デモ隊が１日夜、立法会へ突入した後、ハント外相は２日、香港市民が自らの自由についての懸念するのは当然であり、香港政府は耳を傾けるべきだと語った。ハント外相はさらに、「私は香港での暴力を支持しているわけではない」と述べ、「私の発言の真意をもう一度明確にしたいのだが、私が言ったのは、私、そしてイギリス政府は、すべての暴力を非難する、ということだ。また、民主主義を守るためのデモを支持していた人々であれば、今回目撃した情景に大変幻滅している、ということだ。」と語った。
中国の劉暁明駐英大使は3日、イギリス政府が「不適切な声明を出し、香港の問題に介入した。そして暴力的な行為で法を犯す者を支援した」と語り、イギリスのハント外相が「違法行為を働いた者への支持を表明した」ことに失望の意を表明した。「ハント外相は完全に間違っている。これは自由の問題ではない。香港から手を引いて、敬意を示すよう言いたい。一部の当局者や政治家はまだ、植民地時代の発想から抜け切れていないようだ。過去の栄光の空想にふけっている」などとハント外相を批判した。
また、３日の『チャイナデイリー』の英語版は、「イギリスは香港の統治と監督権についていかなる責任も持っていない」とし、「西側諸国政府のイデオロギー信奉者たちは、自らの意に沿わない政府に対して社会不安を引き起こそうとする企てを止めたことがない。そのような企てが各国で悲惨な結果や混乱を次々に引き起こしたにもかからず、だ。そのような者たちは、ラテンアメリカ、アフリカ、中東、そしてアジアで、混乱を引き起こしてきた。今度は中国で同じたくらみを企てている。目的はシンプルだ。これは彼らの戦略だ。彼らは、香港が中国とは異なる制度下にあるが、中国本土に近接しているという状況を利用して、香港の特別行政府に対する不安を煽り立てている。これは中国の中央政府に対して圧力を加えるための手段として行われている」と報じた。
劉暁明駐英大使のこのような発言を受けてイギリス政府は劉大使を呼び、発言を「受け入れられず、不正確だ」と非難した。また中国政府がイギリスと交わした一国二制度の合意を守らない場合は、深刻な影響が出る、と再度警告した。また、ハント外相は4日、立法会に突入した暴力行為を支持したことを否定した。一方で、香港で起きている事態は、黙止できない問題だ、とも語った。外相はさらにBBCのラジオ番組で、中国政府がイギリスと交わした一国二制度の合意を順守しない場合の対応を問われ、具体的な対応については回答を拒んだが、「さまざまな対応があり得る」と述べた。
このように過去3週間、香港での政治的緊張は高まっている。香港市民はこれまで享受してきた各種の権利が、中国政府によって徐々に浸食されてしまうかもしれないと懸念している。特に、１日夜の立法会への突入が、暴力行為として中国政府に介入する理由を与えてしまうのではないかと懸念されている。
中国共産党の情報筋が『ザ ストレイツ タイムズ』に語ったところによると、香港に駐屯する中国人民解放軍の動員や増員といった計画はない、という。情報筋は自らに権限がないため身分を明らかにできないとしつつ、「香港はこの状況を自らの手で解決できる」と述べた。
しかし『AFP』は、中国軍に近い機関紙が2日の紙面で、１週間前に香港で行われた中国人民解放軍の軍事演習の写真を掲載したことを報じ、香港での一連の反政府活動に対するけん制ではないかという専門家の分析を報じている。
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5日、リゾート地プーケット島から大勢の中国人観光客を乗せた2隻のボートが嵐に巻き込まれ転覆、沈没した。一週間経つ今もなお行方不明の乗客がいる。
タイのプラウィット・ウォングスワン副首相が9日、致命的な事故が起きたのは中国系旅行会社の責任と非難し、中国人の反発が高まった。「この事故は、完全に中国人が中国人を傷つけた事故であった。船は彼らのものであり、警告を無視して航行した。責任を負うべきは我々ではなく、彼らだ。...
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5日、リゾート地プーケット島から大勢の中国人観光客を乗せた2隻のボートが嵐に巻き込まれ転覆、沈没した。一週間経つ今もなお行方不明の乗客がいる。
タイのプラウィット・ウォングスワン副首相が9日、致命的な事故が起きたのは中国系旅行会社の責任と非難し、中国人の反発が高まった。「この事故は、完全に中国人が中国人を傷つけた事故であった。船は彼らのものであり、警告を無視して航行した。責任を負うべきは我々ではなく、彼らだ。彼ら自身で解決してもらわないと。」と、プラウィット副首相は地元の記者団に語った。
中国のソーシャルメディアと新聞社は、プラウィット副首相のコメントに激しく反発し、早急な謝罪を求めた。
中国国営の英字新聞「チャイナデイリー」は、「挑発的で無責任だ。たとえそれが真実であっても、タイ政府は観光客の安全を保証する責任を放棄することはできない。」とコメントした。
中国版ツイッターのウェイボでは、現場にいた証人を引用され、当時船がプーケットを出港した際、天候に関する警告はなかったという。また、浸水し始めた時に乗客を放棄したと伝えられているタイ人乗組員の行動にも疑問を呈した。生存者や中国から到着した遺族が、犠牲者の遺体と対面する際も官僚主義的な緩慢な手続きが行われたと主張する投稿もあった。
あるウェイボの投稿には11日、「中国は今やそんなに容易にいじめられるのだろうか。中国人の命はあまりにも不注意に踏みにじられるのか。救助されたタイのサッカー少年らのことはうれしいが、私は二度とタイを訪れない！」とあった。
中国は、観光産業が主要産業であるタイを訪れる外国人観光客の最大国である。公式統計によると、昨年、約1,000万人の中国人がタイを訪れた。
タイへのボイコットを求める中国人の声が上がるなか、タイの軍事政権は被害を最小限に留める方向に方針転換した。10日、中国のタイ大使館は、プラウィット副首相の発言が「被害者家族を傷つける可能性があり」、副首相が事故に遭った中国人観光客への「遺憾と謝罪」示しているとの声明を発表した。「この事故の影響を受けたすべての観光客に、タイは最善の策を提供する。中国と緊密に連携して、同様の事故の再発を避けるための予防措置を策定する。」
タイ大使館の声明文に続いて、中国政府はタイ当局が捜索救助活動を行っていることを繰り返し、プラユット首相が病院を訪問し中国人観光客を見舞ったと強調して、公衆の批判を鎮圧する動きを見せた。
中国のホア・チュンイン外交部広報担当者は、「捜索対象地域が拡大された。タイ側は、中国人行方不明者全員が見つかるまで、捜査の手を休めないと約束した。タイ警察は、できるだけ早く事故原因を突き止め、事故の責任を負うべき当事者を把握し、きちんと責任を負わせるようにする。」と話した。
プーケットのノラパット・プロトーン知事はCNNに対し、救助活動には中国チームもタイ当局と協力してあたっていると話した。プラウィット副首相の発言に対してはコメントしなかった。
しかし中国人の間では、今回の事故がタイに関する彼らの認識の転換点になっているようだ。
あるウェイボユーザーは「洞窟に閉じ込められたタイのサッカーチームの少年たちの無事を願い、中国も救助活動に参加した。にもかかわらずボート転覆事故で多くの中国人観光客が亡くなり、タイの副首相が責任を断ち切ったことは不快で心が寒くなることだ。」10日に投稿している。
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