グーグル、アップルがアンドロイドユーザーへの蔑視を助長させていると非難(2022/01/13)
アップルのメッセージアプリ「iMessage」で、Androidユーザーからのメールの背景の色がiPhoneユーザーとは違うことが注目を集めている。グーグルは、iPhoneからのメッセージとAndroidスマートフォンからのメッセージを差別化していることで、若者の間で流行を生み出すだけでなく、社会的排除につながる言動を助長していると非難している。
米技術系ニュースサイト
『ザ・ヴァージ』 によると、米国の若者の間で人気の高い「iMessage」は、iPhoneの場合、Androidスマートフォンから送信されたメールは緑色の吹き出しで表示し、Appleデバイス間でやり取りされたメールは青色の吹き出しで表示される。一見大したことのないように見えるこの違い。グーグルは、アップルがiMessageサービスでAndroidユーザーを二流市民にする意図的な戦略を取っているとして非難している。...
全部読む
米技術系ニュースサイト
『ザ・ヴァージ』 によると、米国の若者の間で人気の高い「iMessage」は、iPhoneの場合、Androidスマートフォンから送信されたメールは緑色の吹き出しで表示し、Appleデバイス間でやり取りされたメールは青色の吹き出しで表示される。一見大したことのないように見えるこの違い。グーグルは、アップルがiMessageサービスでAndroidユーザーを二流市民にする意図的な戦略を取っているとして非難している。
仏メディア『BFMTV』 によると、青い吹き出しは、スマートフォンの選択に影響を与えるための手段となっており、顧客が忠誠心を持ち続けるように促すというアップルの戦略を裏付けていると伝えている。アップルはかつてiMessageを、Android端末でダウンロード可能なアプリとして提供することを検討していたが、その後、差別化する方針に切り替えた。
その結果、アメリカのティーンエイジャーの間では、色の区別はステータスシンボルとなっており、時には差別的な言動を招くようになっているという。例えば、グレースという学生は、ウォールストリート・ジャーナル紙の取材に対して、Androidを使用しているためiMessageを持っていないことを謝る人が出てきていると語っている。そして、「アップルの宣伝なのか、それとも特定のグループに所属していないからなのか分からないが、人々は緑の吹き出しを好ましく思わず、否定的な反応をしている」と指摘している。
別の24歳の学生は、気になる相手との会話で、相手の吹き出しが緑色で表示されているという理由だけで、友人や妹から「メッセージが緑色!気持ち悪い」と言われたという。
こうした現象はティーンエイジャーにとどまらない。30歳以上を対象としたデートアプリのある男性ユーザーは、女性から「ああ、あなたは緑の吹き出しの使用者ね」と、何度か言われたことがあり、「その後、何人かは返事をしなくなった。」と体験談を語っている。
ソーシャルネットワークでは、緑の吹き出しのユーザーは、時代遅れの人だという見方がされるようになっている。若い世代ではiPhoneを持っていないことが社会的な排除にもつながっている。長年Android携帯を所有していたマイルス・フランクリンさんは、高校時代に、iMessage専用のモバイルゲーム「ゲームピジョン」が流行っていたという。友人たちが全員参加していた中、スマートフォンがAndroidだったという理由で「初めて」グループから排除されたという。数年後、iPhoneを購入したと述べている。
アップルの独占的機能は吹き出しの色だけではない。幅広い層から支持されているオプション機能を提供しており、ユーザーの顔の動きを反映するアニメーションキャラクターを作成する機能「メモジ」などが人気を集めている。また、iMessage独自の機能として、複数のiPhoneユーザー間でチャットグループを作成することができるが、Androidユーザーは参加することができない。
こうした機能は、特に若い世代に人気が高く、今やiphoneは若いユーザーにとって不可欠なものとなっている。一方で、アンドロイドユーザーにとっては排他的なものとなっている。1月初旬、アメリカのティーンエイジャーを対象に行われた調査の結果、87%がiPhoneを所有していることが明らかになった。
仏誌『レゼコー』 は、このようなユーザー間の差別化戦略が、若年層における圧倒的なiPhone購入率に貢献したと伝えている。Consumer Intelligence Research Partners社の最新の調査によると、米国の消費者の40%がiPhoneを使用している一方で、18歳から24歳の若者では、iphoneのスマートフォンユーザーは70%以上を占めていることが判明した。
グーグルのヒロシ・ロックハイマー副社長は、「iMessageによる囲い込みは、アップルの戦略を証明している。同調圧力や脅迫を製品販売の手段として利用することは、人間性と公正さをマーケティングの中心に据える企業にとって不誠実なことだ。これを改善するための基準は現在、存在している」とツイートしている。
閉じる
中国のゼロ・コロナ政策の強化、住民や経済にしわ寄せ(2022/01/11)
中国は、北京オリンピックと、国内で大規模な人の移動が発生する旧正月まで残り30日を切り、新型コロナウイルスに対して厳戒態勢を敷いている。しかし、ゼロ・コロナ政策の強化によって、住民は食糧難に直面し、企業の生産体制には混乱が生じている。
仏
『レゼコー』 によると、これまで中国は徹底したゼロ・コロナ政策をとり、2020年3月から継続して国境を閉鎖している。国内では、ほぼ正常な日常生活への復帰の代償として、感染者が一人でも確認されるとただちに大規模な検査が実施され、ロックダウン措置が取られる。兵馬俑で知られる大都市西安の1300万人の住民は、わずか150人の感染者が確認されたことを受けて、2週間以上も自宅からの外出を禁じられた。これは武漢の閉鎖以来、前例のない規模の措置である。...
