBRが、地球温暖化やエルニーニョ現象による海水温上昇で新たに白化現象に見舞われていることが判明したと報じている。
豪州の海洋科学者グループは3月15日、クイーンズランド州北方に広がるGBRにおけるサンゴ礁群の白化現象が益々深刻化していると発表した。
GBRは、同州北東海岸沖に2,300キロメートルにわたって広がる、世界最大のサンゴ礁群生地帯である。...
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3月15日付
『ロイター通信』、3月16日付
『豪州ABCニュース』は、豪州北東岸に広がるGBRが、地球温暖化やエルニーニョ現象による海水温上昇で新たに白化現象に見舞われていることが判明したと報じている。
豪州の海洋科学者グループは3月15日、クイーンズランド州北方に広がるGBRにおけるサンゴ礁群の白化現象が益々深刻化していると発表した。
GBRは、同州北東海岸沖に2,300キロメートルにわたって広がる、世界最大のサンゴ礁群生地帯である。
ジェームズ・クック大(1970年設立の公立大)のマヤ・スリニバサン博士率いる海洋科学調査グループが公表したもので、同州北部タートル・グループ国立公園(ケアンズの約300キロメートル北、約10キロメートル沖)内の6つの島周辺のサンゴ礁群が被害に遭っていることが確認されたという。
同博士は『ロイター通信』のインタビューに答えて、“特に浅瀬で見られた白化現象は、かなり壊滅的だった”としながらも、“すべてまだ白化の段階にあり、水温が時間とともに下がる限り、まだ回復できる”との希望を述べた。
ただ、“気候変動現象に伴う海水温上昇は深刻で、当該白化現象を止めるには至らない恐れがある”とも言及している。
豪州NPO法人気候変動評議会(2013年設立)のサイモン・ブラッドショー主任研究員も、“現下で起こっているサンゴ礁群の白化現象は、陸上での山火事の惨事に相当する”とし、“この急激な変化は、サンゴ礁にとってより大きな危険であり、このまま改善されなければ、サンゴ礁再生が不可能となって後戻りできない地点を越えてしまう恐れがある”と警鐘を鳴らしている。
GBR海洋公園管理局(1975年設立)によると、長期にわたる海洋調査研究の結果、直近8年間で5度もの深刻な白化現象が発生しているという。
しかし、最近の調査では、GBR南端のバンダバーグ・ハービーベイ沖から南部の州都ブリスベン沖のモートン湾までの地帯においても、白化現象がみられるようになっているという。
クイーンズランド大(1909年設立の公立大学)本拠のサンゴ礁監視プログラムのダイアナ・クライン代表は、“バンダバーグ・ハービーベイからモートン湾までのサンゴ礁に白化現象がみられるのは、GBRに起こっている同現象が拡大していることを意味する”とし、“気候変動によって毎年海水温が上昇しており、この傾向が今後も続くと予想されることから、サンゴ礁の白化現象は更に深刻になる”と強調している。
(注)白化現象:造礁サンゴに共生している褐虫藻が失われることで、サンゴの白い骨格が透けて見える現象。白化した状態が続くと、サンゴは共生藻からの光合成生産物を受け取ることができず壊滅。サンゴの白化の原因は、温暖化等による海水温の上昇と考えられている。
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バービー人形、多様性を追求して生誕65年【欧米メディア】(2024/03/07)
世界的に有名な着せ替え人形バービーは、3月9日で生誕65年を迎える。生まれた当初は、金髪・白人・欧米系体型等、一面的でしかなかったが、時代の経過とともに多様性が追及され、現在までに多くのスキンカラーや体型のみならず、車椅子やダウン症、更にはジェンダーニュートラルの人形まで登場してきている。
3月6日付
『ロイター通信』は、間もなく生誕65周年を迎えるバービー人形の多様性について報じている。
世界的に有名な着せ替え人形のバービーは、3月9日で生誕65周年を迎える。
生れた当初は、作者であるルース・ハンドラー(1916~2002年、玩具メーカーのマテル社元社長)が実娘バーバラの名前をヒントにバービーと名付けた、金髪・欧米系体型の一面的な着せ替え人形であった。...
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3月6日付
『ロイター通信』は、間もなく生誕65周年を迎えるバービー人形の多様性について報じている。
世界的に有名な着せ替え人形のバービーは、3月9日で生誕65周年を迎える。
生れた当初は、作者であるルース・ハンドラー(1916~2002年、玩具メーカーのマテル社元社長)が実娘バーバラの名前をヒントにバービーと名付けた、金髪・欧米系体型の一面的な着せ替え人形であった。
しかし、時代の変遷とともに、多様性が追及されてきて、現在では、スキンカラーが35種、ヘアースタイルが97種、体型も9種と肥満~やせ型まであり、更には、車椅子に乗っていたり、ダウン症・白斑、そしてジェンダーニュートラルの人形まで製造されている。
また、職業も多種多様で250種類もの制服をまとっている。
マテル社のリサ・マクナイト代表取締役副社長(2019年就任)は『ロイター通信』のインタビューに答えて、“バービーは生まれた当初は、特異な美しさが強調され、より一面的であったが、現在では多種多様な姿を持つ人形になっている”として、世界的に汎用性を以て販売していく上での戦略についてコメントしている。
また、グローバルデザイン担当のキム・カルモーン副社長(2020年就任)は、“最も重要なことは、多種多様なコミュニティと相談しながら人形のデザインを決めていくことだ”と強調している。
更に、生誕65年記念人形をデザインしたカーライル・ヌエラ主任デザイナーも、“これまでと同じことを繰り返していたら、バービー人形は今日のような世界的ブランドにはなっていなかっただろう”とコメントしている。
なお、2023年に上映された実写版映画「バービー」が、2024年のアカデミー賞(注後記)8部門でノミネートされたこともあって、改めてバービー人形が大きく注目されている。
(注)アカデミー賞:米映画の健全な発展を目的に、キャスト、スタッフを表彰し、その労と成果を讃えるための映画芸術科学アカデミー(AMPAS)による映画賞。初回は1929年。毎年2月末から3月初めにロサンゼルスで授賞式が行われる。
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