世界的な鉄鋼の供給過剰を解消するために生産調整の圧力が高まる中、4月19日中国は3月の鉄鋼生産高が過去最高を記録したと発表した。最近の鉄鋼価格の上昇により利益が増加し閉鎖乃至休止されていた設備が再開されたためである。中国鉄鋼協会の発表によると3月の生産高は7,065万トンでこれは年率換算では8億3,400万トンとなる。同協会によると今年になって鉄鋼価格は42%も上昇しているが、価格の上昇で供給も増加しており現在の価格を維持するのは難しいとみている。
一方で18日にベルギーのブラッセルで開催されたOECD(経済協力開発機構)による鉄鋼供給過剰問題の協議は、中国に対する責任追及に中国が反発し合意に至らなかった。欧米諸国は中国が更なる供給削減を進めなければ通商措置をとると警告したが、中国代表の張商務相補佐は既に生産削減を進めていると反論した。中国が国を挙げて過剰生産設備の削減に取り組んでいることは評価出来るが、少しでも価格が上昇すれば直ぐに生産が増える状況にあり、設備削減の難しさを示している。
4月19日付
『ロイター通信』は、「世界的鉄鋼危機が進む中、中国の3月生産高最高を記録」という見出しで、中国の3月鉄鋼生産高が過去最高を記録したと報じた。OECDの会議に出席した中国代表は中国は既に9,000万トンの設備を削減しており更に1億~1.5億トンの削減を計画していると説明したが、同通信はそれでも中国には未だ10億トンの生産設備があり需要を大きく上回っていると報じている。
4月20日付
『チャイナデイリー』は、「責任のなすり合いは世界鉄鋼不況の解決にならず」という見出しで、中国に対する批判への反論記事を掲載した。...
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4月19日付
『ロイター通信』は、「世界的鉄鋼危機が進む中、中国の3月生産高最高を記録」という見出しで、中国の3月鉄鋼生産高が過去最高を記録したと報じた。OECDの会議に出席した中国代表は中国は既に9,000万トンの設備を削減しており更に1億~1.5億トンの削減を計画していると説明したが、同通信はそれでも中国には未だ10億トンの生産設備があり需要を大きく上回っていると報じている。
4月20日付
『チャイナデイリー』は、「責任のなすり合いは世界鉄鋼不況の解決にならず」という見出しで、中国に対する批判への反論記事を掲載した。中国が世界の鉄鋼生産高の約半分を生産しているのは事実であるがその大半は国内で消化されている。また、英国やドイツの鉄鋼輸入に占める中国からの輸入割合は微々たるものだ。中国が輸出している鉄鋼は付加価値の低いもので英国、ドイツが最早生産していない製品である。従って貿易戦争は解決策ではなく、解決のためにはイノベーションと協働で引き続き需要が高い高付加価値製品を開発することだと述べている。
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日本で行われた先進7か国(G7)外相会合が発表した、東、南シナ海における対立について触れた声明を受け、火曜中国は「強い不満」を表明した。中国外務省報道官は、「領海問題にG7が干渉するのは不当で、世界経済の統制と協力に焦点を当てるべき」等と強く反発している。
4月12日付中国
『新華社ネット』(新華社通信)は「中国がG7外相の領海問題に関する声明に不満を表明」との見出しで以下のように報道している。
・中国外務省の報道官陸慷(Lu Kang)氏は、「G7には領海問題において一方に加担し対立を助長することなく、世界経済が低迷する今、世界経済の統制と協調に注力していただきたい。」等と述べている。
・また同氏は、中国は歴史的事実に基づき、海域の平和と安定のため、海域の主権と領海圏を主張する一方、常に国際海事法令を順守し交渉により二国間の対立解決に尽力してきたとし、中国は違法な強制措置を断固拒否すると強調。...
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4月12日付中国
『新華社ネット』(新華社通信)は「中国がG7外相の領海問題に関する声明に不満を表明」との見出しで以下のように報道している。
・中国外務省の報道官陸慷(Lu Kang)氏は、「G7には領海問題において一方に加担し対立を助長することなく、世界経済が低迷する今、世界経済の統制と協調に注力していただきたい。」等と述べている。
・また同氏は、中国は歴史的事実に基づき、海域の平和と安定のため、海域の主権と領海圏を主張する一方、常に国際海事法令を順守し交渉により二国間の対立解決に尽力してきたとし、中国は違法な強制措置を断固拒否すると強調。
・二国間の尽力を尊重し、無責任な発言や行動を慎み、海域の平和と安定のため建設的役割を果たすよう要請すると、述べた。
また、同紙(同日付)は「社説:日本が乗っ取り(ハイジャック)したG7会合は南シナ海問題に干渉。不当で有害」で次のように報道している。
・またもや日本はG7の場を迷惑なことに中国を「巻き込む」 ことで、自国の目的と南シナ海問題に干渉する目的で利用した。これは不正で問題解決を遠避けるものだけでなく、領域の安定を害するものである。
・2日間のG7外相会合は月曜閉幕、4つのうち1つの声明がG7各国には関連のない領海問題に関するもので、日本政府の「たゆまぬ尽力」が実を結んだ声明。
・日本が中国を「巻き込む」のに多国間構想を利用するのは初めてではなく、昨年リューベックのG7外相会合で領海安定に関する同様の文書により日本は一方的に議題を押し進めた。
・中国の領域の安定への絶えまぬ努力と貢献に留意せず、同域の利益の為ならず対立緊張を高め中国を封じ込める為、日本には西洋諸国を詭弁の議論に巻き込む隠された意図がある。
・日本は、次世代と(現在低迷する)経済と領域の安定の為、中国と、敵対関係でなく協調関係を築くべきであり、その主導権は中国でなく日本政府にある。この良識に背けば、歴史が証明するように、惨事となる。
同日付中国
『チャイナデイリー』は「G7は日本主導で誤った方向へ」との見出しで以下のように報道している。
・中国を名指ししてはいないものの、南シナ海問題に関するG7の文書は、問題の一因をなす中国への暗に批判と受け取れ、これは間違いで不公平である。
・G7外相らは日本に利用されているだけで、海域安定に努めてきた中国を否定すれば緊張はより一層高まる。
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