フランス下院議会で、環境への影響を考慮し、ファストファッションに罰則を設ける法案が可決された。上院で可決されれば、世界でファストファッションを規制する最初の国となる。
3月14日付仏
『フランス24』(AFP通信):「フランス議会でファストファッションからの脱却法案への投票」:
フランス議会は14日、中国の大量生産企業を中心とした低価格のファストファッションへの消費行動を制限すべく法案を可決させる。これによりフランスは世界でファストファッションを規制する最初の国となる。
主な対策は、低価格の衣料品の宣伝禁止や、低価格商品への環境税適用となる。...
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3月14日付仏
『フランス24』(AFP通信):「フランス議会でファストファッションからの脱却法案への投票」:
フランス議会は14日、中国の大量生産企業を中心とした低価格のファストファッションへの消費行動を制限すべく法案を可決させる。これによりフランスは世界でファストファッションを規制する最初の国となる。
主な対策は、低価格の衣料品の宣伝禁止や、低価格商品への環境税適用となる。法案によると、今後フランスのファストファッションにおいては、生産される衣類の量や新規コレクション発表の頻度への基準を設ける方向となる。
フランスの被服市場には低価格な輸入服が大量に出回り、国内のブランド店の廃業が相次いでいた。1日に7200点の商品を生産する中国の「シーイン」は批判の中心にある。
マクロン大統領の地平線(Horizons党)の主な争点は環境面である。衣服は最も汚染に影響のある産業で、温室効果ガス排出の10%を占め、水の汚染の主な原因となっている。
上院での可決が条件となるが同法が施行されれば、更に正確な基準が発行され、企業は生産による環境への影響について消費者へ情報を提供する義務が生じる。
次年度は一商品につき5ユーロの負荷費用が課せられ、2030年までに10ユーロまで引き上げることが検討されている。だが罰金は商品価格の50%以上にはならないという。罰金からの収益は、サステナビリティ企業が競争力を上げるための補助金となるという。
法案には商品宣伝への規制も含まれている。保守派からは「宣伝を規制すればファッションの終焉につながる」との反対意見もあった。
ルイヴィトン、チャネル、エルメス、ディオール、カルティエなど、世界的な高級ブランドの恩恵をうけ、高級ファッションはフランス経済の礎となっている。一方で、低価格帯ブランドは、欧州のライバル「Zara」や「H&M」、最近では中国の通販大手「SHEIN(シーイン)やネット通販「Temu」などに市場を奪われていた。
3月15日付『Yahooニュース』(ロイター通信):「フランス議会でファストファッション罰則適用法案可決」:
フランス下院議会では14日、環境への影響をオフセットすることを目的とし、超ファストファッションに罰則を設ける法案が可決された。
法案では、1商品につき罰金を2030年までに段階的に10ユーロまで引き上げることや、商品などへの宣伝の禁止も盛り込まれている。法案は満場一致で可決され、今後上院での投票に移行する。
柔軟なサプライチェーンの恩恵により拡大中の「Shein」や「Temu」は、従来店舗をしのぐ人気で、「Zara」や「H&M」は消費者の趣向予測を元に今も伸びている。
「Shein」は、今回の法案は「既に生活費が圧迫されていると感じているフランス消費者の購買力に悪影響を及ぼすだけだ」と批判している。
フランスの環境省は、繊維の廃棄問題が悪化する中の対策として、EU諸国へ古着の輸出を禁止するよう呼びかけている。
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英国政府はこの程、プロフットボール・チームを傘下に収めていたアラブ首長国連邦(UAE)出資の投資会社による英国老舗新聞社の買収計画を阻止する法案を制定しようとしている。
3月13日付
『AP通信』、
『ロイター通信』、
『AFP通信』、14日付
『ザ・タイムズ』、
『ボイス・オブ・アメリカ』は、英国政府がUAE傘下の投資会社による英国保守系老舗新聞社の買収を阻止するための法案を準備中である旨一斉に報じた。
UAE副首相のシェイク・マンスール・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン氏(53歳、2023年就任、アブダビ首長国王室の一員)は2008年、英国プレミアリーグ所属のマンチェスターシティー・プロフットボール・クラブ(1880年創設)を買収した。
これは、ロシア大富豪ロマン・アブラモビッチ氏(57歳)が2003年にチェルシー・フットボール・クラブ(1905年創設)を買収して以来の出来事であった(2022年ウクライナ軍侵攻を伴い、同氏は同年に止む無く米投資会社へ売却)。
そのシェイク・マンスール氏が率いるUAE・アブダビ首長国在のレッドバードIMIが、英国老舗新聞社『ザ・デイリィ・テレグラフ』紙(1855年創刊)を買収する動きに出た。
しかし、同紙が現保守党政権と密接な関係にあることもあって、プロフットボール・クラブ買収には何ら口を挟まなかったが、メディアの独立性や政治的な影響力を持つ資産が外資の傘下に入ること等を懸念するとして、この程、同買収を阻止するための法案制定に動き出した。
貴族院(上院に相当)のスティーブン・パーキンソン議員(40歳、2022年文化・芸術担当政務次官就任)は、“我が政府は、メディア買収の制度を修正し、新聞やその他定期刊行雑誌が外国資本によって所有されたり、影響下に置かれたりする道を排除することを明白にしていく”とコメントした。
同議員によると、今回の法改正によって、問題ありと懸念される如何なるメディア買収案件に関して、全て競争・市場庁(CMA、公正取引委員会に相当、1973年前身設立、2013年現組織設立)に調査が委ねられることになるとする。
そして、もしCMAが問題ありとの結論を出した際には、政府は当該買収案件を阻止するか、撤回させる命令を下さなければならないと規定されるという。
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