全部読む
仏
『レゼコー』 によると、これまで中国は徹底したゼロ・コロナ政策をとり、2020年3月から継続して国境を閉鎖している。国内では、ほぼ正常な日常生活への復帰の代償として、感染者が一人でも確認されるとただちに大規模な検査が実施され、ロックダウン措置が取られる。兵馬俑で知られる大都市西安の1300万人の住民は、わずか150人の感染者が確認されたことを受けて、2週間以上も自宅からの外出を禁じられた。これは武漢の閉鎖以来、前例のない規模の措置である。
北京の南800キロにある禹州では、無症状の新型コロナ感染者3名が確認され、100万人以上の住民に自宅待機が命じられた。深センでは、7日に2人の感染者が確認されて以来、約1700万人の住民を対象に大規模な検査が実施されている。北京からそう遠くない天津では、9日から1400万人の住民が検査を受け、20人が陽性となり、そのうち少なくとも2人がオミクロン株に感染していた。
中国政府のゼロ・コロナへのこだわりは、今のところ感染対策面では成功している。一方で、経済的・社会的な面で代償を支払っている。西安では、妊娠8ヶ月の女性が、48時間以内に検査を受けなかったため、病院に入ることを禁じられ、玄関先で流産してしまった。この事件は、同じく医療を拒否された白血病の8歳の少年や、複数の病院から門前払いされ心臓発作で死亡した男性の事件とともに、ソーシャルネットワーク上で論争を巻き起こしている。
完全なロックダウンが命じられた都市では、飢えた住民たちが、食料不足のため、コーヒーと卵、タバコとインスタントラーメンを交換する光景が見られた。大手多国籍企業もロックダウンの影響を受けている。サムスンとマイクロンという2大半導体メーカーは、ロックダウン措置を受けて、西安工場の操業を調整せざるを得ず、すでに脆弱なグローバルサプライチェーンをさらに混乱させる可能性があることを公表した。
米『ビジネス・インサイダー』 は、中国当局によるウイルス撲滅のための各都市での厳しい移動制限は、世界的なサプライチェーンの危機が緩和される兆しがある中で、ブレーキとなっている、と伝えている。野村證券は、「中国での継続的なロックダウンは、すでに混乱を引き起こしている」と述べている。
約800万人が住む港湾都市、寧波でも一部でロックダウン措置が取られている。特に北侖地区は大きな打撃を受け、海運業界にとって大きな問題となっている。北侖地区には多くのトラック運転手が住んでおり、複雑なコロナ規制により、コンテナの搬出入が非常に困難になっている。野村證券は、感染力の強いオミクロンの変種が局地的に広がり始めたら、「サプライチェーンに大きな混乱をきたす」可能性があると指摘している。
『レゼコー』 は、国産ワクチンを12億人に接種しているものの、14億人の人口を抱え、病院制度が不十分な中国では、規制を緩和すれば、巨大な感染爆発に見舞われることが警戒されていると伝えている。中国政府は、経済的にも、ゼロ・コロナ政策の方が、全国的な流行が再来するよりもコストがかからないと考えているという。
米国のシンクタンク、ユーラシア・グループは、「第20回党大会が近づいていることと、中国の新型コロナワクチンがオミクロン株の拡散を防ぐのに効果がない可能性があるため、オミクロンがデルタより穏やかであるとしても、中国当局の政策を緩和する意欲は低いだろう」と予測している。民間航空局は7日、国際便の再開について、2023年から2025年の期間を目標としていると発表している。
米『ブライトバート』 は、北京当局は、2100万人以上が住む中国の首都で開催される冬季オリンピックでは、「クローズド・ループ」と呼ばれる管理システムを採用し、その一環として、住民に対し、緊急事態に巻き込まれたオリンピック関係者を支援しないよう、厳しい警告を発したと伝えている。事故など目撃した場合でも「車両や乗員には接触せず、専門家が現場に到着するのを待つように」とアドバイスしているという。
閉じる
その他の最新記事